側弯症をいつ治すか。


先天性側弯症と特発性側弯症というものがあるのです。


先天性側弯症は生まれながらの側弯症。


特発性側弯症は、日常的ないろいろな要素が重なり合うことで起きてしまう。
たとえば悪い姿勢や運動不足による脊椎を支える筋力低下、
筋肉のアンバランスな発達、骨盤のズレや背骨のズレや、
ある種の病気や精神的ストレスなど原因は様々です。


そして約80%もの子供たちの側弯は特発性側弯症といわれているそうです。


幼少の学校に通う前から脊椎の側弯傾向があるとき。
そのときには体が成長するにしたがって、
側弯傾向が改善していくときもあります。


または学校で健康診断を受けるときに、
側弯症傾向があるかどうか検査を受けたときに
あきらかに側弯傾向が強いならばすぐに対処するように病院等にいって
しっかりとした検査が必要とアドバイスを受けるでしょう。


ですが軽度の場合には次のように告げられることもあります。
「側弯の傾向がありますね。
状態はそれほど悪くありませんから様子をみましょう」
成長期には骨格からして大きく変わる時期です。
だから様子を観ましょうという言葉もわかります。


子供も通ってくるようなカイロプラクティック院を経営している先生が、
「最近は側弯症と言っていいような子供、増えたよね〜」といっていました。
私は子供の施術はほとんどしていませんので、
その実感は薄いのですが。


たまたまお客様のお子様が側弯症だから解いて欲しいということで、
おこしいただいたことがありました。


それに学校帰りの子供たちをなにげなく観察していると、
今の子達はスタイルが良くなりましたが、
側弯になるような要素の歯科矯正をしていたり
下顎関節のずれがみえてくる割合が増えたかもしれない。
そう感じています。


で、そのカイロプラクティックの先生と早期発見に早期治療が必要と力説。


つまり早期発見できたときに、
勝手に治ってくれてしまうことも確かにあるのですが、
そのまま側弯症の症状が身に定着してしまうこともありますから。


それにやはり子供の場合には、
筋膜の硬化が生きている年数が少ない分だけ
大人の側弯症と比べものにならないほど容易だったということを体験したことがあるからです。


側弯が弱い時には胸椎の歪みが固定化が強くなりすぎていない。
それがとてもありがたいですよね。


早期発見した、そのときに対応したほうが、
後々に積もる身体的負担が軽減されるはずです。


それが側弯を早期発見できたが、
月日が経つと骨格が筋肉バランスのずれ程度ではすまなくなり
脊椎骨同士をつなぐ靭帯が骨化するほどの硬さになってしまう。
この状態になってしまうと、
早期発見したときにリリースする時と比べれば、
どれほど施術のリスクが高くなるかとか
施術を受けるときの経費が増すか。
それに施術の難易度は飛躍します。


側弯症が定着していれば肋骨の開閉がうまくいかず肺や心臓に負担。
呼吸器や循環器の大事な機能が理想状態には発揮しづらくなります。
それに胸腺が圧迫されていればアレルギー性疾患(花粉症等含む)など
免疫系の問題が出てしまうこともあるようです。
それになんだか体にネックになる部分を抱えているという感じは
精神的に気持ちいいものではありませんよね。


重篤な状況の側弯症のケアを対応したことがある施術者ならば、
そのケアを受ける側のお客様の大変さを知っています。
ひとりひとりまったく異なる歪み方のパターンです。


体の深部の芯に、
お客様が想像できないような硬化部を観て、
それを解き続ける。


重力バランスを一時的に関節のリリースで整えて
側弯傾向が弱くなったように見せることもできますが。
それでは施術が終わって数日で元通りになってしまう。
施術は地道に改善を積み重ねるものですが、
そのような積み重ねをするよりも、
側湾して日常生活を送ることの負担は大きい。
それにより施術前の元通りの歪みに舞い戻る。


深層筋まで入ってリリースすれば、
どうにかこうにか改善を積み重ねられます。


ですが施術の時のお体の読みや予測がほんとうに難しい。
私も神経を尖らせて、
自身の体をすり減らすように削るほどの労力がかかります。
おそらく相応の側弯症を対応するためのノウハウを知っておらなければ、
その対処も見当はずれのことで終始することでしょう。


施術を受けて筋肉が柔らかくなっただけでは
側弯から逃れられるというのは難しい。


それは側弯症を負っている時の体の使い方を覚えているときには、
そのときの姿勢保持をする筋肉の使い方は側弯症をつくりだす使い方だから。
そのような使い方を手放して、体の軸を取り戻していただかねばなりません。
それが大人になると強力に身に染み付いてしまう。
その動き方の癖を改善することが難しいのです!



なので、
カイロプラクティックの先生と話をしたときに、
「側弯症は、早期発見し早期治療を心がけて欲しい」
という言葉に深くうなずきました。