体質改善運動法を筋肉状況から見てみると

筋肉が柔軟な状態から徐々に様子が悪化していくと。。。
『炎症』→『線維化』→『硬化』となります。
はじめは血液をダメージを受けた組織に集めて暖め治癒を試みているが、
徐々に血液循環が悪化して冷えていく様子がうかがい知る事ができます。


メカニカル・リンク』という書籍より
一部その流れと詳細を抜粋させていただくと次のようになります。


『炎症』反応では身体の日常的な防衛システムです。
収縮作用を持つ組織。
骨格筋、内蔵平滑筋、心筋、血管やリンパ管を包む筋線維などの組織です。
過剰な筋肉の収縮動作、外傷、バクテリアの侵入、心理的なストレスなど。
これらはまだ可逆的な段階で、
組織は自然に元に戻ることもある。


『線維化』は炎症反応の次のステップ。
筋肉の収縮作用や他の問題が本来の筋組織の柔軟化という可逆できずに、
そのままの炎症状態で使われ続ける。
すると筋線維の状態が変りだします。
ウインナーの皮のように巻かれた筋膜。
この筋膜の組織が徐々に太くなりだす。
筋膜は粘つくコラーゲン組織で自力で伸び縮みしません。
筋膜のコラーゲン組織が肥大すれば筋収縮性は制限されます。
すると思いどおりに伸び縮みする力を持つ筋原繊維の力が
そがれていくこととなります。
この状態になると自然に組織が柔軟になる可逆性はなくなります。
適切なオステオパシー的な処置により改善させることはできます。


『硬化』は線維化の次のステップ。
血液循環が不十分になり筋肉組織が硬く変質していきます。
靭帯や腱が石灰化、動脈硬化、皮膚の角質化などがおきる。
より柔軟な筋肉に自然に移行する可逆性はそがれます。
戻ってもごくわずかにとどまります。
オステオパシー的処置をおこなえば「徐々に」改善されていきます。
硬化まで進むと劇的変化がおきにくい体内の状態に置かれています。
だから徐々に薄皮をむくように改善させていかなければなりません。


というようなことであります。


そこで次のような質問をいただきますと、
アドバイスの返答が変ってくるわけです。


急性の筋肉痛ならば、
まだ『炎症』でとどまっています。
その炎症が癒えてから運動をして血行促進でダメージを受けた組織も復活!
その場合は適度な運動をしていきましょうね、とお勧めいたします。


数ヶ月も続く慢性の筋肉痛などではでうでしょう。
筋肉コンディションが『線維化』が進んでいます。
可逆性を失いつつあるため運動は実情にあったものを選択すべき。


深層筋膜まで『硬化』が進まれている方は、
体幹のゆがみが生じています。
そのゆがみの力は強力です。
体を曲げにくい方向がでてきています。
曲げ伸ばししにくい側の動きは抑制されます。
そのような動き方で運動をする傾向が強まり、
熟考した運動方法を選択しなければ体のゆがみが助長されます。
それによりかえって体調の悪化を呼び込むリスクが高まります。


多くの場合には、
深層筋膜の『硬化』を緩めていき正常化させてから
血行促進や筋肉コンディション改善のトレーニングをするといいようです。