腕は前足


立位のとき。
私達の体が接触しているところは、足裏だけ。


腕は空中にいます。
自在に腕を活かして道具を握ることができる。
刀を持ったり、包丁を持ったり、パソコンを。



二足歩行でも、腕が空中にいてくれることはありがたい。


ただ骨格的に観察してみると。


四足になっていた時間が、いかにも長い。


二足歩行ができる哺乳類の私達は、まだまだ新しくて。
チンパンジーたちの歩く姿は、二足歩行だが、
長い手を地面についた感じで安定をとることもある。
どちらかというと、まだ四足を手放していない。


そのチンパンジーと、遺伝子的に観ればそう変わりがないと言われている人類。


そう考えていただいても想像がつくかもしれませんが、
猫や犬のように両手を地面についた四つん這いでポーズを取るヨガの姿勢をするとき。
十分に胸郭を地面へと胸の自重でおろしていき、
腕という胴体を吊り下げ、
手首や肘を骨で真っ直ぐにできるように固定すれば、
それが立派な柱、前足となる。
そのときは肩甲骨と肋骨の間が少し空いていなければならない(これは必ずです)。


そしてある程度の身体的余裕と柔軟性があるならば、
その姿勢で顔を前を向くようにしてもまったく力みなく簡単にできる。
それにいつもならば脊椎の前後や左右の側弯が気になる人でも、
この四足の姿勢でいて手足の主に骨の力で支えられるものでしたら、
理想的な真っ直ぐに。
それも椎間板の狭窄はいつもよりも減少してリラックスしているはずだ。


たとえば側弯症の方が、しっかり四足での歩行訓練を自主的に行うことで大腰筋を鍛え上げ、
腰部と腹部の力が適切に入り腰椎をまっすぐ支えられるようになってきたということもある。
四足での長い廊下の雑巾がけで、たったたと勢い良くしている作業は、
かなり有益がコアトレになることは知られていると思う。
それに野生の感覚を取り戻すような気功だと思ってみて、
こんなエクササイズを3分ばかりしてみると、
意識が短時間でリセットされスッキリになる、、、かもしれない。


腕が前足であったという進化の過程がずっと長かったということ。
それが意外にも
呼吸の質を深め改善させてくれることになるし、
肩こりや首こりの改善をもたらしてくれるので。


ぜひ、二足で立つときにも、
四足で立つ感覚を思い出し、
腕をときには前足と呼ぼう。


四足のイメージはそのままにしつつ、
ハイハイをしているときの感覚を流用して、
頭頂の方へ体が伸び進んでいく感覚をもつ。
うまく体の体側の筋肉の伸び縮みを起こし、
トカゲのようなくねりくねりした動きで上に進むイメージを持ったり、
呼吸の力で前後の骨盤の振り子運動により上に伸びていったりしよう。


このような立位でも自分の目の前に地面があってそれに両腕をついて柱にして、
胴体を地面に落としていく感じで姿勢を正すイメージ。


単純な、極めて単純なことですが、
意外に姿勢を正して首を自在に綺麗に伸ばす感覚は、
このように先祖返りした時の骨格感覚を思い出すことで取り戻せることは多いのです。