書籍紹介:『ニューロマスキュラー・セラピー』


ニューロマスキュラー・セラピーの本の副題に、
「トリガーポイントリリースを主としたマッサージの実践」と書かれている。


トリガーポイントとは。


たとえば鎖骨下筋でみていこう。
鎖骨下筋にトリガーポイントが生じると、どうなるか。


鎖骨側の筋膜部分にトリガーポイントができるのですが、
それができると。。。
鎖骨の下から胸全体と、上腕の全面と前腕の外側面に関連感覚が起こる。
また、第一指から第三指までの前後面に関連感覚の波及が観られる。
鎖骨下筋にトリガーポイントのある患者は、胸郭出口症候群手根管症候群に似た症状を訴える。


関連感覚とは、痛みだったり、引き連れ感だったり、しびれだったりといった不快感の総称。


だからもしお客様が「手根管症候群でつらいんですよ〜」とおっしゃられれば、
「では鎖骨下筋のマッサージをしてトリガーポイントをなくしていきましょう」とする。
そして多くの場合、状態に改善が観られたり不快感の軽減が起こります。


ということですから、
もし手根管症候群でというお客様が体の状態をお伝えいただくヒントを頂いても
トリガーポイントの知識がなければ痛みが強く感じて不快だと訴えられている
手根部分をゴシゴシとマッサージを加えるかもしれない。
ただそれでは一時的にその部分の血行が改善して不快感が収まったり軽減するも、
ちょっとまたデスクワークなどで肩の前側を回りこませるような姿勢をすれば再度、
手根部分が痛みだしてしまうというものです。


トリガーとはきっかけのようなもので、
関連感覚を引き起こすきっかけのポイントが、
トリガーポイントと呼ばれるものなのですね。



トリガーポイント関係の本は、
引いてしまうほど分厚い『トリガーポイント・マニュアルI II ? ?』を観ると、
とにかく詳しい。
こちらがトリガーポイント研究をしていく上で、基本書になるのだろう。


私は多分、都立図書館から借りて読んだ記憶がありますが、
丁寧に読み込めるような分量ではありませんでした。 
無念です。。。


そして、その古典をもととして、
多くのトリガーポイント関係の書籍が出版されてきました。


私も数冊、トリガーポイント関係の本は持っていたのですがこのたび本の整理月間で、
スキャニングして廃棄してしまいました。ーー)
致し方がない。


ですが、、そんなおりなのですが、
下記の本は前々から気になり何度も手にしては棚に戻しをしていたのですが。
消費税が上る前に・・・ということで、購入。
私の仕事にはやはりなメディカルな面の書かれようが非常に秀逸で買わざる負えない。
逆立ちしても、本書に書かれていることを臨床で観察して気づけと言われたとしても、
難しいというかムリなものです。
トリガーポイントを利用したリリースをするには強力な武器になります。


それに本書はカラー写真が見やすくて気に入っています。



ニューロマスキュラー・セラピー―トリガーポイントリリースを主としたマッサージの実践


内容紹介

TravellとSimonsの研究を踏まえたトリガーポイントマッサージ書籍の決定版がついに登場!

ニューロマスキュラー・セラピーとは、神経学の論理に基づいて、
トリガーポイントリリースと一緒に、軽擦法、揉捏法、フリクションなど様々なテクニックを用いて、
身体の中枢神経系と筋骨格系の間に恒常的なバランスをもたらたす軟部組織のマニピュレーションである。
第1部では、ニューロマスキュラー・セラピーの基礎について掘り下げてまとめおり、
基礎となっている生理学の基本や診察、身体の構造などについて解説。
第2部は身体の部位別に章が構成され、それぞれの筋肉に関して、起始部や停止部などの解剖学的情報、
トリガーポイントや関連領域、永続要因、マッサージをする際の筋肉ごとの考慮事項を、
カラーの解剖図やトリガーポイント図と使いながら説明している。


====内容紹介ここまで====



また出版元の医道の日本社のホームページに
トピックス
書籍『ニューロマスキュラー・セラピー −トリガーポイントリリースを主としたマッサージの実践−』監訳者インタビュー [2012.10.22]
がありました。


http://www.idononippon.com/book/massage/3099-0.html



軟部組織のリリースをするときにもトリガーポイントの知識は役立ちます。