自律神経により動脈の直径が変えられている


自律神経の血液を各部へ流す仕組み。


体全体の血液分布は動脈の伸縮で調整されています。
自律神経により動脈の直径が太くなったり細くなることで、
血液の分布が変わるのです。
動脈の直径が太くなった臓器にや血液が多く流れ、
細くなった臓器には少なく流れるというシンプルな仕組み。


そしてそれは、
安静時には消化器への血流を増やしてエネルギーを蓄積。
動作時には脳や筋肉へ血流を増やしてエネルギーを消費。
となります。


安静時の血液の分布】をみていくと、
・脳15%
・心臓5%
・消化器30%
・腎臓20%
・筋肉(骨格筋)15%
・皮膚などに10%


というような割合があるんです。



ただ脊柱起立筋のしこりが深くもぐりこんでいればどうなるでしょう。
自律神経の交感神経と副交感神経のスイッチを選択しづらくなります。
脊柱起立筋が硬くなり脊柱につまりや背中や腰の張りがあれば
交感神経が優位になります。
そのときは上記の安静時の血液分布で言えば、
脳や心臓、筋肉(骨格筋)に送られる血液は増え、
消化器等に送られる血液は減ります。
それはカラダを活発に動かして筋肉を緊張させている状態ですので、
不眠傾向が強まります。


脊柱起立筋のしこりだけでなく、
頭蓋骨後ろの後頭骨の下辺部分にしこりが入り込むこともあります。
右利きの人は主に左側のしこりが大きくなる方が多くなります。
脳に送られる血液は左側の首筋の中の動脈を上り
右の首筋の中の静脈を下って心臓に戻る仕組み。
この起立筋と後頭骨下辺のしこりが合わさると、
自分では気づかないうちに【安静時の血液の分布】が正常値と離れていく。


意外にこの二つの部位をどれだけのしこりが入っているか
把握するだけで、
この方は日頃から緊張が抜けないだろうとか、
眠りが浅いので体力値が下がりやすいのではとか、
消化器に送られる血液量が減少して消化不良で外にだすかもなどと、
予想を立てられることもあります。


体の中のエネルギー資源は無尽蔵にあるものではなく、
一定のパイをおのおのの臓器が適量に分け合うものです。


エネルギーを貯めるときと使うときというメリハリが必要。
交感神経が常に優位なら脳や筋肉がエネルギーを使いすぎ
燃え尽きていきます。
それでは肉体的にも精神的にもしんどくなるのです。
副交感神へのスイッチを入れてエネルギーを貯める。
そんな時間を過ごす必要があるのです。