お客様よりとある合気柔術のDVDを拝見させていただきました。
合気道でおこなう合気上げという技術が詳細に教えていただいております。
目からうろこがはがれるほどの「なるほど!」といえるような講義です。
東洋医学系の経絡を読んで施術をおこなう先生の中には、
指の一本一本に経絡の末端があるという図を見たことがあると思います。
その内容を知っていればよくそれが消化され技に転化していると気づく。
そのタネを知っているから「そうなるんですよね」と思ってみますが、
そのときに見事に応用して人を投げる姿には感動します。
知っていてもそれを使いこなせるかどうかは別次元です。
人は浅い知識でものごとを鵜呑みにすると応用が利かないのですが、
人を投げて実験結果を目の当たりにしつつ修練を積んでいく。
すると見事に変幻自在に応用を利かせる。
日舞を嗜む方やダンサーの手足の先に達する心遣いに通じる、
魅せる手さばきですね。
もうひとつ興味深かったところ。
野球やバスケットボールやバレーボールなど、
スポーツをしていてときどき「突き指」をすることがあるでしょ。
そのとき人差し指を突き指をすることがあります。
不思議と小指を突き指することってあまりない。
人差し指が突き指になっても全身の筋肉が硬直するぐらいだが、
小指が突き指するとどうなるでしょう?
実際にそうなってみるとわかるのですが、
体の筋肉が硬直するばかりでなく関節の並びが極端に乱れてしまう。
そんな感じをもたれるかもしれません。
脇をしめて力を万力のように振り絞る、
そんなことができなくなり非力になる。
戦いの場所ではここにダメージを受けたらおしまいです。
それにへし折られやすい部分でもある。
だから最大限にここを守ろうとします。
必死に守るのです。
ここを攻められ逃げるとき、
反射的に自ら動いて逃げる。
自ら腰を浮かせて逃げたり、
体がしびれ硬直させたように身動きを自ら封じてしまう。
自らを守ろうとする自己防衛的な反射が
大げさにのけぞり逃げたり投げられる。
一見すると過剰な反応です。
でもほとんどの人が合気道の合気上げの技をかけられると、
「うぅーっ!!」と息を止めて反応してしまう。
この反射行動は、
ただ小指というウィークポイントを狙われただけでもおきるのです。
それだけで体全身の機能が麻痺し硬直してしまう。
人間にはそのような秘密(?)の部分が幾つもあるようです。
ここがいささかでもダメージを受けそうならば全身が硬直する。
そのような反射的におきる硬直が小指以外にいくつかあります。
施術では小指以外にもこのような部分があると突き止めていく。
自らの体の中に気づかないうちに小指を守るほどの防衛反応が起きる。
そこが嫌なダメージを与え続けて止んでくれない。
そういったものが内側に隠れているんですよね。
それがときとして病を引き起こすことさえあるのかもしれないと推測。
それはここが小指のようなウィークポイントだと思うところを
リリースすると不思議と体全身が解かれて緩まってしまうので。
このような書き出しで情報が掲載している本を見かけないときには、
施術を志す各人が臨床や日頃の思索でつかんでいくしかないのです。
そしてこのようなポイントを見つけると
躍り上がるほどうれしいものです。