大関節と小関節
体の中には仙腸関節や股関節などの大きな関節と
手の「手根骨」や足の「足根骨」のような
小さな骨が複数精密に組み合わさり動く小関節のふたつがある。
案外、大きな関節は重要だよといわれるのだが、
小さな関節の集まりのような手根骨や足根骨が
同様に重要であると聞いたことは少ないようだ。
それはなぜでしょう?
いろいろと考えることは出来るでしょう。
仙腸関節とか顎関節とか、
とても重要といわれる影響が大きい関節に気を取られすぎた。
それもひとつでしょうね。
画期的な成果をだせる調整ポイントですから。
このような大関節部分は。。。
ただそれだけではなくて体の関節はどこが癒着しても、
他の広く関連する関節に影響がいくことの認識が少ないためかもしれない。
たとえば人体の関節は呼吸をするときに胸郭を拡張したり収縮させるとき、
連動してほぼ体全体の関節が動くことで、
深い静かな呼吸を叶えるように設計してあります。
それに合気柔術のような技で相手の手首の関節を特殊に握りますと
面白いように動けないようにすることができます。
すでに技をかけられたものの全身の関節は動きが抑制されています。
つまり大関節を抑えたわけではないのに、
全身の関節の動きを抑制することができちゃうんです。
ならば実態として大関節がずれているような方は、
小関節もたいていずれていることが多いように見受けられます。
先に述べた複数の小さなパーツの骨で複雑な関節で仕切り関連付けられた関節、
手根骨や足根骨などもずれているし、
なかにはかなりの強烈な関節間の癒着が靭帯レベルで進んでいる。
ここまでいくと大関節をいくら調整しても、
そのような小関節の癒着を解くことはできないだろう。
これらの小関節はすでに器質的な歪んだ状態の形状を維持し続けようとする。
とある本を読んでいて人体はフラーレン構造のような性状もあるという。
私の家にスフィアというおもちゃがあります。
そちらはフラーレン構造で出来ていて、
小さくなったり大きくなったりスムースにする多関節のボール。
特徴としてそちらが大小の形状を変えようとするとき、
どの関節部のひとつを押さえて動かないようにしても、
全体の大小への形状変更がしづらいかできなくなる。
つまり小関節のズレがすでにそこを直接的に緩める操作なしに
元通りに緩まないのならば、
先程解いたはずの大関節の仙腸関節や股関節などが
小関節のずれにより全身の関節が動きにくいように
なっているままならば。。。
どうなるでしょうか?
いつまでもその人はほんちょうしにはなれないということです。
たとえば手根骨部分や足根骨部分や他の小関節を解くための教本のページは
数ページ設けられているかもしれません。
そこはあまり大事に思えずざーっとめくってしまう。
あまり読まずに大関節に目が行きがちになるのです。
大関節部分を調整しても戻りが大きかったりすれば、
少し視野を広げてみる必要があるかもしれません。
そうすることで施術の突破口を見つけられることも。
それに「人体に含まれる相関する相似形」のような考えをもてば
大関節と小関節の重要性を隔ててみてしまうことはよくないと思えるはず。