腹式呼吸が腰を支えている

魚類は一般的にえら呼吸。
爬虫類は一般的に胸式呼吸のみで腹式呼吸機能はない。
哺乳類は胸式呼吸と腹式呼吸のふたつの呼吸システムがある。


ここで魚類がえら呼吸なのは理由はわかる。
えらで水中にある酸素を越して呼吸をしている。


爬虫類というととりあえずワニ、トカゲ、ヘビ、カメなどが代表的。
これらは胸式呼吸しかしていない。


何で胸式呼吸しかしていないのだろうか?


不思議に思いませんか。


でも考えると何で哺乳類が胸式呼吸のみならず腹式呼吸をも
する必要ができたのかを考えたほうがいいのかもしれません。


ワニやトカゲやヘビなどの姿勢をみると、
地に腹をつけた印象がある。
地面が腹を支えている。


だが哺乳類はネズミや猫や犬、馬、、、、などなどを見ても、
よほどリラックスする場面でもなければ地面に腹をつけずに
立っている印象がある。
四足の動物ならば、
両手と両足で胴体を空中に浮かべるように支える。
地面に腹がつかずに腹部が吊り下げられている。
でも吊り下げられていても楽に支えられている。
腹式呼吸で腹圧調整機能が発揮されてできる芸。
腹圧をかけて腹部を膨らませることで
腰椎が腹側へ行き過ぎないように調整する。
つまり腰椎が腹側へ出っ張りすぎると、
屋根がぼこっと中腹からへこんだ状態。
構造体としてもろすぎる。
そんなすぐにでも崩壊しそうなもろい屋根の家には
怖くて住めませんよね。


そうならないように腹圧を調整し
腰椎の位置を調整しているのです。


つまり腹式呼吸が楽にできているということは、
腹を地面から離して空中で支えるのに重要です。
腹式呼吸に問題があるような呼吸をしていれば
腹圧を調整できないので空中で腹を支えるのがつらい。
もろに腰部の周囲の筋肉や靭帯、そして椎間板までも
狭窄するようになる。
つまり腰部が曲がりがきつくなり
動きが腰部の局所で支えることになり縮みだす。
硬く縮み痛みが起こりやすくなるのです。


それに対して背骨が伸びやかに長く広がりを持つ。
すると動きが全身的になり保持しやすくなります。


哺乳類として生まれてきた私たちは、
腹式呼吸をうまくして腹圧を調整し
地に着いて休めない胴体を支え続ける。
そのような宿命なのでしょう。



ただ女性が妊娠して腹部に胎児がいるとき。
腹式呼吸はできずに胸式呼吸に頼ることに。
でも腰を前に反らせない腹圧状態を
胎児がそこにいることで作り上げています。
胎児が最良の腹圧を保持してくれるから、
妊娠中は胸式呼吸でもまかなえるようです。