体内のリレーション

筋肉には、リレーしてバトンを渡していくような力の連携作用をしております。
ひとつの動作をするのに互いに協力をしてかなえるという関連が深い筋肉がある。
それぞれの筋肉ごとに自分の得意な機能があり、それを発揮させて次に渡します。
それが次から次へとつながっていくものなのです。



歯車のアニメーション。


動きの設定が丁寧さが足りないのは、
目をつぶってください。


【歯車が噛み合う】
歯車.gif



【歯車が噛み合うがブレーキをかけられる】
歯車止められる.gif
(上の噛み合った図と比べると、少し回転がぎこちなくなっております。わかります? ^-^;)


正常に連関性がある場合には、
左の桃色の歯車が回れば、青色も、そして黄色も回るのがわかるだろう。
『力のつながり』として、この噛合が理想になればなるほどスムースだ。
ひとつの歯車は、関連する歯車と噛み合うことで連携しつつ力を受け継ぐ。
効率がよく多くのパーツが仕事のために協調的に作動し巧みな動きをかなえる。



ここでのイメージは、
左の桃色がコア、体幹に近い部分、そして肩や臀部が青色、手先や足先が黄色。


つまり桃色部分を使えていれば、手先まで強力な力が回転で流れ伝わるのです。
ちゃんと歯車が噛み合うことであれば、体幹の強力な筋肉が力を産み、末端へ。
これが健康な体の作動がかなえられている様子です。
力みのない動きが出来る人は、
3つの歯車が生きている。
動けば動くほど楽しいし気持ちがよくなってくる。


いい状態ですね。



ということは、
左の桃色の歯車が回転を止められれば、青色も、そして黄色も回転が止まるか、
単独で動こうと必死に頑張ろうとしても綺麗に回るようなことは起きなくなる。
やがて歯車は互いを削りだして噛合が悪化していくことになる。


上図の回転を止められた図では、
桃色を釘抜きで動きを止めた。


しかたがないので無理に非力な末端を動かそうとするしかなくなった。
胴体という質量が最もかさばる部分を、
胴体事態でバランスをとることを賄えなければ、
肩や肘や手先や臀部や膝や足部がバランスを取る補助をしだしてしまう。
筋肉の作動が悪化した末端主導の動作をせざるを得なくなっているので、
実はこのような動きをしているから体内の筋膜の癒着する部分ができる。
力みを強いるような体内の筋肉のリレーションは、
ラクゼーションの最大の妨げにもなる。



そうもいってもよい。



皮膚の下で行われる筋肉の作動は、
小脳で習慣的な動きのプログラムで自動化され行われているものです。


私どもは普段はまったくの無自覚のうちに作動させています。
いったん強烈な個性的な動きを覚えると変更が容易ではない。
普通に生活をしていてそれに気づくことがなければ、
何故か施術を受け身になって受けてみたとしても、
調子が悪くなるような歯車の動きを再燃させて、
いつまでもそこでとどまろうとする現象へ陥る。



ただ心得て置かなければならないことがあります。


これらの歯車の動き方の理想形を頭だけで学んだとしても、
すでに釘抜きのような歯車の動きを止めるものが
物理的に深層部まで入り込んでしまっていたなら。


頭で理想の動きをしたいと願ったとしても、
すでに体感は理想の動きから遠いところに。


そうなれるような一歩手前まできていれば、
そのような動きの用法を知ればそちらに移行するのは可能だし、
一度、「おぉーー。これゃ、楽ですなぁ!!」とびっくりできれば、
感情が感動と結びついて気づきの体験をした際には、
みごとにそちらの状態への移行がかなえられる。


以前の動作をするのが、不合理で馬鹿らしいと思えたとき。
もうやりたくないと心底感じられた瞬間を体験できたからだ。
その体験を通して学ぶきっかけを創りだすためのツールになるのが
深層筋のリリースという釘抜きを取り去るような施術も役立ちます。


すでに釘抜きのような歯車を作動させなくする状態が入り込んでいると、
このような感動を味わえずに、
頭では講義を聞いたり本を読んでわかったとしても、
「そういうものなんでしょうね。でも。。。」
というようなことで押しとどめられてしまう。


ちなみに、執念深く自分の頭で心底こうすればいいのだと思いついた者達は、
その情熱の力が作用してなのだろうか。
みごとに釘抜きのストップを解除するものがいます。
相当に強力なアドレナリンが出たのだろうと思います。


ただなにも考えずにノウハウだけを耳で聞いてという講習を受けるだけであれば、
すでに釘抜きのが取れかかっているような状況でなければうまくはゆきません。


だから私はあまり好まれないかもしれませんが、
途中で私が考えている答えを隠して質問をさせていただき、
自力でちょっとだけ考えていただこうといたします。
ダンス等をなさっておられる方々は得意ですが、
そうではない方々には「おい、おい。そういわれても・・・」となりますよね。
ですが、お客様からの回答から私が気付かなかった興味深い視点で話をされて、
内心、「なるほど、なるほど」と感心しているときもしばしばあるのです。




うまく3つの歯車が連携している動きを自分にふさわしい自然なものだと覚えれば、
まさに赤ちゃんのようなソフトでみずみずしい筋肉がいつまでも保たれるでしょう。


そのようなセンスのすぐれた動きへ。


私自身が、深い歯車を持ち得なければ、
これもまた絵に描いた餅のようになる。


成長を止められませんよね。