下部肋骨変位チェック


人は疲れてくると呼吸がしづらくなる。


疲労してくる度合いに比例し
多量の酸素を摂取することで酸欠しないよう対処する。


そのとき腰部が硬直化した起立筋などに覆われており、
下部肋骨の居場所が狭められているなら下部肋骨は徐々に開いていく。
そしてその呼吸のしづらさが常態化すれば下部肋骨が開いたままになる。
それをみて「呼吸疲れが溜まってる」と見て取ります。


下部肋骨が開いた状態を観察すれば、
左右の肋骨はシンメトリーに開いたままになることは少ない。
多くの場合が左右不ぞろいな形で開く。
体の中心線を胸郭部で捻じ曲げる力を持つ。


顎が前に突き出てきて首にも負担が強いられる。


呼吸自体も浅くなる。
それは横隔膜が強く張られてしまい上下動がしづらくなるから。


ひどいときには横隔膜下にガスが溜まり横隔膜を上にばかり押し上げ、
心臓を下方から圧迫して押し上げ続けたりもする。
もともと下部肋骨の変位によって胸骨がゆがみ剣状突起も曲がりだす。
そうなれば心臓に関係が深い経穴の壇中もゆがんでしまうから、
その意味でも心臓によくない影響をあたえてしまうことだろう。


ここに気づかないで長期間おれば、
肋軟骨部分が器質的に広がったままに固定されてもとにもどせなくなる。
そしてこのような固定化されて動きが悪くなった肋軟骨部は骨折しやすい。


そのために手技による加圧リリースも危険となるため、
元に戻すことは難しい箇所の筆頭にあげられるだろう。


とにかく腰部裏手にあるしこりが幅を利かせているため、
ここを解かないうちには改善は一時的だ。
それに信じられないくらい固くなっていることも多く、
セルフリリースでは埒が明かないこともあるだろう。
私がおこなっても最長筋やらが数本束ねられて深く塊が入る場所は
解くのに骨が折れる。
時間もかかる。


肋骨の開きをチェックして気になる方は早めに対処をしましょう。