『施術は工夫に始まり、工夫に終わる』

ワークの成果に奇跡はありません。
奇跡にたよると研究心が萎えます。
一見すると奇跡のようでも、
知識と知恵からきた技術力が必要。
それがなければ再現性がないのです。


技術力をえる方法として
誰かに教えていただくことも大切ですが、
ある程度学べば自助努力の積み重ねです。
状況を検分し課題を知り対応策を考える。
本に書かれてないやり方も必要です。
必要性が新たな学びを促すのです。
その繰り返しなのです。


神道無念流剣術の岡田十松吉利は
剣は工夫に始まり、工夫に終わる』といいます。


どこに問題があるかに焦点を当て追求していく。
問題意識や視点や視野を広げて粘り強く研究する。


だからワーカーが理解した分しか結果はうまれません。


それゆえ一年前の私のワークと今のワークは違います。


工夫をせねばならない課題がどれだけ私を苦しめたか、
ということでもあるのです。
課題を解答するたびに逃げずに終えられ感謝しています。


意外に思われるかもしれませんが、
施術のテキスト通りにしたのに成果がでなかったり、
逆に悪化させてしまったということはままあること。


施術技術とは紙面で書ききれない暗黙知のカタマリ。
実伝されなければ要点や真意を飲み込めないことがある。
テキストの前提部を読み飛ばし誤解を生じることもある。
同業ならこれくらいの忌避判断力はあるとの信頼の現われもある。


課題を得て解決する代償は私の体の中に残るものの、
結局は自分で造った道具が一番その性質を把握でき、
リスクや効果を計算できます。
基礎力がなければ道具ひとつ作るのにも事欠きます。


でも根を深く地中にはるように成長するためには、
『剣は工夫に始まり、工夫に終わる』と同様であるべきだと思います。