呼吸法の修練をするための下準備


莫大なメリットが呼吸法習得にはあります。
それはスポーツや精神修養などどれをみても一押しですよね。


ただソフトな呼吸法修練をしただけでも、
ときには気が頭部にのぼり落とせなくなるときもあります。
だからハードな呼吸法修練をするときは
導いていただける師の指導のもとでおこなうほうがよいと思う。


たとえば以前『SPIRIT』というカンフー映画が公開された。
実在した拳豪、崔元甲が題材。
主人公を演じたのはジェット・リー
列強の猛者と中国武術の威信をかけ戦う姿が印象にのこる映画。


崔元甲は『黄面虎(こうめんこ)』と呼ばれるほど顔が黄色かった。
元甲が子供のころに気功を練習していて肺を痛めてからだという。
以来喀血のため血色が悪く赤みが引いた顔色が黄色がかっていた。
それで黄色い顔の虎という意味で『黄面虎』呼ばれたという。


子供のころに指導者もなくおこなった気功による肺の障害は、
死ぬまで彼の顔を黄色く染めて、
彼の死因も喀血が悪化したためだと書く本もある。


肺を傷つけるほどの苦しみを味わいでもその修行をやめなかった。
命がけで修練をしたから傑物にもなれたのかもしれない。


危険な呼吸法の修練に危険を感じた元甲は
気功についてどうかと問われたとき
「危険なのでおこなうべきではない」と戒めた。


ただ寸勁と呼ばれ密着して打ち出した拳で相手を吹き飛ばす力などは
腹腔内のコントロールを自在にする呼吸法がないと威力に欠けるかも。



呼吸を意識するときは、
胴体を内部から呼吸にあわせ伸張し収縮する『テンセグリティ体』と意識。
その仕組みに精通しておくとよいでしょう。


呼吸筋が緩んでいるだけではなく、
呼吸動作に関係する骨同士が関節で癒着なく緩み自由な可動域も必要です。
たとえば横隔膜に関係するみぞおちや腹直筋、そして肋間筋の緊張がとれ、
胸郭の骨格的に胸骨が前に張り出したり引っ込む鳩胸や漏斗胸ではないこと。
激しい呼吸法の練習をいきなりがんばりすぎては危険です。


まずは指導者のもとで段階を経ておこなうように心がけたいですよね。


私がお客様に「呼吸法を学んでみてはいかが?」と話すときは
すでに危険が少なく呼吸法を学べる段階まで肉体調整済みです。


ただリラクゼーション目的の気功法の修練や呼吸法の練習では、
これほどの危険はないと思います。
気分が悪くなれば休止して内容をチェックして改善するように。