腹圧クッション

下図は腰椎椎間板。
こちらの椎間板は、どのような役目を持つか。



上半身の荷重が下半身に伝わるわけですが、
それをうまく腰椎椎間板という大きなクッション弾性あるゴムマリのようなもので支える仕組み。
サッカー等の激しく体を動かすスポーツでは上半身が沈み込んでおこす衝撃は半端ではない。
そういったものもこの椎間板は衝撃吸収材的役割で響かないようにする。


仙骨という骨が、腰椎の下にあります。
仙骨はちょっとかけたりすると、
即、命を失うことにもなりかねない。
だから椎間板はそのような重要極まりない仙骨にかかる上半身荷重からの衝撃から守るための、
大切な砦としての役割もあるわけです。


それにもうひとつ、特筆したいところがあります。
それは椎間板のクッション弾性があるおかげで神経根という
脊椎から各臓器へと神経が出て行く穴が開いているのです。
この穴がしっかり開いていてくれると脊髄神経から分岐し
各臓器に伸びる神経ネットワークが正常機能できる。
この神経根という穴が椎間板のクッション弾性が減じられ
小さくなっていくとどうなるでしょう。
そうなると体内の神経根部分の硬い骨や靭帯部分が
神経ネットワークを圧迫してきてしまう。
それにより神経に電気的変圧がかかりノイズが発生したり
情報が削れてしまったり。


ひどいときには、
髄核ヘルニアのような椎間板の中にある髄核部の液体が外に漏れだし、
その液状部が硬化して神経に障り、強烈な痛みを感じさせもします。



椎間板が短縮するようになると、
いいことが起こらなくなっているのです。



ところがそのような大切な椎間板ですが。
腰骨を前に反らすような湾曲を持たせてしまう場合。
または左右に腰椎が側湾してしまう場合。
または側屈や側湾、前彎、後彎が強いときに、まだ筋肉が若いと起立筋群が強烈にまっすぐに椎骨を強制整列させてしまう。
そうやって様々な要因でこの腰椎の本来持っているクッション弾性が失われる。
椎間板のなかにある水分が減り、コラーゲン組織が萎縮してしまうよう変質していきます。


こうなると固まった椎間板の周囲もひどく組織の断層が緊張萎縮して靭帯等は深部ほど骨化する。
そのような靭帯ももろく断裂しやすくてムチャな加圧などはできない。
だが硬くて硬くて、、、どうにもこうにも、
手や指やナックルや肘などでも入れる隙間じゃないし圧も弱ければ弾き飛ばされるだけで変化なし。
ハンドマッサージでの圧は、ほとほと、対処に苦慮して、私は現在のツールを利用したやり方へ
徐々に工夫していったわけですが。
それで以前とは比べ物にならないような進歩はあったものの、
実に難しい所で先がありますね。


それに同様、
椎間板組織自体にも器質的な変容が起きてしまうので再生する苦労が、
並大抵のことではなくなります。




では、、、
そのようなことにはなりたくない。
どうすればいいの?


たとえば腰椎が前彎して前に反り過ぎてしまう。


腰椎の前湾が危険です2.gif



すでに椎間板の組織が萎縮している方に、
このような過剰な腰椎の前彎を強いれば
大変に危険です。


腰椎は左右に回旋させるという動作にもろく傷つきやすい。


つまり下に落ちたものを拾う際に、膝を曲げておけば腰椎回旋はそんなに起こらないのですが、
膝を伸ばしたまま取ると強い腰椎の回旋が起こる。
また後ろにいる人に呼び止められたり、後ろにいる人に声をかけようとして振り向いた瞬間、
腰椎回旋は起きてしまい、ぎっくり腰といったものが起きてしまう。


ぎっくり腰の多くは、腹部の大腰筋の硬化が強く関係しているので、
純粋に椎間関節の問題だけではないにしろ。。。


とりあえず腰椎が前彎をしすぎないこと。
腰骨が前に反り過ぎてしまわないように。


そのために腹圧を一定状態でキープ。
呼吸を工夫して「腹圧クッション」を腹腔内につくりだします。
それを「コア」といった呼び名で呼ぶ方もいますね。



この腹圧のクッションを入れておくことで、
腰椎は過剰な前彎をしようとしても防ぐことができる。
エアバッグが開いてそれより前にいけないよう止められる感じ。


これを呼吸をするタイミングで腹圧クッションを膨らまします。
それから腹腔へそした当たりが広がった状態を作り出すときに、
腹横筋や内腹斜筋・外腹斜筋などを広げボリューム感ある状態で保持する。


そのような状態です。



このような腹圧クッションができていたとしても、
まだまだ横隔膜下には上下できる隙間があるから
胸式呼吸に頼りすぎなくてもいいだろう。
これは個人差がありますが、
私は腹圧クッションを作ってみても腹式呼吸ができているので。


この腹圧クッションを作りますと臍下丹田に重心をキープしやすい。
そして脊椎のヘニャヘニャがなくまります。
そうすると激しいスポーツ中での腰部や脊椎全体の負担が軽減され、
動きの質が見違えるようになります。


腰椎の椎間板も上方へと伸張されるため背筋が整い、
腰部の筋肉は緩んで軽快に大腰筋が使えるように。
それは腰椎椎間板が片側が潰され萎縮してくさび状になってしまっていたり、
腰椎椎間板が全体が縮みすぎてしまっているようならば、
そのような椎間板の詰まりを改善させてくれる決め手にもなることです。

ただもしもすでに椎間板についての症状といえるような狭窄が強いときは
整形外科のお医者様の指導を受けることをしてからにしましょう。
組織がもろくなっているところを無理強いして変化させることは
リスクがありますから注意が必要となりますので。


女性ならばあとは、たとえばバレエで指導する方がいっておられる文言では、
胃の部分を腰の後ろ側へと積み替えていっていただければ、
腰部にくびれだって、しっかりとできやすくなりますから。
(ただこれは体ができてないと横隔膜の動きが抑制され、心臓にも負担がかかるので、先生等に指導を受けながらにしてくださいね)



ただすでに腰背部等の萎縮が強ければ、
このようにしていこうといわれてもできません。
そこはツライところです。


ですが、しっかりと要点部分をリリースされた後、
改善が定着した頃には、体の安定感も増しますし、
慢性的な腰痛が格段に軽減されていきます。