自分の息をつかまえる

ボディワイズでの施術を受けられていない方から
何度かメールをいただくことがあります。


今はまだ、新規のお客様を受け付けられないため、
お会いできる機会を設けづらくて申し訳ありません。


質問を頂いた方はすでに他院に通われているので、
安心するところもあるのです。



いくつかの身体的な不調があるとお伝えいただいています。
そのなかで、この度の質問は。


「呼吸がしづらいのだが」という内容。
状況はかなりひっぱくしておられるから個人的に、心配しています。


仕事をするにも厳しくなって、
体力が持ちづらく疲れやすい。
それでは気力が続かない。
思考力が落ちやすいなど、
かなりつらい状況です。



横隔膜が上下して腹式呼吸をするものです。


そうなるためには息を吸って、それが腹へ。
すぅ〜っと流れ込まなければなりませんね。

ですが、それが流れ込めない。



おそらく喉あたりで第一のブロックがあり、
胸骨柄で次のブロックに感じられる。
そこの締め付けを通り抜けられても
肋骨のポンプの役割が十分果たせてないと、
十分な息の出し入れの量が稼げないのです。



姿勢全体の問題から来ている
呼吸がしづらくなる仕組みで、
虚脱呼吸になってしまう人も。
そうなっていれば、
自ら頑張ってみても、
容易には体の芯のブロックは外せません。


このようなケースでは、
多くはどのような状態になっているだろうか。


メールで問い合わせ質問をしてきた方は、
横隔膜の問題があるということのみではなく、
胸椎の動きの制限がかかっていて不調原因のひとつだと気づいている。


正確な観察眼。
感心するところです。


一般的に、慢性的に息が吸えない感じがあるとき。
体全体に渡り広域な呼吸関連筋部分に問題がある。
それが通常なのです。


横隔膜などの呼吸筋は水平軸を形成しています。
そこを斜めにする垂直軸の曲げがあれば、
そこに手を伸ばし対応する必要がでます。
そこはあまり気づかれないことも多いようです。


多くの呼吸機能を制限させる部位が存在して、
それらすべてを改善させて底上げさせることが必須だが、
お客様が意外に自分の体なのに気づかない点があります。


すでに大きく胸の形が変わってしまっているという事実。


そこに着目して筋膜を緩めていかないといけないのです。
ただ、通常の対処法では胸部の筋肉を指で圧して解くと
信じられないほど痛みが出る。
それで解けないということが。


私もそこをクリアするために、
10年以上かけましたからね。。。
けっこう大変でした。。。 



では胸の形が変わっているとは?


胸郭の状態について観察をしよう。
0c443857[1].jpg


理想形は、胸郭断面図の右側の図です。
左右胸郭がシンメトリーですよね。


それに対して、左側の図はどうですか。
左右胸郭部がアシンメトリーです


多くの場合は、息苦しいなという方の場合、
胸郭の断面をみると次のようになっている。


手が右利きでしたら右側胸郭が前後に開きが大きくなる。


手が左利きでしたら左側胸郭が前後に開きが大きくなる。


そのような傾向があります。


大きく側弯症だと言われたことがない人、
それであっても、
私はにはそのような胸郭の変位傾向がほとんどの人に見受けられています。
そこを改善する。
徹底的に。


それがその人の免疫力や自然治癒の力を高める事になっていきますから。


ここは非常に重要な部分ですが、
当社比では昔もこちらをしっかり文献を読み込み筋膜リリーステクニックの手技で
リリースしていたつもりでしたが、ダメでした。
相当な身体操作法を身につけていたはずですが、
そこを磨いても、できないことはできませんね。。。


信頼性のあるテキストであるに関わらず、
そちらに書かれた範囲内でのやり方では解かれ方が、、、
まったくもって歯がたたない。
そのような様子を持った日本人が、
現代の日本には驚くほど多く増えていっております。
だからそこにも対応を進化させる必要がありました。



左右の胸郭のアシンメトリー状態では、
肋間筋の萎縮や伸びすぎていて並びが変位している。
胸椎と肋骨との間の関節や、胸骨と肋骨との間の関節などの、
骨と骨が靭帯で結ばるところが骨化していることもよくある。


この肋間筋の問題や、骨化した部分をゆるめること、
それには首筋の筋肉を緩め鎖骨や肩甲骨の筋肉の硬化している筋肉を緩めなければならない。


そうなっていなければ、
この胸のなかにある肺。
それは鉄製の鎧のよう。
動きが過度に制限され、
呼吸代謝機能を抑制し、
心臓にも負担を強いる。
胸腺も機能低下させて
免疫力を低下させます。


そこからの脱出することができるかどうか。
それらまるで鳥かごのような形状の胸郭は、
本来、信じられないほどぐにゃりとします。
しなやかで柔軟性があるのです。
肋軟骨部分などは驚くほどです。
収縮と拡大を繰り返すと肺がそれに合わせ
大きくなったり小さくなったりできます。


それが動けないのが普通になっていて、、、
そこが『なんか変じゃないの?』と思いもしなくなっている。
そのような場合が、とてもよくあるのです。



胸郭が上図の左側ような問題が生じれば、
少なからず肋骨の鳥かごが鎧化している。


私がちょっと胸部を触ってみれば、
軽い圧でも激痛を覚える人が多く、
それを見過ごしていたから
良くならなかったのですね。


ただ呼吸代謝機能を、改善させるためには
このようなところは、初歩的なところです。


ほんの触りの一部と言ってもいいでしょう。


横隔膜や骨盤隔膜、胸隔膜の水平軸をずらすような各部を調整。
それは大腰筋や起立筋への操作で骨盤の前傾や胸郭の斜めになる土台を修正をすることです。


みぞおちを含め腹直筋や腹横筋等の腹部の筋肉の凝り固まりや、
大腿直筋等の足の前側や側部の筋肉を徹底リリースなどなど。


やっていかなければならない処置は、数多くあるものです。
結局は、全身をくまなくみていくことで、
初めて呼吸代謝機能をステップアップを、
一段、高められたということになります。


慢性的に感じられる呼吸のしづらさは、
決して一部分を過剰矯正を加えて成果がでるようなやさしいものではないのです。


私の施術では、
毎回この部位を意図してより深部へ向け自由な動きが可能になるようにリリースを繰り返しています。


そうすることで血中の酸素量を増して、酸化した血液のペーハーを弱アルカリ性にしていってもらう。
そこがうまくいけば体質的に問題があった方が、改善にまで至るケースがでてくる。
自律神経等の神経系の復活には必須ですし、うつ等の精神的負担が軽減されるといったケースもある。


肋骨の変位が著しい場合には、
多くは精神的に手詰まりだし、
感情の起伏が激しくなり落ち込むなど、
ダメージは肉体面のデメリットにとどまりません。


本人は、それが自分の元からの性格かと思うようになるが、
胸郭の動きが悪化し呼吸がしにくく心臓に圧迫があるなど、
そのような状態に健康な人がさらされれば、
一様に感情や精神面にもネガティブ傾向の特徴を持ちだす。


単純に考えるならば、
それは体の問題が由来して、
一時的に感情が体にコントロールされている状態に陥る。


そのようなケースでは、カウンセリング等の心理的なアプローチを受けているだけでは、
十分な成果を継続的に維持することが難しい場合が多くなっているようですから。



胸郭に関係する部位の筋膜リリースを徹底すると、
胸郭の形状を整えていくようシンメトリーに近づきます。


そうなってきたことをきっかけにして、
いくらかの問題が軽減させられた分だけ、
気持ちの落ち着きが出てくるようになる。


なってみるととてもつらい体感の、
「過剰な焦り」「差し迫った緊張感」が、
大きく減じられることがありますからね。


興味深いところです。


だから、
繰り返し胸郭を緩められ元通りの理想型に近づける施術メリットは計り知れない。




体がこなれてきたのならば、
呼吸の深さを自ら増すような気功法のようなエクササイズを日課にするとよいでしょう。


ストレッチは、きつかったり苦痛を伴うものではなく、
胸郭の柔らかさやしなやかさが現れますと、
ほんとうに気持ちいい快感なものですから。