強い陰性となった体質改善の難しさについて

個人的な見解で申し訳ございませんが、
体質が強い陰性に傾くのは現代社会の何かが起因して起こる、
現代的な生きにくさの象徴のように思えてなりません。


体質的に、最近は強い陰性に傾いている人が多くなっている。
それはベテランの鍼灸治療をしている知り合いからも、
次のように述べられていことを聞いた。


「昔の、患者さんはね。数本の鍼を打つことで、驚くほどピンピンしちゃったものなのよ。
でもね、今の若い患者さんはね。そうはいかないものになっちゃったの。
鍼で刺しても、硬すぎて刺さらないといったこともでてきて、驚いちゃってさ」


昔のお客さまの多くは、陰陽でのバランスの乱れは強い陽であって、
それを鍼で補瀉の瀉という無駄にエネルギーが強すぎるのを捨ててあげればいいわけです。
そして過剰なエネルギーの余分ぶんがなくなれば、
すっきりとちょうどよいバランスのエネルギー状態に。
もともとエネルギーが、ドクドクしっかりながれている。
それが過剰で血管や諸器官等に負担がかかる過剰分を取り去ればいいだけ。
それで快調です。


陽気な西洋人などは、今での陽が強いことで体調不良になる人もいて、
そのような人に対し、鍼を適切に数本打つことで、
びっくりすほどに成果がでてしまう。


以前の明治、江戸時代の人達の多くも陽気な陽に傾いていたので、
このような画期的な治療法に鍼がなっていたのです。


ただ今の方々の多くには陰、それも非常に強い陰性に傾いている。
血圧の上が100を割り込んでしまうという昔では信じられない事になっている方々が多くなっています。
そのようなときには補瀉で申しませば、補という形でエネルギー不足を補わなければならなくなる。
なのですが、すでにエネルギー不足を患っている状態で呼吸代謝や血液循環が悪化しているところ。
それによりちょっとやそっとでは、反応が起きないように変わってきた。
それだけではなく、施術をしても戻りがきつくなってきている。


以前ならば数本の鍼で、体調が上向きになっていき、体質が変わっていったものの、
それが現状維持以上に、なかなか上へと押し上げづらいようになってしまっている。


ただ、これは別段、鍼灸に限ったことではなく、
整体でもそうですし、指圧でもそのような影響を受けて改善への道が険しくなっています。


もちろん、非常に優れた先生方にはこのような悩みをクリア出来るだけのノウハウがある。
ですが、ここ数年の日本人の体質の変化に戸惑うことはあるのではないかと思うのですが。



食生活の変化や、
社会環境変化からの仕事環境ストレスや長時間のデスクワークによる代謝悪化、
スマホタブレットの長時間覗きこみ姿勢による負担、
動き方の要点が身についていないために起こる身体不具合、
精神的なストレスによる自律神経系の常時ダメージの蓄積など。


様々な要因により、普通に生活しているだけだと思っていても、
すでにその生活スタイルには強い陰性へと体質を傾けることに。


つまり様々な体質を陰性に傾ける要因を取り除かない限りには、
施術をしても改善を持続させ、上向き傾向へ乗せるのが大変で。
それに加えて、すでに蓄積してきた陰性へ傾けてしまうような
体内を流れる体液を停滞させる生理的な問題を改善させるには、
ちょっとやそっとではびくともしないということもおおいため。


自分の体質レベルを正確に把握していなければ、
適切に体を改善させていただける施術院を選べません。
慎重に選ばなければ施術を受けても改善している期間も短くて、
戻りがやはり早い。
先に進んで体質改善がベースアップしていっている実感がない。
そのようなときには、
強い陰性に傾いている方の場合、
現状を抜けだせずにいる。


そしてたいていは陰性が強いときは、
状態の悪化も一定以上の負担が蓄積するとどっとでてきてしまう。


だから私としては、
できるだけこのような体質で悩んでおられる方々は、
自分の体質改善を叶えてくれるような、
確かに良好へ進むステップアップ感があるところを
しっかりと選ばれるようにしていっていただきたい。


施術院選びは、難しいことです。


単純にホームページの施術院サイドの言葉だけを信じても、
ポジティブな宣伝を押し出すこともあっても、
ネガティブなことまでは語られていない傾向があります。
それにホームページ上での記載された内容を吟味するにも、
選ぶ人が、専門的な施術技術云々を理解していなければ選べないし。
私に「どのようなところならば大丈夫ですか?」と質問をされても、
私は、私以外の施術院をそれほど深く知りませんし責任がとれない。
ご希望に沿うことができず、つらいところです。


また私のところのように、受け入れさせていただくキャパシティが、
極端に少ないところも、困りものですから緊急では除外すべきです。
私は、充実した施術をしていき技術を習得するために最大努力をし、
苦渋の決断で絞り込むところは絞ります。
それがいずれ、次の自分のすべきことの広がりを持たせるには必要。
自分をどのように育て、どのように社会と関わりを持たせるのかが、
想定されていなければなりません。


そのような思いでおこなう日頃の施術上での研究で、
私自身、強い陰性に悩まれている方の施術にノウハウを蓄積したが、
それが繰り返しできるようにまでなったときに、
それがどれほど難しくて大変な労力が必要かを知ったときなのです。


そこに辿りつけないやり方では、
がんばっても改善は少ないでしょう。
つまり2年前の私の施術やり方では、
どんなにがんばっても強い陰性に対処できるわけがないのです。
悔しいところですが、
ポイントが見えて正確に打ち込めない限りはムリです。
そしてどれほどのエネルギーの補いが必要であるかは、
それはもう、、、これほどまでのことだったのかと。


最初は、唖然としました。


繰り返し多人数での結果が出てその平均を見ていけば、
その変化を自分が起こしたものなのかどうかもわかる。
そしてこれだからこうなって、そしてこうなるだろう。
そんなことも徐々に感じ取れるようになってきました。


それでわかるのが、やはり、、、
がんばって気合でやればどうにかなるような
甘い考えで通る問題ではない。
どこまで底を見通せるかです。
そのことを痛感します。




そしていったん、ひとつの道で目的地に辿り着けると、
他の道で、それでたどり着けるかどうかということが、
他の道の要素を分析的に観れる情報があればある程度の精度で感じられてくるような気がします。
これって、不思議なくらい、直感的に嗅ぎ分けられる。
面白いものだなと思います。




もちろん私以外の先生方の多くも、
その対処法を編み出しておられると思います。
陰性に強く傾いている方々が増えているので、
その点についての精度の高い情報が手に入りやすくなればいいのだがと願う次第です。





ここで、なぜ、陰性が強いと大変なんだよということをことさらに説明するかというと。


本日施術中に、腰椎椎間板ヘルニアの手術を複回数受けておられるお客様がおられまして、
自分ほどに大変な状態の人は少ないのではないかとおっしゃられまして。
長年に渡り、その腰椎ヘルニアが起きる前から不調があったことを、
体の各部を観察しても見て取ることもできます。
ですから相当にご苦労をなさってきたことでしょう。


椎間板のヘルニアが出ているというならば
腰部に対しての歪みや圧縮などは大変危機的状況であるのは確かだと思います。
それに筋肉の緩さと硬さが入り混じり不安定さがあるため、
負担のあるような運動をしたり、姿勢が理想から遠ければ、
多くの場合にヘルニアの状態は幾度とも手術をしても繰り返されてしまいます。
自分では、そんなに自分の体に負担を強いているつもりはないのでしょう。
動き方の大半は無意識に癖で動いているようなものですから、
その癖の良し悪しを評価するようなことは意図的にでなければできません。

ただ自分の感じ方が問題ではなく、どれほど患部に負荷を強いたかどうか。
そこだけをシビアに客観性を持って見れるかどうかで、
その後が変わるものです。


今後の改善基調も含めて、
相当に大変なご苦労のある状況とは察して余りある状態です。

筋肉の柔軟になろうとする力が陽の力ですので、
それがコルセット状にカチカチに筋肉を固めて
動かせないようにするほどまで全体を固めない。
それによるぐらつきが腰椎椎間板部分へ神経を触るほどの負担をかけてしまう。

陰性の強い人の場合は、このような腹巻上のキツイコルセットを作りがっちり巻いて、
ある一定程度までは、しっかりとぐらつきを封じ込めてしまうので。
ただ一定を越えるほどの負担を強いればやはりヘルニア状になるのですが、
そうなるころには他の不具合も多くてそちらのほうがもっと気になるようになっているでしょう。


ただ本日のお客様の腰椎椎間板ヘルニアになられた特徴として、
体質の陰陽でわけると陽がベースになっていますため、
筋膜リリースなどでの成果や反応は、
陰に傾いておられる方々よりも遥かにいいのです。




簡単に方向付けができるほどかどうかは、
手術をなさられて筋膜層の切断が幾重にも複雑に引き連れをおこしているため、
それを考えれば先々に起こることは容易なことではないと思います。

ですがとりあえず、主要な問題点はこことこことここですと、
他のところでは伝えられなかったが重要な点をお伝えしました。
大変申し訳無いのですが、完全によくすることというところまでは、
手術をなさられた場合には、それは物理的に筋膜層の切断があるため改善が難しいところが多々出てきます。

ですので私がお伝えした重要な点を6〜7割ほどクリアした時点で、
あとは様子を見てくださいませ、とお伝えさせていただくつもりでおります。
それでもだいぶ以前の自分の状態と変わったと実感なさるのではないかと思います。


そしてそれは強い陰性に傾く方々よりも、時期的には早くくるものと予想してます。


きっと、そう聞くとこのお客様自身、意外に思われたかもしれませんが、
そういうところなのですよね。