一道を極めた後に他道を学べ

もうすぐ9月ですね。


私の家の近所のセミたちは、
もうかなり声のトーンが控え気味に。
秋の虫たちの音が心地よい感じです。


少しずつ涼しくなってきていますね。


私ごとですが、
9月は少し施術の研究のため施術日をお休みを頂いての研修が、
どうしても外せない日が出てきました。


かなり悩むところですが、
どうしてもこれだけは参加せねばというものがちらほらとでて。



『沢庵この一言 沢庵さんとつきあえば今日から人生の達人!』
という本に、


一道を極めた後に他道を学べ」という、
学び方の妙が語られていた。


始め儒或は老よくこれを學びて後、捨てて以て釋に入又醫に
入る是又道の廣まる所以なり(沢庵禅師論語


その要旨は。
「はじめは儒学でも老子でもしっかり脇見をせずに深く学び取りましょう。
はじめからごちゃまぜにして学んでは、害が生じますから気をつけなさい。
一道を深く極めれば、やがてその分野のエキスパートになるわけです。
しかしながらその分野だけを学んで他の道をしらなければ、
そこに偏りが生じていきます。
ひとつの道を極めた後には、今までの道を捨て、
他の道を学ぶことで、それでまた道が広まるという学び方ですよ」
という感じでしょう。


私は、施術に関しては、
これからすると微妙な立場をとりました。


いろいろと施術方法を見て回ることは好きで、
様々な書物を読み、
同時にそちらを学んでいる先生から話をきき、
デモを見学させていただくようにして学びました。


ただ実際のボディワイズでの施術は、
執り行ってきたメインは、
独自の工夫をした筋膜リリースのみ。


とりあえずあれもこれも、というように種々の施術法を混ぜて行うことは、
意図的に避けてきました。


実際は施術中に、たった今、研究中のこの施術技術を利用したいと思うが、
それはぐっとこらえてスルー。
意識を常に独自の筋膜リリースに帰着させてきました。


そうしないと、結果としてひとつの道も極められずに、
フワフワした感じで表面を見るにとどまる感じだから。
切れ味が鋭くないなまくら刀で戦いに挑むことになる。
それだけは避けたいのが本音なのです。



ただ、私も、この沢庵和尚の考えに賛同しています。


自分がそれを極めたと思えば、
そればかりに偏って自分の学問を守り続けないこと。
他の学問を見ようとしないものとなってしまう。


・・・・・。
それでも、案外、やっていけるのが施術業です。
かえって一本しっかり技術が立っているほうが
人においそれとは真似されず、
インターネット上の検索でも上位になります。


だからそのまま一道を極める考えも正道でしょう。



ただその一道で極めた本質を見る目ができたときには、
他の質の高い道の本質に、相通じるところがあるはず。



そのような広がりをもった視野を拡大させるためには、
いったん、今までの手持ちのものを捨てなければ他が
要領よく学び吸収することができません。
つまり筋膜リリースだけが施術法じゃない。
そこの道にだけ明るくても、
それだけでは全体の見通しが明るいわけではないので。


そのような偏りをなくすためには、
いったん筋膜リリースの考えを捨て、
他の道を学んでみる必要があります。


ただ、
ひとつの道を深くわかり得たものは、
それの本質を捉えてみて、
わかりやすくこういったものと説明できるようになります。
そのような整理されたものがあるならば、
それが他の道を学ぶときに、
役に立つものだと思います。


私の知り合いの先生にも、
今まで得られた知識が膨大だが、
さらにそれを咀嚼していくため、
一年の休業をするものがいます。


その先生は、他の道を学ぼうとするものではないのかもしれませんが、
しっかりと、そのような休業期間に施術を受け付けているときにはできない
施術スクール通いをして能力を深めていかれています。


後々を考えていけば、
それが最良の戦略となるでしょう。


圧倒的な力量差は、一般の方が見てもわかるものです。


これからは、今まで以上に同業他社が増えていますが、
結果が出せる先生は、やはり口コミでお客様が伝えて、
それで大流行まではしなくても、十分暮らしていける。


大きく駅前に出店して店の賃貸料が高額で、
資金繰りがショーとしてとかいうことがなければ。。。^-^;;;



私も今は、筋膜リリースに重きを置いております。
ですが、本日もなのですが、お客様の様子を見て、
これで筋膜リリースは学び吸収することが十分だ、
と思えてきました。



長年、通ってきてくれていたお客様が、、、
ここまで!という喜びが。。。
ご本人的にはふくらはぎが冷たくなるのよね、
というネックを感じておられますが、
そのときの立ち姿は相応に綺麗なラインを出していまして。
クセのないシンプルな立ち方。
重力線に沿っている状態が私の評価が高いのです。


あとは力まずにゆるゆるとゆる体操モードで、
体を脱力させる妙を会得していただければ上々。
もう、私的には、いうことないですね。



お客様の様子に、
一喜一憂してはならないのですが、
同時期に、同じように上々の変化をする方が増えていて、
それは大きな自信をあたえていただけます。
本当に感謝しております。
そんなことが起きている、
その時期に鉄は熱いうちに打てということで、
他の道をも見ていくときがきたかと思います。


筋膜リリースの適用範囲について、
ここまでの成果値がだせるならば、
というような縛りはあるのですが。



私も、この「筋膜リリースで施術する」、
という縛りを解いて、他を実学的に学び、
それへと転化していく時期がきていると。




そのような気持ちでいます。