ひとはケガをして出血すると白血球がばい菌を殺しつつ、
血小板で傷口をふさぎます。
よくできたシステムです。
子供のときを思い出してもらうと、
よく傷口に唾をつけたりしてましたよね。
汚いからやめなさいとか、
唾は雑菌があるんだからとか、
今ではそれはよくないことだと考えている人もおられるようです。
ケガをするとその人の唾のなかの殺菌力があがるのをご存知ですか?
普段のときよりもケガをして傷を癒したいときに効率的に殺菌力が
あがるようになっているんです。
必要な状況にあわせて必要なことを自動的におこなってくれている。
不思議な生理現象です。
ただもっと不思議なことがあるんです。
お母さんがわが子が転んで膝や肘を傷つけたときに、
ちょっと唾を傷口につけて『ほーらもう痛くなくなった!』と
おまじないをしてくれましたよね。
実はケガをした人に同情をした周囲の人の唾液の殺菌力も
計測すると増えていたのです!
わが子を思いやる母の唾は優れた殺菌力を発揮しているんです。
そしてそれは親子関係に限らず広い範囲でそのようなことが起きています。
相手を思いやり我がことのように親身になって考えるときに起きるのです。
かわいそうと思いやる気持ちをもつ人には
そのような現症が陰でおきているそうです。
真心から生まれるいたわりの気持ちが、
生理反応に現れているのですね。
飛躍して考えると、
人を思いやるいたわりの気持ちが強い人物は
自分自身の体内の殺菌力を上げる機会が増えるということになります。
人を思いやる友愛や気持ちが自分の体内で自分を助けているのでしょう。
そう考えると『情けは人のためならず』なのだとしみじみ思います。