深層筋を『本当に』深部まで解かれたところで差してくる明かるさ

自分の施術の技術について、
まだまだだな〜と感じます。


ですがどこかで一区切りをつけ、
次の局面に進まなければならないこともあります。




私は、その次の局面に進むための尺度に、
男性のお客様の『Mさん』の身心状態の安定というものがありました。



なぜ、多くのお客様の中でも特にMさんの状態にこだわったのでしょうか。



推測ですが、
Mさんには申し訳ないのですが、
私に似ているところがあったから、ということでしょう。




だから以前、私が結婚をしていた当時、
Mさんが改善したらつぎに進めるのだと
幾度も元奥さんにいいつづけてきました。


その私のなかの勝手なルール作りが
多大な元奥さんへの負担になりまして、
迷惑をかけ続けすまないことをしたと
今も思っています。
(一区切りついたよ、と伝えたい)




そして私の離婚後に、
吹っ切れた感じで独自の施術研究に入りました。




それからMさんが、
毎回施術を受けることで、
あきらかによくなっていくんだよ、
と教えてくれていました。



たとえば、
髪が細くコシがなかったものが、
濃く太くなりしっかりしてきた。


患部からリンパ液が出て包帯をまかなければ
アトピーに苦しんできた状態から抜け出せた。


体の姿勢が、頭の位置が、胸板の様子が、
そして目つきまで変わってきて、
意思がその奥から強く感じられるようになった。



そして呼吸器が状態がかわってきたし、
脳脊髄液の流れもよくなってきた。
頭の形が膨らみがでてきてかっこ良くなってきた。






私が施術をさせていただく前の状態です。
Mさんは、以前、とある施術院に通われていて、
頭蓋仙骨のバランスを調整を受けたそうですが。


すでにダメージが体の中に蓄積していたために、
多少の施術ミスがあったとしても、
様子が明らかに悪化してしまう状態。


施術者のどなたがおこなっても難しい状態だったと推測されるので、
その施術者が大変なことをしたと責めることはできないのでしょう。
神業を持った施術者が、そこかしこに散見される現状ではないので。
皆様、日々、一生懸命、勉強して研鑽を積んでいくなかで、
お客様へのサービスを向上させるように務めているのです。
それを同業として、私にはよくわかるものなので。。。



ですが、明らかに自然な体の中のズレからは生じることがない
人為的な歪みが内部に入り込んでしまいました。


自然な体の中の歪みはどうにか流れを読み切り、
対処することはできるのです。


ですが体のバランスを今にも崩すようなダメージが蓄積された状態で、
それを人為的になされたものは信じられないほど複雑にダメージ箇所が、
そこかしこにバウンドして体中に散らばりますから。
そして本来あったダメージが深かった箇所が、
より深刻な状態になってしまうことで、
今までなったことがなかったアトピー性皮膚炎の症状が吹き出てきたり。



そのようなことは、
施術を受けたあとに調子が悪くなったということで、
好転反応のひとつですといわれることもありますが、
そうとも言えないようなこともあるのです。




そのような状態になったところを抜く難しさ。



そのような人為的な施術で複雑化状態を
はじめから最後まで改善させる体験した施術者は、
かなり悩むことでしょう。


ただ、表面的に症状を押さえ込むのでしたら、できるのです。



ですがこのような体の状態を持っているときには、
精神的にも暗鬱とすることがでてきてしまいます。


どうしても不安定になる気持ちはおさまらない。
脳波計などを持ち出せば、そこそこ程度の安定。




たとえば
アトピー性皮膚炎で苦しんでいるとき、
電車に乗ってみるという体験をすれば、
いたたまれない気持ちになったという。
人の目が気になってしかたがなくなる。


私が以前カウンセリングのセッションを学びに行った時、
そのように語ってくれた方がいました。



いろいろと治るというような治療をし、
食事を変えてみて、気功法をやったし、
ありとあらゆるものをしてみたが。
効果があがるどころか年齢が進むに連れて、
確実に症状が悪化してきているのでいつも憂鬱なんです。


そのようなトラウマになるほどの経験をすると、
電車に乗りたくなくなるものです。





あとから聞いたことですが、
ずっとMさんはバイクで施術を受けにきてくれていたのですが、
なんだか電車には乗りたくなかったといいます。


それが先日、
Mさんが乗るバイクが車検切れになるのを機に廃車にしたそうで。
それなら電車で来れるようになったのかなと思いきや、
どうしても電車に乗りたくない気持ちのようなときは、
費用がかかりお財布に痛いことこの上ないタクシーで。


そうするしかなかったのでしょう。



ただ、実は私にはそのタクシーで通われていたときの
Mさんの体をみるには、今は以前と比べる基準ではない。
他のスポーツをしている人達と比べても引けをとらない。
均整がとれてきた様子となっていました。



体の内側から放たれるようなオーラの輝き的なもの。
それも以前のような混乱した状態から抜け出ている。
そう私の眼には写っていたのです。



だから電車のプレッシャーも薄れたのだろうかと思っていました。



・・・・・。




そのような思いをもったときの私。


それから数カ月後に、
Mさんから


「実はですね、電車に乗っても平気になってきたんですよ。
ここ2ヶ月くらいになって」
とおっしゃられました。


初めてバイクを廃車後に仕方なくタクシーでこちらに行き来したことを知りました。


そのときに自分の見立てがまだまだだったんだなと感じました。




人は、自分の体からでてくるオーラのようなものは、
先行して書き換えられていく。
そして後ほど実態の肉体や感情や心が導かれていく。


というルールがあります。




肉体が大きく書き換わったことで、
感情面での安定も同時に起きていることだろうと推測したのですが、
肉体面の変化がまだまだ奥に必要とされているものが隠されていた。
そういったことだろうと思いました。


それは、Mさん自身が自分の体を鋭くいつもモニタリングしていて、
毎回のように、「ここ、何回かは本当に良くなっていくんですよ」
と繰り返しおっしゃっていただけていたことからもわかります。




そして電車に乗っても心臓がドキドキしたりすることもなく、
という様子に気づく前に、そうなるはずだろうなと、
Mさん自身、確信を持っていたか直感で知っていた。
だから、懸命に、タクシー代まで払って来てくれていたんだ。
そこまでいくだろうからと、信じて待っていたんだ。


そう気づきました。




一本、取られた。





私は、随分前に、もう体的には十分なパワーを発揮できる状態で、
他のスポーツをしている人達よりも強いですよ、と説明していて
施術を受けると施術代がかかりもったいないと思っていたので。


実際に、Mさんの体からはそれだけの力が感じられたのです。
街中を歩けばMさんよりも、
重症だなと思える人はいくらもいる。
だからそんなことを伝えていました。


・・・・・。



少し話が移り申し訳ありませんが。
私のことを。


私は、将来的には一般の方々へ向けて、
人体のコリという肉体や精神から生まれるものがあると気づき、
それをリリースする過程の施術をする側に立つ楽しさを伝えたい。
そう考えていました。


ですが、どうも施術者の友達にはいろいろと連絡がてら技の披露をしても
一般の方へ向けては、どれほどそこに意義があるだろうかと思っていても、
それをすることにためらわれていました。





それがちょうどMさんがいう、「ここ2ヶ月に」といった今年の3月に、
一般の方に簡易なものですが施術方法を伝えることができる機会が生まれ、
経験をつませていただくことになりました。


施術の講習内容は私が知る施術院のワンパターン化された手技の流れを元に
施術を受ける側の方の特徴と改善点を私が見つけて、施術を習う方に伝える。


施術をするという十分に練れていない経験をするのも、
なかなか勇気がいるものですが、なんとなく習ったぞ、
ということは施術の本を眺めるよりも印象は強いもの。
それが、今後のいいきっかけになってくれればと思う。


そのような様子です。



てっきり、自分も、もうそろそろつぎに進む決断をしなければと思って、
それで一般の方にお伝えをする機会をもったものだと考えていたのです。


「ほほ〜。直感をぶっちぎり前進するとは、
私も行動力がついてきたっていうもんだな」



ですがそうではなかったんですね。




私の胸の内で、
「Mさんを基準にしていけという直感は正しかった」と。
今更ながらに感じています。




間違いなく、Mさんの施術ほど大変なものはなかったし。


他の先生のことはわかりませんが、
私にとりまして高いハードルでした。


深く入り込んだ筋膜層の癒着を、深部まで、より深部まで。
深層を解くための研究をするための動機づけをくれました。


それが、ムチャなことをするよね、鈴木くんはと、
他の先生にあきれられるようなことをも実現させてくれた。




もしもMさんが、私がもう大丈夫だよと体について太鼓判を押したとき、
こちらにお越しいただくことを辞めてしまわれていたらと考えると。。。




私の施術に対しての成長は、
大幅にそこで減速していた。



そうなればしかたなく、
そこで次のステップへ進まざるを得なくなっていたことでしょう。



それでは私の作りたいと思い描いたヴィジョンは薄っぺらくなる。


砂上の楼閣のようなものになっていたでしょう。
私が納得できない仕事にしかならないでしょう。





施術とは深く対応出来ればできるほど、
新たな場面での難題が噴き出してきます。


結果的にいつも施術をするとき「畏怖心」が抜けず、
かえって知れば知るほどしんどくなるものですから。



今も、頭を抱えて、悩み落ち込みながら。
天狗になるなんて、一生できないですよ。



だから今が十分、ということはありえないのですが、
今年の3月になにかが整理された感が芽生えてきて。
新たな課題をだされたような感じがあります。



人は、直感を大事にする生き方をすればいい。
それが水先案内をしてくれているのでしょう。




不思議なもんですね。








最後に。


深層筋膜のシコリ部分の働きが、
直接的に感情の抑制や劣等感の増幅のような、
生きるための表現を押さえこむ作用があるのか。
そのことを思い知らされました。


確かにMさんの場合は、
ここに感情を抑えこまれ窮屈にさせられていた何かがあった。
そのようにご本人の鋭い観察眼で申されてもおりますし。
私も、そう感じました。



具体的には、電車通いができるように変わる心境的な変化が、
おそらく深層筋の様子や頭蓋骨の脳脊髄液の流れなどにより
大きな関係があるのだなと痛感しました。
(他の方にも、やはり深層筋で縛られた結果で気が晴れず行動力が発揮しづらいということがあります。
やはり深層筋がある一定量、解けていくと、なんだか動ける感じになられるようです。
体力的なパワーもついてくれるわけなので、こうなると、ちょっと頑張れるはずです。)


そして、、、幾人かの方が不思議と体が改善していきますと
次のステージで、新たな自分にふさわしい課題を得るために
今いる職場を変えるという場合があります。


最近流行りのドラッカーがいうには、
今の流れの厳しい時代では、
適切な変化しスキルアップすることこそが、
生き残る力になると言います。


向上心を持った変化は、価値があるのです。






だから、Mさんも、次のステップへ進まれるご様子です。 ^-^)



そのような気持ちで自分らしくいきたいと、
「やってやろうじゃないの!」となるとき、
自分の人生の価値を高めているのでしょう。