体の整体と歪体とのレトリックとして。
人の下半身は移動するときの『動』を司り、
人の上半身は移動するときは『静』となる。
下脚と骨盤を含めた下半身部分が、
基底部でもあり動作の中心です。
その上に腹部以上の胴体、腕、頭部が積まれている。
では下半身部分をここではひとまず台車と例えよう。
あのクロネコヤマトさんなどが荷物の集配をするときの台車です。
体が整体と歪体
実際に、この両者の台車を動かしてみて、
操作具合を見れば驚くほどの違いがある。
筋膜が整えられていて生まれてこの方ずっと整えられた整体の人。
そのような幸運な方々は、ずっと、調子のい今までいられるはず。
なんらかの事故や怪我で、バランスを崩さない限りは理想姿勢を
自ら維持させようとする。
ずっとしてきた姿勢や体調を維持し続けようとする恒常性の元に。
筋膜が癒着が進んでいて体の歪みが出てきたような方の場合。
そのときには筋膜の癒着部分をゆるめてみるのも手です。
それが今までできなかった理想姿勢を取り戻すきっかけに。
ただ、ここで注意しなければならないのは、
筋膜が弛められたとしても、元に戻ろうとする力が働くのです。
ずっとしてきた姿勢や体調を維持し続けようとする恒常性の元に。
体が不調であれば、その状態さえも維持しようとしているのです。
その不調を切るための、最低限の注目部分。
最低限といっても複数あるうちのわずかだけを述べさせていただけば、
骨盤内の下腹部エリアの着眼。
「腸骨(座骨)の自由可動付け」&「内圧による拡張と重み付け」。
腸骨・座骨が自由かどうするかどうかは、
台車で言えば、台車の車輪が自由に回るかや車輪の大きさが左右揃っているか。
もし台車の車輪が回転が悪くて突っかかったり止まっていたら、
うまくその台車は走りません。
もし台車の車輪が左右またはすべてが劣化してパンクしていたり摩耗していれば、
うまく台車の荷を置く台は地面に対して水平にはなりません。
また車輪が浮き上がっていても、よくありません。
骨盤の仙骨と左右の腸骨の動きを理想化させていき可動を自在にさせることで、
台車の車輪が整えられた状態をつくることが大事ですね。
これは多分に訓練を要することでもありますし、
日頃のセルフメンテで可動性をあげることもできます。
特に私には車輪部分が座骨に該当するように見えます。
座骨をうまく走らせることができるようにしましょう。
左右の座骨の車輪、うまく整えて走っていますか?
脚部で歩くのは、必ず座骨の車輪が動いてから次です。
座骨が走れば、自然に脚部は歩くための動作をします。
それともうひとつ。
台車の荷を置く台が軽すぎるとちょっとした地面の上の出っ張りで大きくバウンドして、
荷物が崩れ落ちてしまうでしょう。
ある程度の台車自体の重さがなければ安定しないものです。
人体でそれをかなえるには、
下腹部の骨盤内部を内側から外側へと押し広げるような広がりを創りだして、
重心を気海丹田部分(へそした9センチくらいの位置)に据え置くこと。
それができていなければ、
上半身のブレは大きい。
やがて姿勢は崩れます。
姿勢のうまく整わない方の多くには、
重心の位置が、
たとえばへそから左右どちらかへとずれて
理想の正中線から離れてしまったり、
(右利きの人は右側にずれる事が多い)
みぞおちやときには胸辺りまで持ち上がっていたり。
それでは荷を置くための台車の上面がどこであって、
そこから上のものはきちんと整理された本のように。
そのような概念からかけ離れてしまう。
最近の施術終わりの体の使い方を伝える際には、
体の補助線として、
手をスティックを握るような感じにして、
恥骨上端部分と仙骨部分を片手ずつ手を添えてあてがい
その両端を棒が串刺しにした感じにしてもらう。
そして手では持ち手をつけるような意識で、
その持ち手を左右、上下に動かすことで重心が理想の位置で操作される具合を体感できる。
簡単な事だが、そうやってみて恥骨上端部分と仙骨部分の持ち手部分を操作して動かすと、
足首や膝や腰等、左右差なくスムースに回転して楽しいほどだと思えるでしょう。
それが恥骨上端部分と仙骨部分を逸れて右の鼠径部やへそ上などに補助線の持ち手をつけると、
骨を取らまえてクイックイッと回転させる操作感とは明らかに異なり、
鈍る様子がわかるでしょう。
台車の上面の中央の荷を置いて安定する部分に荷を置かないといけませんし、
荷を置くにも下のほうが重くて上を軽い物にして並べるのが荷崩れしません。
骨盤以下の下半身が動けば、それより上の胴体以上は静止して乗せているだけいいのです。
ただ静まり返って台車の上面に乗せ続けるにはきれいに脊椎のひとつずつが連なること。
ジグザグに本を最初から積むような背骨の積み方はよくありません。
身体設定の整え方は几帳面さが命です。
物理的操作感が甘ければ荷崩れします。
二足で立たせるという芸当は、相当にスキルフルですから、
その操作を身につけるまでは、難儀しますが、
一端、体が納得できるところへこぎつければ安定し続ける。
ポイントを取らまえて、がんばってくださいね!
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