GIFアニメで作った姿勢3パターン図

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左が虚脱姿勢。中が理想姿勢。右が軍隊姿勢。


人体をチェックするときには、
ぐるぐると回転させると、
その人の中心軸が体の中心を通っているかどうかよくわかるのです。



私がワークのときに、
お客様に立ってもらって周囲を軽く歩いて観察するときに、
このような中心軸が整っているかどうかをチェックします。
ちなみに中心軸のことを、
おもちゃのコマの軸を模してコマ軸というときもあります。


真ん中の理想の姿勢は、
中心に骨の支えがある。
そのことは直感的にわかりますよね。


骨は支えるのに筋力のような疲れはない、
支えることに特化した器官です。


地面から骨が丁寧に積み重ねられている。
そのため立位では体が浮くほど軽く感じる。
座っているときの胴体もこのような脊椎であれば、
座り続けていても楽ですね。


バレエをしている方が、
ピルエットという片足つま先で立ち体を回転させる技は、
理想姿勢でコマ軸がつかめていれば楽々できますよね。


理想姿勢以外はどちらも問題があります。
体が前後斜めに傾斜していて、
常に支えを失った宙に浮いた肉体部分が落下し続けています。
その落下を食い止めるために本来は使いたくない筋緊張を強いる。
立ってる間ずっと筋緊張させて傾斜して倒れかけているのを
支え続けて立っている仕組みです。

この姿勢の恐ろしいことは、
老後に骨密度が薄くなってきたときに筋力が弱化し、
同時に靭帯が弱りだすと姿勢の変位は雪崩を打ちます。


それが理想姿勢をとることを常としているものは、
老後にも腰が曲がったりせずにいつづけられます。


この差は大きいでしょう。



虚脱姿勢では、胸郭の前が陥没しやすい。
呼吸器系、消化器系、生殖器系などに問題が。
肋骨が詰まり狭くなり胸椎に狂いが出てきますね。


軍隊姿勢では、循環器系などに問題が。
腰椎にかかる負担は尋常じゃないです。


虚脱姿勢でも軍隊姿勢でも両方とも
腰部に負担がかかります。
腰が張るか腰痛になるわけですが、
腰部の曲がり方のパターンが両者違うため
腰部の負担のかかる場所が違ってきます。


そのパターンを知れば人の立ち方をみるだけで、
どのような腰部の張りがあるか察することができます。




もうひとつ厄介なことがあります。



長年、虚脱姿勢を続けていた人は、
虚脱姿勢を日頃の自分がすべき姿勢だと
脳の姿勢を決める神経がプログラムしてしまいます。


筋肉を施術で緩めても脳の姿勢を決める神経プログラムを
自己の意識と理想姿勢に近づけるトレーニングをしなければ、
強い虚脱姿勢をしている方ならば早々に虚脱姿勢に戻ります。


施術でいったんは体をゆがめるよう緊張し短くされた筋肉を緩めても
脳の神経が以前の虚脱姿勢がずっとしてきたなじみある姿勢だから
そこに戻りなさい、と水面下で強烈な命令をだしているのです。


そのような命令がでているとは露も知らないならば、
いったん施術で楽になったり姿勢が伸びて理想姿勢に近づいても
また以前の虚脱姿勢の意識設定にひきもどされてしまうのです。


そのようなことを残念ながら長らく続けてしまう人は多いですね。


施術院等で簡単に理想的な姿勢はこういった感じですと、
イラストや映像を観せられたとしても頭でそれを認識しただけで、
体がそれを身につけたわけではない。
それだけでは今後の生活改善に生きてこないレベルなんですよね。


だからもし以前の姿勢に戻りたくないのでしたら、
小脳にある脳の姿勢を決める神経のことを理解して、
理想姿勢に自らの姿勢を近づけるエクササイズをする。
または施術を受けるたびに適切なチェックを入れられて、
客観的な改良ポイントを参考として教えてもらうなど。
地道な作業を長い時間をかけてして、
理想への道を上り詰めることが重要。


一足飛びに理想姿勢に近づける人は意外と少なくて、
その人が体を徐々にゆがめてきた流れを逆行する形で
少しずつほぐれて癖のない姿勢に戻るような感じです。


その作業は各人の体のゆがみ方に比例して時間がかかります。


そこまでを考慮して徹底していくかどうか。
それはとても大切なことのように思います。