胸郭のリリースの世界

胸郭の変位。


意外に見過ごされがちだと思いませんか?


胸郭には、
血液循環に関わる心臓、
呼吸代謝に関わる肺臓、
免疫系の親玉の胸腺。


このうち心臓や肺は、
数分機能停止しただけで命を失う器官です。


そして同時にここから不具合が微妙に生じ、
生命力を減じて行かれることになる要穴だ。


それほどまで重要なものであるから、
肋骨や胸椎、胸骨でしっかり骨でガードした構造。
それも心臓も肺もポンプの役割をするという共通項があるため、
骨でガードしておきながらも繊細に動きがつけられる構造です。


昨今、骨盤が注目されています。
大腰筋も注目されています。


私もそれらは大切だと思い、
数年前から研究してきたが、
そこは基礎研ようなもので。


次に進むための、
準備にすぎない。


実のところ、
頭が上丹田、胸郭が中丹田、骨盤が下丹田
この上下の支えられたなかに含まれた中丹田にしまわれたものこそ、
本丸のような死守せねばならないものだと。


私は、そう考えていました。
事実、そうだろうなと思う。


だから胸郭、そこへの不具合を見つけだし、
独自にどのようなリリース方法があるかを
研究し続けてきました。


一般的に、民間医療系でのテキストでは、
これだけを覚えれば対応できると思える、
そのようなものを見いだせなかったので。


自分で考えるしかなかった。




かなり特殊なやり方で、
安易に真似られてはけがをするか、
施術者自身が体をボロボロにして
というものではあるが、
どうにかこうにか合格。


案外、自分でできてしまうと、
そんなには難しくないだろうと思える。
だが下地に相当な試行錯誤を繰り広げてきて、
そのひとつひとつのパーツがなければ成り立たない。


そういったものは、
創始者が一番うまくでき、
二番手はあまり育つものが少ないということになる。


それがあるからこそ、
オステオパシーのスティル博士は、
だれもが自分で施術の技を研究しそれぞれが極めねばならないという趣旨の言葉を残していたのだろう。


そうすることが、臨床家での凄まじい技を使えるようになるには必要だったのだろう。


私の場合は、施術の仕方について、
意図的に他から影響を受けるような環境に、いないようにしてきた。
書籍からや友人の施術家からのちょっとした手ほどきだけで済ませた。
あとは自分で感じながら、必要な物を揃えるようにしてきた。


だからだろう。
胸郭のリリースを現在のような私のやり方で解いていくことを見つけられたのは。


おそらくここまでこれたのは、
お客様とあとは支えてくれた人たちのおかげだろう。
そう感謝しております。




肋骨.png


ちなみに上記の肋骨部分の図ですが、
左が胸郭に変位があり、
右が胸郭が理想状態。


両者を比べれば整列した正常な状態のほうであったほうが気分良さそうですよね。


私も自分自身の胸郭は右にまでは至らないのです。
変位しない理想状態の者を見つけることは難しい。


ですが左側の変位ある図は、ほんのちょっとだけ、
肋骨や胸骨や胸椎をいじっただけなんです。
アレルギーなどの免疫力低下や呼吸器の問題がある方や、
循環器に症状として出ておられる方々のなかには、
左側の変位胸郭よりも、はるかに大きな変位が見られます。


これを改善させることはそれらの症状の改善にもいいのですが、
同時にバレエをしていたり太極拳などを愛好しているなど、
体の左右差がなくシンメトリーに別け隔てなく使える美が
冴え渡るものには、その質を上げるための必須となろう。


それに胸郭の変位は骨盤の変位にも相似や連関性がある。


そのことにも着目したいものですね。