進化の過程をたどるエクササイズ

気の身体術―メビウス気流法という本に『たどり』というエクササイズが紹介されている。


(1)直立二足歩行を少しして
(2)サルやゴリラのような前屈歩行をし
(3)四つんばいになって歩き
(4)腹ばいになって這う。
(5)手足を利用しないで移動してみる。
(6)そして今度はこの順を逆にたどって再び直立へと戻ってゆく。


というようなものです。


進化の過程を逆行してたどり、
次に順行してたどるのです。


大切なことは、
このような動作や、またときに静止のポーズをしながら、
そこに何が生じているか、
筋肉や関節などの微妙な力のいり具合、
皮膚の緊張や弛緩、
大地や空間との関連、
心の変化などを感じ続けていくこと。


実際にやると興味深い発見があります。


その発見は各人の感じられた財産になるでしょう。



話がそれますが、
私の好きな著者にリチャード・H・モリタ氏という方がおります。
『 マイ・ゴール―これだっ!という「自分の目標」を見つける本 』
などの人生の目標を見つけるための本を書いている作家です。
彼は過去の自分の生い立ちや信条などを詳しく思い出して記録し、
記憶から自分が納得のいく目標を見つけられると説いています。
私にとって目からうろこがはがれる気持ちで読んだことを覚えています。


過去の記憶をたどることで今の自分が見えてくる。


何かをしなければと思うが何も浮かばない。
そのような気ばかりが急いているとき。
自分の過去をたどり自分というものがわかり始めたとき、
どのような目標に向かい進めばいいかに気づかされます。
郷愁に近い感情がよみがえり肩の力が抜けていきました。


白黒思い出さなくなったグレーな記憶を放置して、
過去をたどるよりも前進あるのみ!と無闇にいた。


そんなことをしていると自分を造る構成要素を見失う。
得体の知れない状態ではその素性や性質がわかりえず、
戸惑い地に付いた足元が見えなくなるだろう。


そんな考えを強めて以来、
進化の過程を『たどる』必要性を痛感している。
『たどる』ことが体の仕組みを理解する手立てになった。


気流法の『たどり』を格好がよくないように思うと、
実行するのは難しいかもしれません。
でも私の知り合いのワーカーも驚きの発見をしましたよ!