影響範囲を、にじりでていく勇気

ここで、「そもそも論」となり恐縮ですが、


人は、自分の意思で作用できることと、
作用させることが不可能であることと。


そのふたつを別けて考えなければ、
行動にむらっけが出てしまいます。


どうやってもどだいむりだという、
そこに注力することは避けるべき。


たとえば、
太陽がでないようにしようとかは、
私の力ではできないことでしょう。
どんなにがんばっても。
まぁ、、、
そんなことを頑張ろうと思いませんが、
たとえば、ということです。



それが自分の意思でコントロールできるものやことなどに対しては。
なにをどうしたいのかという最終目的を決めます。
その目的をかなえればいいだけですから。
あらゆるやり方をリストアップして実現可能な課題か検討していく。


そこでできそうだというやり方があれば、
そのやり方をトライして成果を引き出せばいいのですよね。


それが、現実問題として、
現状の自分にしてみては、
ずいぶん突飛なものと思われたとしても。


狙いを定めることで関係する情報は集まってきます。
脳の仕組みは、自分が必要とするものに注意が向き、
必要と思わないものはあってもなきが如し。


強烈に課題解決に向けて意識の焦点を合わせること。
そして、一定量以上の情報と経験がそなわったとき。
使いこなせる画期的な力を得た「道具」へと収まります。



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昨日、
とある症状を改善させるための漢方薬を煎じて服用してみました。


「煎じる」とは、
水を適量入れた鍋釜に生薬を入れて、ぐつぐつと煎じます。


適量のとある漢方薬にあった生薬をはかり混ぜておきます。
たとえば600mlほどの水の量を入れてそちらを煎だし、
300mlほどにまで水が気化するまでそのままにします。
そのときには周囲に生薬の香りがぶわぁーーーっと広がる。
漢方薬やでぇ・・・この匂いは」と、うなる香りですね。



市販されている漢方薬は、
丸薬になっていたり、
顆粒状になっていたり、
エキス錠になっていたり。


現実問題として生薬をその場で煎じ漢方薬として服用するには、その効果は及ばない。



市販薬としてドラッグストアで葛根湯を買った。
顆粒状の葛根湯を服用したら、そこそこ効いた。
自分で葛根湯を煎じて服用したら、
驚くほど効果が出て目を丸くした。


私は、
そういった体験をしたことがある。



それは煎じたときに生薬が放つ、
鼻から入る香りと匂い、
酸味や苦味などの味、
その他、煎じたときにもっとも生じる五感から
陰陽のバランスを調整させるための刺激が受けられるからだ。



自分に必要な煎じ薬を目の前で煎じられたとき。
その湯気、匂いを嗅ぐだけでほっとする。


いや、いや。
ほっとするどころか、
張り詰めた精神と肉体の緊張の糸が解けた気がしている。
そういった体験から、体の状態が好転するものもいます。


たとえばですが、
肺に問題がある方が、
それに対応した漢方薬を煎じた際の生薬の気が入った蒸気を嗅いだとき。
さっきまでは鼻づまりがきつく、ひゅーっひゅーっ、いっていたものが、
「あれ?すごく息がしやすくなって楽になった。まだ服用してもないのに」
というような言葉がきくことができてしまう。



煎じるときにでる香り、煎じたての味などが、
漢方薬の効能を大きく左右させる要素となるのです。
漢方薬を扱うものは、当然知っていることです。



そうなると市販薬として売られている漢方とは、
成果の高さがぜんぜん違ってくるものですから。


自分の身にあった漢方薬を手に入れて、
それで健康増進にどれほど役に立つか?


その事実を体験的に知っているかどうかで、
平素の健康維持や増加にもかかわりますが、
いざというときの行動に大きな違いがでる。
私はそのように感じています。


とにかく驚くほど漢方薬がサポートすることができるテリトリーが広いのです。


そこに大きな魅力を感じます。



ただし、そんな頼もしい健康維持をさせるための生薬のブレンドですが。
ですが手間を惜しむ気持ちがあれば、
そこから先に進まないものですよね。。。


煎じる時間をつきっきりになったり、
煎じるための器具を用意したり、
(※ 最近はマイコン対応の自動煎じ装置がある)ニューマイコン 漢方煎じ器 文火楽々

使い終わった器具を洗ったり、
匂いが周囲の隣家に飛ぶのを気にしたり。。。


さまざまな気遣いや対策も必要ですし、
手間がかかるものです。


ただそれ以上に決定的なものといえば、
日本では煎じ薬として生薬を漢方薬の状態でパックしたセットを販売するお店が見つけにくい。
つまり漢方薬とは、数百種類もあるわけで、それぞれ構成する生薬も違えばその量も違います。
煎じ方もそれぞれですから。。。


生薬を規定量に割り振って包んでくれるという漢方薬局が日本ではなかなか見つからないのです。
最低限、私が手に入れることができるようなコストでそのようなことをしていただけるところは、
現在の私には見つけることができなかった。


最低限、アマゾンや楽天ではそんなパックセットが、
私が欲しい漢方薬の処方をセットしたものは
見つけることができませんでした。



私自身が複数ある必要な生薬をすべて余るほどに購入したならば、
作り得るが実際問題として手間がかかり過ぎ断念するしかなくて。。。
そこで八方ふさがり状態で生薬や漢方薬の学習が座学にとどまり、
先に進むことができませんでした。
本腰をいれ結果を見たかったので、
ふさぎこむほど悔しい思いでした。


「自分は時間をこちらに大量につぎ込んでいるのに、成果が見合わない。
なにやってんだろう。。。」と。



そこから貴重な一歩を踏み出すことができました。


このたびは私の知人の尽力で漢方薬専門の著名な店に依頼して頂き、お送りいただきました。
そのおかげをもちまして願っていたものを手にいれることができました。


ちなみにこの度の漢方薬の処方には12の生薬で構成されていて、
ひとつの生薬はその特性上、先に小一時間煎じておいてからなど。
そのような知識がいただけたため、
正確に本場の漢方薬が服用できた。


案の定、その匂いや味覚には圧倒された。
その人にあった漢方薬を目の前で煎じて出してくれる漢方薬カフェ。
そのような出店をしたら最高だろうなと思いながら香りを嗅いでいた。



そう思っていた矢先、
ここ10日ほど鼻風邪で鼻水がでていた。
この度の処方は肺経によい生薬が配合されている漢方薬でしたので、
気づけば、服用もしていない煎じた際の蒸気を浴びただけで
鼻がぴたりと止まり、呼吸が静まっていた。



まずは処方の用法通り。
トライする予定です。


ちなみに、
私が自宅で丁寧に煎じた煎じ薬。
やはり服用したときの衝撃波は、
薬局で入手したものとは比べ物にならなかったのです。
冷蔵庫に後日服用するものを保冷して数日服用します。


つくりたてでもないのに、
生薬の生命感は十分ある。



施術だけではカバーできない部分にまで、
かゆいところに手が届くようにできれば。


まずは私自身が成果を実感できること。


そこからはじまります。



ボディワイズのようなボディワークをするものは、
「施術だけやっておけばいいんじゃないの」
「変なところにまでてをだすんじゃないよ」
といった意見をされたことがありました。


ご意見、もっともなところもありますが。
ただし、同時に私が漢方薬について影響できる範囲は狭いはずとか門外漢が勝手なことをしては駄目だ、
という気を使っていただけるのはありがたいものですが。


基本は、人の意見は毒にも薬にもなるものです。


私が施術を学び始めた何十年も前のころよりも、
漢方薬関係の良書や資料は多数揃っていますし、
安定感はかなりあるものなのですよね。


そしてみすみす私が手を出せる影響範囲であり
それに精通することが将来性を感じるものなら、
手放すことはできませんよね。



筋膜リリースの仕事に、
安直に掛けあわせた使い方を考えるならば。
(筋膜リリース用よりも他の症状対策のほうが気になっているので、
実際は筋膜リリースバックアップ用としては、次の研究課題としております)


筋膜を緩めるために、
この「証」を持つものの場合は、
このような生薬をお勧めしよう。


それも年齢や性別、体力値や体型、生活状態などと脈を見て。
するとその人だけの効きの良い生薬の種類や配合や量がでる。
そのようなアイデアも、自分に利用して試験を繰り返せます。


上薬という、常用しても体に負担にならない生薬があります。
そのような生薬の性状を熟知していくことでかなえられます。


生薬や漢方を相当勉強なさった方は、どの生薬を使えばいいか、わかりますよね ^-^)


ただ自分の施術との相性や相乗化を独自に研究してみて、
安全で効果的なサポーティングマテリアルを持っていますよ!といえるようになりたいですね。


そのような成果をだせるアドバイスが可能なまでなれば。



今後の展開には、今までの自分を超える変革も必要です。
自分ができるのはここまでだろうという影響範囲の限定。

それを決めるのは自分の考えやメンタルによるものです。


はほろ苦い煎じ薬を服用しつつ。
自分の身で失敗を恐れずに、
失敗を成功の糧としていき。
影響範囲を伸ばしたいですね。



煎じたての漢方薬をごくりと飲むと、
そこに一歩、そしてまた一歩。


近づいていく気がしております。