経絡と病理学

経絡のお話で病理とどうつながっているか。

症状を経絡でチェックしてみることは興味深い。


たとえば、
各経絡とそれが関連する病理症状とを代表的なものの概要をあげてみます。


専門的に見ようとすればもっと細分化して経絡と病理症状のマッチングを
試みていくことで、判断精度をあげていくことができるわけですが、
ここではほんのさわりだけを観ていくことにしましょう。



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【肺経・大腸経】
=アレルギー、喘息、便秘:抑うつ、問題が頭から離れない


【肝経・胆経】
疲労困憊、消化不良、筋痙攣、視力喪失;怒り、神経過敏


【腎経・膀胱経】
=疲れ、むくみ、下痢;抑うつ、自発的でない


【脾経・胃経】
=食欲が無い、腸内のガス、胃酸過多、筋無力症;心配


【心経・小腸経】
=発汗、不安、恐怖、睡眠障害、記憶喪失


【心包経・三焦経】
=心経と同じ、三焦経は肺ー心、胃ー脾、腎ー膀胱を参照すること


【任脈】
=受胎能力障害、更年期の苦痛、月経困難


【督脈】
=腰痛、めまい、耳鳴り、記憶障害


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もしお客様がアレルギーに苦慮しておられるならば【肺経・大腸経】をチェックするんです。
肺経ならば三角筋、前鋸筋、横隔膜、烏口腕筋などの筋肉に関係し硬結や萎縮はないか、
大腸経ならば大腿筋膜張筋、腰方形筋、ハムストリング筋に関係し硬結や萎縮がないか。
意識的に目を皿のようにしてチェックしています。


するとほぼ間違いなく問題が見つかります。
硬くなっていたりするときもありますが、
問題の筋肉の組織が過労になりすぎたり
使われなすぎて筋退化して血行が阻害されたりといったような場合もあります。


つまり、
初回にお願いしています質問表で、
喘息や花粉症・食べ物など含む様々なアレルギーがあるんですと回答があれば、
その時点で上述の筋肉やそれ以外の肺経や大腸経に関連する部分の筋肉には
なんらかの問題点があるわけだなと予測しているんです。


他にも類例を上げれば

もしお客様が発汗が激しいようでしたら、【心経】をチェックするんです。
そして心経に関係する肩甲下筋、腹筋群、棘上筋などはしっかりと緩める。


もしお客様が耳鳴りがひどいようでしたら、【督脈】をチェックするんです。
ただ督脈だけでは対応しきれないことがほとんどですので腎経も同時にみる。



そのようにしてお客様からお伺いした状態から、
どのような経絡がバランスの虚実がでているか、
それは急性か慢性かなどをわけてあてはめます。



私の頭の中でひたすらインプットしたお客様のデータと
経絡の定理を付きあわせてみているのです。


そうしていくことで、
どこを解けば喜ばれる結果がだせるかの優先順位づけをしていくのです。


私は全身を施術中はみていくわけですが、
そうする上でもメリハリを付けて体をみたほうが要領が良くなるため
そのメリハリを付けて見出すためのツールとして経絡は使えるのです。


そんな感じでパターン化して最初の当たりをつけることができます。
そのような当たり付は、眼を曇らせてしまうといわれる先生もいますが、
結果的に私がこのような技法を使えていなかった時と
使えるようになってからとでは、
お客様が受け取れる成果の現れが段違いですから。
今はそのような結果に重きをおきたいと思います。





それにこの経絡の情報は、
リレーショナルデータベースの付きあわせるための
元帳のような存在にもなるのです。


それはたとえば反射区療法ででてくる病理症状と
同様か類似した位置に経絡のネットワークがあるときに役立ちます。


反射区と経絡とがオーバーラップしてるところがあるんだから、
経絡のひとつを完璧に記憶してしまえば、
あとは芋づる式に記憶のタグを付ければ
覚えやすく記憶できるようになるし、
各分裂しているようにみえる各施術の流派のからだの見方を統合させるための
バックボーン的に使えるようなものでもあるでしょう。



まだまだ使いこなせていないですが、
そうやって経絡を観ていくと興味が尽きないですよね。