奥歯と記憶力の関係

脳が若返る100のコツ―老けない脳をつくる』という本に
<奥歯を治療して、記憶力を強化する>という項があり興味深いことが語られている。


ねずみの奥歯を削り取り物をかめないようにする。
すると記憶力が低下し、
記憶力に直結する海馬のCA1領域にある大錐体神経細胞の活性が落ちる。


一次記憶をする海馬というメモリーに問題が生じるために
記憶力が悪くなってしまうのです。


削り取った奥歯を、もう一度正常にかめるように治療すると、
再び記憶力が戻ったという研究報告があるといいます。


2002年に岐阜大学医学部渡辺和子氏らが発表したもので、
人間も歯が抜けたままだったり入れ歯が合わなかったりすると、
記憶力が衰えてくるといいます。


歯がかみ合わせがわるくて奥歯がしっかり噛めていないなら、
ねずみの実験と同様に海馬の大錐体神経細胞の活性が落ちるはずです。



顎をよく見てみると頭部に下顎が筋肉でつられているという感じです。
顎を開けるときには下顎の周囲の筋肉を緩めれば
顎を開こうと努力することは一切なしに、
下顎の重さで口が開いていく仕組みです。


顎の周囲を取り巻く筋肉群が正常で柔軟ならば、
それだけでかなり大きく口が開いていく。


顎を取り巻く筋肉群にしこり化がみられれば、
下顎の重さで口が開く量は少なくなります。


がんばって口を開けてもらおうとしたときに、
下顎が左右にずれてゆがんでいたり、
下顎が奥にずれ入ってしまうことも。
カキッという感じの音が顎関節部分から聞こえるときは、
少なからず顎関節の周囲の筋肉群が常に硬化短縮して
顎関節をずらし続けている傾向が見受けられるでしょう。


または本来は下顎を緩めて顎を開くはずが
先に上顎を上に上げようとしてしまうかもしれません。
顎が前に突き出されていているなど
あるべき位置に頭部がないときにそうなります。


私どもでは顎関節をずらす筋肉群の問題を修正していきます。
ただこの部位のリリースは複数の筋肉が絡み合い繊細で読みが難しい。
それに硬くなった筋肉群は骨と同じほどの硬さに化けていることもある。


その骨と同じほどやまたは強く硬化した筋肉たちは炎症を持つが
硬くなりすぎると血行不良で痛覚神経麻痺が起きて痛くないことも多い。
ですが施術中に体が緩みだしてからその部位を触られると
炎症が起きた硬化した筋肉の存在に気づくことがあります。


初めてその存在に気づくと驚いてしまわれる人も多いですし、
自身では顎関節に問題がないと思っていたのに、
何でこんなに痛かったり腫れていたりする顎周りの筋肉の存在が
わからなかったのか不思議に感じることもあるでしょう。


ただこの存在に気づかなければ、
改善の糸口を見つけることは難しいかもしれません。



顎関節の関連筋に問題を見つけてしまい奥歯のかみあわせが悪いときには、
歯医者に通ったり私どものような施術を受けたりなど大変さもあります。
顎関節が動かされると関連する全身の関節に影響が出てしまうため、
事前に関連する体の各部の関節や筋肉が緩められて
変化に耐えるよう仕上げられておかないと問題が生じることが多い。
施術でも一筋縄ではいかない難しさを含んだ部位といえるでしょう。


ですが奥歯がしっかり噛み合わせられたあとにやってくる
確実に記憶力がよくなってくれるのは魅力的ですよね。