尾骨がしりもちをついた拍子に骨折をしてしまったり、歪んだり。
打ち所が悪いと、強い力でなくとも甚大な影響が及ぶのが尾骨。
ただ実際は座り方が悪かったり、立ち方が悪かったり。
たとえば重心が下丹田にキープできないだけでも、
肛門側へと尾骨は歪み曲がりはじめるものなのです。
外形上どのように私が見ているかといえば、
頭蓋骨の後ろ側にある後頭骨の状態を見れば、
どのような仙骨と尾骨の状態かは書いてある。
そちらをじーっと見つめればおおよその歪み方の見当は着くのです。
多くの肩凝りや腰痛等が慢性化している人、
どこか骨格の歪みがあるような場合も含め、
骨格系の問題がある人のほとんどは私がチェックさせていただいた範囲内では、
尾骨が理想の柔軟性をキープしている人のほうが少ないような気がします。
こんな冷徹な言い方をされると、
ちょっと気分のよくない感じがしてきますよね。。。
私も、相応の肩凝りや腰痛がここ去年の年末から患っているものですから、よくわかります。
どうしても私は臨床家での視点で、冷静に、または冷徹に、
その場に起きている現象を情報として集める習性があるのですが。
もうちょっと温かみのある言い方がないか思案している途中です。
話を続けさせていただきます。
なかには長い年月にわたり、
尾骨矯正を必要とされるほどの歪みを患われたお客様もおられます。
自律神経系の交換神経が過剰に働いて興奮状態から寝付きが悪く不眠に。
睡眠中に摂取した食物を消化器が消化して体に取り込む仕組みなのです。
だから食べても身にならない。
そして興奮状態が続くさなかでは、
ガソリンををダダもれにして走り続ける自動車のようなもの。
休息を取りたいと考えても緊張しきった状態から離れられない。
または後頭骨が歪むことでけいつい第一の歪みがでて頭部の血行不良になり、
大脳への血液流入量も減少するので思考力が低下してしまいます。
尾骨を悪くする以前の快調な状態を知っているため、
その時と今との生活の質のギャップに堪え難い気持ちになります。
そのような深刻なものでもありますので、
私自身、尾骨の歪みを改善させるにはどうすればいいのか?とは、
かなり難しい課題ですが取り組んできました。
ほんとうに今だお二人のお客様ではありますが、
尾骨自体を圧して矯正するということは一切行わず、
尾骨の周囲の硬化した筋肉や靭帯を緩ませることでかなり深刻に歪んだ状態の尾骨が動き出すことを確認いたしました。
私は基本、尾骨は自律神経の最も重要な末端の終着駅。
この部位に与えられた外圧は、すべてがトラウマになるほどの恐怖体験と言えるのではないかと。
それは、あまり昔のことではなく、ここ半年と言ってよいのだろうが、
私自身がどうすれば自分の持分で対処できるか瞑想中に感じ得た言葉。
衝撃的な強さで得られた直感だった。
触ると、それは障りになるといいます。
私の内側の声など、他人に聞こえる訳もないのですが、
私はそれを聴き従うしかない。
お客様からは、いつ尾骨を矯正するのかと問われても、
私は直接的に尾骨をアプローチすることは、
文字通り、私が判断する必要最小限にする。
私の手でする仕事は、後悔はしたくないのです。
私が『もうちょっと、ここまできたら 』 と、
尾骨へのアプローチをする時期を見定めて時期を推し量るとき。
私がそのように言うと、
お客様の表情からは『いつまでつづくのだろう。尾骨の歪みが直るのは。。。つらい。。。』
という思考が伝わってきます。
私がお客様と同様の状況下で苦境を味わうさなかであれば、
怒り心頭のところであってというところであっても不思議はない。
それほどに、つらい状況だということは、私もわかっていますから。。。
それであって気分は私も針のむしろであっても、
いつも私は自分の判断に従うようにしています。
最低限、尾骨を多少なりとも圧するにも、
お客様の身を安全圏に移行させ安全を確保するまではできない。
そう考えて、必死に説得していました。
その安全圏まで持ってきたら、
尾骨に振動を適量吸収させるクッション越しに弱い持続圧を与えて様子を見てと思っていました。
そのようなソフトなところで改善できればうれしいと考えています。
ただ私が施術をしているとき尾骨のコンディションを見たら。。。。
見事に、そのような操作もせずに、
正常位置に自ら戻ってくれていた。
えっ、ほんとに?
そしてお客様にも自分で確認していただきました。
お客様も自分の尾骨を手で触れてチェック。
すると『あれ、鈎手に曲がっていた尾骨が伸びて戻ってる』とのこと。
実は私も狐に化かされた感じなほど、状態が変わってたから。
にわかには信じがたかったのです。
ほんとだ。
お客様も、戻ってるといっている!
(^O^)。うれしい。
私の立場上、結果がでて、ほっとしましたよ。
ただ、どのようなお客様もこのような好機が約束されているものではないでしょう。
こちらの女性のお客様は、体質的にもともと尾骨が動きづらいというものではなく、
当初より動くのは当然だろうという体質をしていたと見ていたのです。
ただ15年以上もその状態でいつづけた恒常性の罠を抜け出すのは容易ではない。
最大級、お客様自身が、私がお伝えするアドバイスを、いつもその場でメモって、
きっちりと自己管理をしていただいた。
とりもなおさず、理想的な立ち方を自らもよく研究して実践されている。
尾骨が歪んでいる状態で、骨を垂直に据えて立つことは生理的に至難の業です。
私が自分の尾骨が、こちらのお客様ほど曲がっていたら、いくらがんばれといわれても、萎えてしまうと思います。
それほど、難しいことだというのは私にはわかります。
かつて、尾骨が歪んだ状態だったらどれほど立ちにくくなるか。
自分の尾骨にキネシオテープで無理矢理歪みを一時的につくり、
人体実験をしたときに、どれほど立ちにくく、
いつもの感じと違っているものなのか。
私は自分の身で体験しないで推測で言葉を発しすぎるのはダメだと思うので、
こういう自虐的なことを時たまするのですが、
ほんとうにこれはつらい。。。と、しんどかった。
そこを押して、お客様は必死に実直に立ち方でも成果をだしてくれていた。
そこから真剣に自分の身に向き合う姿を、私に見せていただけました。
ありがたいです。
泣けてくるほど、そのことが、うれしい。
お客様と協力して得られた成果ですね。
だから喜びも深い。
尾骨が後天的に歪んだという場合。
(※ 先天的な奇形による歪みはここで取り扱えるものとは異なった状況だとお考えください)
理詰めでいえば、尾骨を歪ませる原因物を取り除けばいい。
尾骨につながる緊張して萎縮した筋肉や靭帯がそれにあたります。
それをきっちりと緩めるだけで、尾骨は動くはずです。
これは当然の結果なのです。
ただわかってはいるが、
仙骨や尾骨。
死に至るほどの危険がある骨です。
これほどリスクが大きな、
施術家として触れたくない施術部位はありません。
リスクの内容を知っているから
直接仙骨に、尾骨に、ダメージを加えるタップの仕方はしませんし、
それと同時にその周囲の筋肉や靭帯に触るのもどれほど怖いものか。。。
神経の使い過ぎで厳しい状況にもなりますが、
これは逆に申せば、素人が解き方の知識なく触れる質のものではない。
不用意なことをすれば、惨憺たる結果が待っています。
そうならないための工夫や理解がなければ触るべきではない。
ほんと、臀部のシコリとは。
股関節部分を含み骨盤底筋に関わり、仙腸関節に関係している。
これほどまでに重要な体の支えなり呼吸の中枢となって多層化して複雑に入り組んでいる筋肉の群れる部分は他にあるのだろうか?
まずもって、私にはそれは見当たらないです。
それにものすごいシコリの厚みが分厚くなり、
まさに筋肉が骨に化ける代表格の場所ですから。
一般の方には解こうとしても歯が立たないはず。
それに骨に化けているところを骨と勘違いする。
それは施術者でさえも、ときおり化かされるほどなので。。
それゆえに、これほど臨機応変さと知能指数を試される部位もありません。
それにも増して、これほど解くのに重労働の必須な場所はないですからね。
日々、更により理想に近づけるよう知恵を絞り試行錯誤をしつづけてます。
その延長線上に、尾骨の歪みを作り出した筋肉や靭帯がうまいこと緩ますことがかなったのでしょう。
この作業を行うために、ぶれを押さえ精度をあげ、
一定以上のパワーを持った透明な圧をかけること。
その工夫ができて、はじめて理詰めで考えた通りの結果を得られました。
理詰めで考えついてみたところで、技術がなければ救えない。
それはお客様もですが、私自身の苛立ちや悲しみもです。
まさに地道に自分の可能性を信じて伸ばしてきて、よかった。
ただこの圧を取り出すのに、いまだに苦労がたえませんので、
研究を深め体裁きを進化させられるかどうかです。
結局は、今のところ、この圧は私の個人技で終わりそうです。
私は今、少し施術を教えさせていただいている人がいますが、
こんなにつらい施術法は覚えてほしいとは思えません。
あまり私がさせていただいたような方法で尾骨の歪みをリリースした例は、
私の調べた範囲ではありますがネット上や友人の施術者から聞くことができませんでした。
私自身、理詰めではそうなるはずだと確信してはいたが、
他でやっておられるという情報がなくて、
多少『それってどういうことなのだろう?』と感じて、暗中模索状態でやってきました。
ということで、
他の施術をなさる先生方も、
尾骨を矯正する方法として、
臀部の主要筋を深部まで解き、
仙尾関節や尾骨に関係する関連筋や靭帯を緩めること。
そして呼吸器関係の胸郭を緩め腰椎を伸ばせるようリリースして立ち方が自然体にできるまでやる。
それで、尾骨に直接的な圧をかけずに緩み出すことも可能であるということもあることをお伝えしたくて。
私以上に解剖学に施術技術に精通している先生方がそのような発想で研究していただければ、
さらに短期間で大きなやり方の進展もあるのでしょう。
まだ、私の場合、このような例は、
私の圧のかけ方が最近、ようやくヨチヨチ歩きから、
もうちょっとよくなってきてくれたおかげで、
それで成り立てられたものなのでわずか2例ほどでしかないのです。
そんな数少ない例で大きな口を叩くんじゃないといわれそうですが。
ですが、私にはたった二例ではなく、
紳士淑女がお一人ずつ、
以前に比べて生活がしやすくなってくれた。
そんな最高の出来事です。