犬や猫のように4足で立つならば、
ラーメン構造でいい。
だが人は2足で立つ。
なのに4足で立つラーメン構造で立とうとすれば、
重心をどこに保てばよいのだろう?
塔のように2足で立つ構造ならば、
1300年のあいだ倒れない神話を持つ法隆寺の五重塔の構造観察が役立つ。
法隆寺の五重塔は地震や台風で倒れたことは皆無。
その秘密とは?
そんなことを考えながら『五重塔はなぜ倒れないか (新潮選書)』という本を探し当て読んでいます。
まさに当時の構造力学の技量の高さは、
現在にも解明し得ない謎があるそうだ。
卓越した建築技術を誰が考案したのか。
五重塔の中心には心柱という一本柱がある。
心柱を中央に五重塔の透視設計図は実に美しい対称性を現す。
すべての屋根が上方を指し示し、
五重塔の塔頂上にそれが通じる。
そのような力の流れのベクトルを示唆しているようにも見えるだろう。
それについては以下の『五重塔の謎』というページも参考になるでしょう。
http://homepage3.nifty.com/btocjun/rekisi%20kikou/houryuuji/1-5juutou%20nazo.htm
また以下のページでは『1/5模型五重塔の振動台実験』という
興味深い実験がおこなわれています。
http://www.bosai.go.jp/genba/hokoku/gojyu/gojyu.html
私には立ち方の達人には、
五重塔の不倒神話に通じる構造設計図が仕込まれているよう目に映る。
主に長方形に組まれた骨組みの各接合箇所を剛接合したラーメン構造は、
構造上の問題でこちらから押せば弱いという弱点があるように思える。
五重塔にはそのような弱点は見受けられない。
あれば振動方向の予測がつかない地震により、
1300年も倒壊しないなんて考えられない。
人間が四足から二足に変わったとき。
そこに塔として立つ転換がおきねばならないと思う。
余談ですが。。。。。
東京タワーに変わる新東京タワー。
タワーの高さは610m。
今回のデザインで,「心柱」と呼ぶ鉄筋コンクリート製の中心軸と,
心柱を取り巻く編み籠状の鉄骨による「塔体」から成る構造を採用した。
この構造は,これまで地震による倒壊を免れてきた京都の東寺や
奈良・法隆寺の五重塔の構造と同じだそうです。
千年以上も昔の技術が現代でも採用されている。
先人の知恵は今も活き続けている。