施術の難しさ。


高い精度を求めてテクニックを極めないとならない繊細なものもあるが、
ある程度のアバウトさを涵養するようなテクニックもある。
そのような施術のテクニックを伝えることはそんなに難しくないのです。


ただたとえば五十肩や腰痛などや他の慢性的な症状は、
西洋医に頼ってみても一時的に改善してもすぐに戻る。


何度か繰り返される首こり、肩こり、腰痛、etc。
そこに湿布を貼っても一時しのぎにしかならない。


そのようなものをみるときには患部を体の一部分として切り取って
その部位だけを直してはかえって症状が悪化することさえ出てくる。


首凝りならばなぜその部分が緊張し続けるのかを、
体全身のバランスを眺めて見抜く目が大切になる。


痛みなどの負担を感じる場所を切り取り対応しては
体の全身の問題を見過ごしてしまうことがあります。


この体全身を観ることができなければ危険です。
左首筋の首凝りが頭が右に傾いていてそれを支えるため
体を起こしている間中休まずに使い続けられているだけ。
もし左首筋のみを硬いからといって解いてしまうと、
一時は血流が改善して快適になるのです。
ですがしばらくすると左首筋が収縮作業の酷使に耐えられず悲鳴を上げます。


さっきよりももっと痛みを強く感じ始めてしまいます。


つまりこの場合の左首筋の改善を促すには、
頭が右側に傾かざるを得ない要因をなくす。
それを先行させてその頭をまっすぐできる具合にあわせ
左首筋の筋肉をゆるめる量を決めていく。


そうすれば解かれても不具合は感じないで快適。


痛みが出ている部分の多くは
確かに疲労しているし筋緊張が強くなっているのです。
ですが単純に凝っているからそこを解けばいいのでは?
というのではあまりよい結果が出ないときもあります。


「なぜその部分が疲労しているの?筋緊張せざるを得ないの?」
という原因を推理し推測し必死に探していく。
風が吹けば桶屋が儲かる的な複雑なステップを経て原因を私なりに特定する。
左首がしこりになるにもその首の不正な傾斜角は
重心具合や足や腰や骨盤・脊椎のゆがみや肩の様子や他のいくつもの
パーツを眺めてどのパーセンテージでおのおのが問題がでているか
私の頭の中でチェックするので。
深く読めるようになるとチェック項目が増えるんです。



施術のテクニックは誰にでも修練で習得できる。
ですがこのものの見方を持つことが難しいのだろうと思います。