几帳面なきっちり使えるノートを取るべきだということを教えてくれた

先日、ビデオで録画をしていた映画『鍵泥棒のメソッド』を観ました。


鍵泥棒のメソッド』(かぎどろぼうのメソッド)は、
内田けんじ監督の日本映画。2012年9月15日公開。
2013年、第86回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画脚本賞
芸術選奨文部科学大臣賞、
第36回日本アカデミー賞・最優秀脚本賞を受賞しているそうです。


皆様は、ごらんになられましたか? 



Dailymotionにテレビの映像をまんまのせたものがありましたが、
果たしていいのだろうか・・・と思いますが。
画質が悪くても見たい人にはいいのでしょう。
ただ著作権問題で、すぐ消されると思います。



とりあえずボディワークの内容とかけ離れる映像になるので、
エンベッドは差し控えさせていただいて、
アドレスだけ載せさせていただきます。


http://dai.ly/x1awr90
鍵泥棒のメソッド」 1_3


http://dai.ly/x1awt1u
鍵泥棒のメソッド」 2_3


http://dai.ly/x1awuon
鍵泥棒のメソッド」 3_3


画質がいいものを見たい方は、
お手軽にレンタル屋さんにもいかず、
レンタルで数百円でダウンロード視聴できるようですので。
そういうのもいいのでしょう。


とっても面白い映画だったんです。


心温まる生きのいいラブ・コメディ。


映画中で香川照之が演じる(山崎信一郎)。
几帳面なノートをつけている。
登場人物の性格と仕事の仕方を物語ります。


個人的に、最近ノートをとるときに、
ノート上に文字も書くのですが、
ビジュアル化、見える化が思考を深めると考えて
極力、ラフなイラストで矢印でといった抽象画に。


レオナルド・ダ・ビンチほどの画力があれば、
全体像を俯瞰で見たり緻密に描き切ったりと
他の人が観ても何を表すかが理解できますが。


それとはほど遠くなっている自覚が出てきて、
冷や汗が出るほど反省いたしました。



そして昨日、お会いした方と夜通し話をして、
セミナーを受けると必死にノートをとるけど、
あとで考えてみると読み返した試しがないと。


それは私も。


このようなノートの撮り方をしていたならば。
映画中の香川照之が演じる山崎信一郎ならば、
バッサリ切って捨てる一言を語ることだろう。



私には几帳面さを語る上で、
非常に衝撃的な映画でした。




余談とは言えませんが、
筋膜のリリースとは?
以前に筋膜とはという医学的な見識がなければピンと来ないとおもいます。


筋膜も医学の本当に詳しい専門書を観るならば120種類以上の筋膜が掲載されている。


だからその120種類のものを総称としてざっくりと筋膜といい
本来はもっと几帳面に分類をして説明することもできます。


そして医学書の専門書レベルではそのように詳細が語られるが、
手技療法ではそこまでの詳細な分類についてまでは言及されないことも多いのです。


手技療法では120種類の筋膜名を認識し学習するために時間を使うよりも、
ある程度の基礎解剖学的な部分を把握する上で、
臨床でその部位と接していくということが多い。


大工さんになるときに、大工道具の名を覚えたり木の性質を覚えるのも、
実地で触れて肌で学ぶ。
それと同様でしょうか。



ただやはり、あまりにも初歩的な「筋膜ってどういったもの?」
といった疑問や、
「深層筋てどこからが深層筋なの?」ということが、
ビジュアルで想起できないのでは伝えづらい。



たとえば、下図をみていただけますか?


腹部筋膜3層.png


腹部の多層構造を覗く図です。




表層筋の層}(皮膚)-(皮下組織)-
深層筋の層}(第一層-前筋膜)-(筋肉)-(第二層-筋膜)-(筋肉)-(第三層-後筋膜)

  • (腹膜)


のような順で並び多層構造を形成しています。


腹部の薄い筋肉にしか思えない筋肉層ですが、
(第一層-前筋膜)-(筋肉)-(第二層-筋膜)-(筋肉)-(第三層-後筋膜)
というように第一層から第三層まで分かれているのは驚きですよね。


この3層に別れた筋膜ごとにシワの寄り方やねじれ方や詰まり方などが異なることもあります。
たとえば、
(第一層-前筋膜)がきゅーっと引っ張られて伸ばされて伸びたままになり、
(第二層-筋膜)がひねられた感じで関連組織の拗じられっぱなしを作る歪曲を持ち、
(第三層-後筋膜)が骨と同レベルかそれ以上の硬化萎縮をともなうなど。
のようなこともありますし、
他の歪曲するパターンにばけることもあります。
3つの層がばらばらな歪曲パターンを持つことができ、
歪み方の傾向性はあるものの、
各人まったくもって同様なケースはみあたらない。


それに、それに。


筋膜の歪曲するパターンごとに、リリースのしかたが、
それぞれ違うんですよ。 ^-^;;;;



だから
ここは筋膜をまたぐように圧をとか、
ここは筋繊維に沿うように圧をとか。

その他にもやり方は、状態に対して
多様に揃えられなければならない。
だから分かる人が私の後ろから施術を見れば、
使い分けをしてるとおっしゃっていただける。


そこをしっかり読み込んで、
どうやって解くと得かを苦心するのが私どもです。



私自身やっていて、
あまりに奥が深くてそれを対処する難しさに殴打。



どうやれば要領よく解けるか。


要領よく」です。


それには幾重にも重ねられた筋膜層のそれぞれの歪曲するパターンを読み、
ひとつずつ区分けをしていく。




ただやはり皮膚で覆われた世界ですから、
そうしていくことの難しさは想像以上で、
手先の触覚だけでは判断がつきません。
人体から発する熱を感知したり、
患部わずか上に手をもっていき静電気様な情報を感じたり。
さまざまな技法で状態を察知する癖が出てきますから、
それも相まってお客様と玄関先でお会いした瞬間に、
今日はいいね!とか今日はお疲れのところ頑張ってお見えになられたのですね、とか。
無意識に理解できる反射神経を磨いています。


そんなことができるようになっても、
まだ深層筋部分が正確には読み込めていない。


どうやればわかる?


そのような工夫をひたすらしている状況です。
ヒントは私(施術者)の体の中にあるとは、
感じ取れるようになりましたが。
まだ、明確なしっぽが握れません。


ちなみに、
筋肉は組織がタンパク質で出来ていますから、
もともと柔らかい柔軟性がある素材なんです。
だから一見すると筋肉が硬化して見えますが、
その状態でも筋肉はやわらかなままなのです。


筋肉が硬いというのは、だから、誤解ですね。


その周りを取り囲む筋膜がコラーゲンという、
ゼリー状にもなれればコチコチの強化プラスチック製板ゼラチン仕様にも化けられる素材。
こちらが、
ネガティブな表現では体内でさまざまな状態変化をおこして体を歪める作用を持つ、
と考えていただくとすっきりするでしょう。




ただ他の部位の筋膜の多層構造を伴う様子は更に輪をかけるほどの、
複雑かつ繊細なものとなるため驚きは、
いずれ気の遠くなる思いにかられていくでしょう。



このような筋組織の形成をしていると理解した上で手技療法を施すときと、
筋膜への認識が甘く「筋膜というのがあって」と<絵にかけもしない餅>
程度の見通しで手技療法を行なう場合と。


筋膜の実態を「深く」「正確に」几帳面な調査及び整理をする過程を経て、
認識の的確さを得ておいたほうが筋膜を認識していない人としている人と、
同じ施術の技を使っていても、細やかさや的確さは別次元になるのだろう。



そのような際に、
映画中でみた香川照之さん演じる登場人物ほどの
記録ノートを逐次書き記すようにしていくならば。。。


すごいことになるでしょう。


というか、そうしなかったら知識や知恵がダダ漏れ
未整理で使い勝手が悪いか忘却の彼方に飛び去るか。


もう一人の登場人物の堺雅人さんが演じる売れない俳優を自分にダブらせ、
冷や汗が、たら〜っとする。こちらの反面教師が大きい教えなのだろうか?



とりあえず、几帳面に文字をタイトル、段落分け、項目分けなどのように、
しっかり誰が観てもわかるような書き方でノートを筆記する努力をしよう。


そのような努力のしかたを身につけていたならば、
確実に前へ進む力となるでしょう。



そのような気持にさせてくれた、
印象深い映画でありました。


もう3回は観たなー。 ^-^)