書籍紹介:『トリガーポイントと筋肉連鎖』

手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖 (GAIA BOOKS)
手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖 (GAIA BOOKS)
という本、ご存知ですか?


筋肉はタフな労働をこなすパワーを持っている反面、
とても繊細かつ精密なつくりをしています。


そのため少し損傷を受けただけでも動きが悪くなり血行悪化することがある。
そののような場合には特定箇所に痛みが発せられてしまう。
動きが悪くなり血行を悪化させた箇所が痛みの引き金を作り出してしまう。
そのような引き金(トリガー)となる問題の箇所を
トリガーポイントのように呼びます。


トリガーポイントに関する本はすでに数冊出ていますが、
エンタプライズからトリガーポイントについて
辞典のような厚さの本が出版されています。
私にとっては解説部がとても詳細で広域にわたる説明がなされていて
参考になる本でとにかく目を通しておいて損がない本です。


今回ご紹介する『トリガーポイントと筋肉連鎖』は、
トリガーポイント療法について概要を解説しています。
それにトリガーポイントの位置と関連痛、機能、神経支配、
関連する内臓などのような項目が
頭のてっぺんから足裏まで全身にいたる詳細データが記述してます。


ただ目的のトリガーポイントをどのように対処し解消させればよいか、
その点について詳細な解説をするページは割かれていません。
施術家の先生方にはトリガーポイントの位置や関連痛が
見やすく表記してあればそれで十分自分の得意な手技で対応すればいい。
そういったものとして受け止めることができるのですっきりした本です。


だが一般のマッサージや手技療法を身につけていない人には、
トリガーポイントの位置がわかっても対処法が併記されておらねばつらい。
その点を間違わずに購入するかどうか考えるべき本だと思います。


ただ第一部の「筋肉連鎖」のところは
筋肉連鎖について書かれた幾冊かの
重要な内容部分をコンパクトに紹介している構成。
こちらには邦訳されたアナトミートレインの紹介もされていたり、
それ以外にも大変興味深い体全身をどのようなユニットと考えて
それらを関連付けて機能を理解するか・・・のような
バイオメカニズム的なすばらしい資料となりえる内容。


こちらに関しても専門性が色濃いものの、
目からうろこがはがれるような人体構造の視点を
与えられるきっかけとなるでしょう。