先日お客様より不思議なお話をお聞きしました。
お話の内容を直接的にいいますと差しさわりがあるかもしれません。
そのため大家とは誰かなどの話をはしょらせていただきます。
フランス人夫婦の間にかわいい赤ちゃんが生まれました。
とてもかわいがっていたそうなのです。
不幸なことに、
お父さんがだっこをするときに誤って頭から落としました。
その事故で赤ちゃんは頭部に障害を負うこととなりました。
やわらかい赤ちゃんの頭部は脳に損傷を負いやすく、
顔の表情や斜頸など見た目でわかるような症状です。
脳の損傷を癒すのは難しい治療となるでしょう。
両親は障害を拭い去ろうと多くの病院に訪れました。
ですが障害は改善されず万策尽きる。
そのときある整体の大家がフランスに滞在していました。
だが大家は自らの整体術を封印し治療をおこなわない、
つまり引退をしたうえでの海外渡航だったのです。
すでに引退をした裏側には、
ご自身にしかわかりえない明瞭な理由があるはず。
自身の命をガリガリと削る施術をしていたはず。
引退を表明した時点で
他のもの達へ渡した自らの命のともし火が弱まる様子をみていたに違いない。
ただフランス人のご夫人が狂ったように夫を責め、
という様相もありました。
このたび夫人は見えませんでしたが大家の元へ訪れた夫は必死。
とにかく少しでも可能性があるなら診てほしいといいます。
大家は苦悩を察し治療を快諾いたしました。
整体治療というと体の筋肉にそったり経穴に圧をかけるでしょう。
ただこの大家は数秒ほどまるで祈るかのように赤ちゃんの後ろに。
大家は『もう治療は終わりました』といいます。
あっけにとられた夫はいんちきな治療をするやつだと怒り心頭。
今まで先端医学を誇る病院になんど診せたことか。
難病だからそこでも直すことができなかった。
それがこんな数秒祈るだけで直るはずがないではないか!
そんな落胆とも憤りともつかない気持ちのまま、
帰宅の途についたわけです。
おそらく家に待つ夫人にどのように言い訳のような説明をしようか、
必死に考えていたに違いありません。
ですがその言い訳は必要なくなりました。
帰宅して大家の治療なんてたいしたものじゃないと必死に説明する、
その横で夫人が一声『もう治っているじゃないの!』。
そして夫ははじめて赤ちゃんの頭部に見えていた障害が
消えうせていたことに気づいたのです。
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不思議な話です。
この話はどこかの本に書いてあったものではなく、
フランス人夫婦に大家を引き合わせた方にお会いした方からの又聞きです。
大家はなにをどうやって癒したのでしょう。
手際のよさも含め見当がつかないほどです。
整体というものの捕らえ方の発想から違う。
底知れぬものを感じざるを得ません。