皮下層のマトリックスを正そう

人体は、体全身にくまなく潜水などをするときに、
身体を被うかのように着込むウエットスーツのような皮膚を持っている。


格子状に綺麗に整えられて並んでいる皮下層。
そして筋膜層。
その格子状のマトリックスニュートラルで、
身体を動かすときには適宜そのニュートラルなマトリックスの並びを意図的に引き伸ばして、
そしてそのマトリックス状の皮下が元のニュートラルな状態に戻ろうとする。
このような可逆性のかなうものであるのが健康的であるし、
運動能力的にも理に叶っていて調子がいい。


ただウエットスーツを着たときにシワがあれば、
その部分に関係する関節の曲げ伸ばしを制限させられる。
しわの部分にヒキツレを感じてしまうこともあるでしょう。


そのようなヒキツレの部位の影響は、
皮下層の血行等の代謝を抑制させる。


血液循環療法の本を参照させていただくと、
このようなシコリによって作り出された血液循環の抑制は、
特定の疾患との関連が見受けられるといいます。


私が日頃の仕事で観察すると、そのことにうなずきます。


掌のようなしわのしっかり着いている場所はまれでして、
他のシワが刻まれていない部分に窮屈な萎縮や過酷な使いすぎがもとで
シワが着いていたりすれば問題になるのです。
そしてそのシワが入った状態があまりに長期に渡れば、
やっかいなことに、
皮下層の格子状の並びが寄れていたり、捻れていたり、詰まっていても
身体の感覚がシワが入って動きを制限されていることになじみすぎている。
息苦しさや動くのに不自由なはずなのに、
その部位の問題に自分ではまったく気づくことができなくなっている。
そのようなことが多いものです。


そしてそのような部分を見つけて修正をかけていく。
そのことはたいへん利益が大きいことでしょう。



そしてここで骨盤底筋部分に着目しよう。
このマトリックス状の皮下層の乱れがある。


なかなか直接的にはライヒのやったようには
この部分に強烈な圧をかけることははばかられます。


ただできればバレエのような正確に中心軸を得られなければ
理想のパフォーマンスがしずらい方々には、
できれば骨盤底筋のマトリックスを意識してみていただきたい。
うまくいけば芯を捕らえる概念が
より体感的に感じ取れるようになるだろう。


それにライヒが骨盤底筋部分を圧をかけたのは、
ドイツが戦争をしておりそのせいで精神疾患
陥った人々を改善させる目的であった。
生死に関わるストレスからくる精神疾患だから、
非常に根深い恐怖と結び付いている。
容易に成果を出しづらいはずであったが、
それにもかかわらず大きな成功をおさめたといいます。
ことのほか骨盤底筋部分はよけいな筋緊張が溜まってしまう。
そしてその緊張がつらい精神状態にしてしまう。
腹式呼吸を効果的にするには骨盤底筋がまず動いてから横隔膜がつられて反射で動くようにできている。
つまり骨盤底筋が動きが悪かったら横隔膜がスムーズには動けなくなる。
その緊張が極端なまでに強ければ、
肩が持ち上がってしまい効率の悪いうわずった呼吸しかできていない。
このような質の悪い呼吸をしていれば、
遅かれ早かれ体力的余裕は失われ、
それにともない精神的なストレス耐性が自然に下がりだすことになる。



骨盤底筋のマトリックス状の正常化により、
そこから効果的に改善させてくれる。
ライヒは、よくそのことに気づくことができましたね。