施術者も対人関係ストレスで離職するケースが多くて・・・

施術について関心を持っておられる方と、
長い時間、お話をさせていただきました。


即効性でためになる施術技術を伝えられたわけではありません。
ほぼ、一切そのようなことは話してあげられなかった。 


ですがそれは施術技術以上に大切なことがあると思ってのこと。


最近はスポーツ科学の世界でもメンタル・タフネスさ。
それが、
勝負に勝つための重要な一分野として確立しています。
施術をするものにも『心』の持ち方が大事になります。


私がいうことですから、
自分で徹底しなければ、
説得力には欠けますが。


辛抱強く、話を聞いていただけてありがたかったです。 ^-^



多くの施術を始めようと考えて取り組んでみた友達が、
途中で辞めていかれた状況をみています。


「その人は、この職業に向いていなかったのだ」
と、安直に言えるようなものではなかったので。


・ 自己で経営なさって経済的な問題が出た場合。
・ 安い月給に嫌気が差した場合。
・ 体調を崩して施術上で耐えられなくなった場合。
・ 対人関係上の負担を感じての場合。
・ その他



でしょうか。


施術を成立させる要素とは?
ざっくり、別けて考えると以下の4つでしょう。


(1)  理工系のメカニカルな物理上の分析力や解析力、
    体の仕組みの理解力の深さが必須です。
(これが施術成果を生み出します)


(2) 自分の体を施術をしているときの負担で壊さず、
熟慮された動きで対応する能力。
(これが施術者が体を守り施術力向上へつながります)


(3) 継続可能にする経営努力。
(これが生活を豊かにします)


(4) お客様との対人関係。
(これが施術者としてのやりがいを引き出します)



************** このあとに、私の気づいたことを ***************

(1)体の仕組みの理解力の深さ
施術家も新たな技量が増えれば気分が登りますが、
やがて新たな課題が降って湧いてきてつぶされて。


施術技術の向上とは、
年々新たな施術関係のセミナーが開催されますし、
本も出版されますし。
日々の臨床で気づく目を持っていれば無限の成長をするようなもの。
いつだってゴール設定は、仮設でそこに置いているだけのものです。
半月もすれば自分が成長しているため、ゴールはもっと先に設置されている。
それを繰り返すのものです。


ただ、その歩みは照顧脚下。
今の自分の足元の位置から、
一歩ずつマイペースで進む。
それが最良の地固めになる。


自分の足元を固めずに欲張ると、
大きな事故を起こすことになる。
それを避けるのも必要でしょう。
そして飛躍する力の養成をするためにも、
歩みは焦らずに、急ぎ過ぎずに、着々と。


学習のための工夫としては、
勉強熱心な東大生の家庭教師をつければ、
勉強のやり方など基礎から指導してくれ、
自分一人で考えるより成長に加速力がうまれる。



(2) 自分の体を施術をしているときの負担で壊さず、
熟慮された動きで対応する能力。
については、
私が体の操作法を実地で追ってお伝えしていこうと考えています。


お客様のケアをすることの前提は、
自分の身をケアできての上である。


私自身、自分の体が体力消耗著し、
やせ細っていった経験があります。
そして長期休業を繰り返しました。


身体操作がうまくいかなければ、
腎を痛めたり肺や心臓を痛めたり。
私以外の多くの施術をなさる先生方でも、
それぞれ施術上で身体の操作を工夫していても、
負担は蓄積していかれるものです。


どうしても自分の身よりもお客様。
そちらを優先して考えて体が動く。


「自分の身体」と「お客様の身体」の両者を一体化させて、
込みこみで考えられたほうが施術成果は上がるものですが、
そこの領域には言うは易しですが至り難いところです。




(3) 継続可能にする経営努力。
です。


私が、小声でぼそぼそっとしかいえない部分ですね。
あまり参考になることをお伝えすることはできません。


ただ、今回のこちらの方は大丈夫。
私以上にお話を聞いてくれている方のほうが、賢いです。
逆に、私が経営指導を受けたいと思えるようなものです。


人は、得手不得手があります。
得意分野での速攻の攻めどきを知り、
ガッツで動くことの大切さを知っている。


人は悩んで自分を否定的に捉える言葉を使えば、
そのような自分像を脳に創りだしてしまいます。
思っただけで、も、そこで「負け」が忍びこむ。


チャレンジをして学習の機会を増やした分だけ、
人は成功するものでしょう。
3割打者が7割ミスっても成功したら評価される。
早く7割のミス経験を積んで傾向と対策を得たほうが芽が出ます。


どのようにすれば施術でのビジネスを回せるか。
そして成長発展させることができるかといった、
ビジネスモデルを構築して利潤を埋める視点で
他店を見通す熱意があれば、見通しがつくはず。


私のような施術研究一辺倒で進んでいる人間は、
想像しても手が出せていないところですから。


人それぞれの強みを活かすほうが人生は充実します。
才能をどこで最大発揮できるかは自分次第でしょう。


新たな学びをする際にも、
職歴を無駄にせずにいく。


そういうのもいいのかも。



(4) お客様との対人関係。
ですね。


理工系のボディメンテナンス力は抜群にいいという人が施術者になる場合。
対人面でストレスを感じることがあるかと質問すると。
仕事に付く前には思いもしなかったことの連続だったといわれることも。


ボディメンテナンスする知識や経験を積めば、
的確に、最適に、アプローチできるのですし、
ちゃっちゃとしっかり治せるようになれれば、
対人ストレスも、
さほど感じる職業じゃないと思っていたという人も。



ただし思うところアプローチする対象が、
自動車整備士でしたら「自動車」ですが、
施術家でしたら「人間」です。



対応する対象が人間ですから、、、、、。



世界中の大半は対人ストレスから問題が生じている。
そして体の凝りや疾患などの大半も人間関係から創りだされたストレスが筋緊張や筋虚脱を生み、
その問題が根本原因だともいわれています。


人間関係の妙は難しいものです。


対人力は使いようによれば、武器にもなる。


たとえば、
お客様から体のつらい箇所のお話をお聞きするとき。
お客様が施術者も深刻で暗く眉間にシワを寄せるべきか?
それとも口元の端の口角をちょっと持ち上げて、ウンウンとうなづきながらお聞きするといいのか?


どちらだと思いますか?


施術者に眉間にしわを寄せられるとき深く話を聞いてもらえたと思うよりも、
なんだかむっつりして怖い人だなと思えて、、、
慢性化していない軽いコリでもゆるみづらい。
緊張の上塗り状態になって「いかなきゃよかった状態」になりかねない。
施術力があって、しっかりケアしたとしても、成果の実感を損ねる用法。


でも口元を多少ニコッとしつつ、相手の言葉にあいづちをタイミングよくいれると、
それで「あっ、この先生、私の話を受け取ってくれたんだな」と感じられますから。
その瞬間に、お客様の脳内ではエンドルフィンという脳内麻薬が素早く放出される。
エンドルフィンの快感物質効果は、一瞬にしてさっきまでの凝りの痛みを緩和する。
それは施術で治したわけではない。
この先生なら治してくれそうだなというプラシーボ効果によるものかもしれません。
ですが人間関係が成立していると、
お客様の中にいる治療師が働き出す。


実験していただくとわかるでしょう。
その成果の大きさに驚くほどのこともあります。


だから言葉巧みにそのような仕込みをいれておく先生もいます。


対人力を磨きをかけた際の、メリットですね。


これは自動車整備士が自動車の整備で使えない手ですが、
実際には整備士自身も暗い面持ちでいるより気分がいい。
そういうものでしょう。



ただ、そういったメンタル面で活用できることばかりではありません。


起きることは多様です。


実際に施術業を離職したものの話を聞くと、
経済的に撤退をせざるを得なかったという先生もおられたのですが、
それに付け足すかのように、
対人面でのストレスに耐えられなくなったと、
ぼそっと隠れた本音を漏らす人も。。。


ここでつまづくことが多いいのです。


おそらく私どもの業種以外の方でも、
「ある、ある」とおっしゃられるかもしれませんね。



私が自己の内側を見れば、
お客様との対人関係もありますが、
自分と対面していく強さが必要だ。


うまくはできていませんが、
自分の内面の世界と外側はつながっているものですから。
自分に向き合うことで、人との距離を図ることができる。


施術の仕方を学ぶことも大事です。
同時に、そのような気持ちも大事。


私が日頃、繰り返し繰り返し聞いている、
コーチングセッションや解説の音声データを、
「あなたも、ぜひ!」と、強要する勢いでした。
  ^-^;


必ず、役立つときが来ると思っています。
コーチングの技術を、
セルフコーチングに転用することが。




いくつかの退屈な話をさせて頂いている中で、
自分が何を大事なことと考えているのか、
再認識させていただきました。


多謝。