書籍紹介:『内なるデーモンを育む』

先日、神保町の三省堂に立ち寄り心理学の棚を目を通していたとき。


立ち読みをした段階では、
2500円でちょっと高いなぁと思いつつも、珍しく衝動買いをしてしまいました。



内なるデーモンを育む 心の葛藤を解消する「5つのステップ」


こちらの本の冒頭に、
チベットの偉大なヨーガ行者 ミラレバという人物が書いた
ひとつの詩のような文章が掲載されていた。



     悪意を持った男女のデーモンたち
     それらは無数のトラブルや妨害を作り出し
     ひとが悟りに至るまでは、まるで実在しているかに見える。
     しかし彼らのありのままの姿を理解したならば、
     彼らは守護神となり、
     また、彼らの救済と援助によって
     ひとは数多くのことを成し遂げるのである。



人は自分の内側にデーモンと呼んでふさわしいような存在を感じるときがある。


これは私が勝手に考えて喩え話ですが、
道端に人が倒れていたとしましょう。
とっさに助けに行こうとしている勇敢な自分がいる。
だが内側のデーモンのような自我は次のようにいう。
多くの人がいるから自分が助けなくても大丈夫だと。
こころのなかのもうひとりの自分がつぶやいている。



即座に助け出そうとする一人の自分。
厄介さを感じたり、
人付き合いを敬遠したい気持ちから怖気づいて知らんぷりするもう一人の自分。


そのような二人の自分が内側で主張し合えば葛藤を起こしてしまうわけです。




では、どうしたらいいのだろう。




悪魔(デーモン)のような判断をさせようとする自我をみつけだす。
それに名づけて人格を与え、何を必要としているかを尋ねてみます。
それからデーモンを育み、仲間と呼べるものへと迎え入れてみよう。


するといつしかデーモンから守護神のような活躍をする存在へ転化していく。
自分の成長を助けてくれる存在になるのです。



そして本の帯に、
慢性の身体疾患や心の病気が癒されるとあり、
確かに内なるデーモンが慢性疾患を創造することはありえるだろうなと妙に納得してしまったら、
いつの間にか買うしかなさそうな気がしてきて。


また『デーモンを排除するのではなく、姿形を与えて育む』という発想は、
なんだか認知行動療法を勉強していたときには、思いつきもしないことで、
非常に面白く興味深いものとして目に映りました。


それに内なるデーモンという実体のない物質でもないものに対し、
積極的な関わりを容易にできるよう姿形を与えるというところが、
身体感覚を鋭敏にさせ気づきを増すために大きく役立ちそうです。


私がおそわったコーチングスクールでは、
仮想体験を描いて状況を味わい、そこから感じるものや気づきを取り出して活かすという教えがメイン。


そんなところからもつながるものを感じられて、、、。


ただ、読み進めると、『デーモン』という不吉で凶悪な自己破壊的な象徴を称した意味がわかってきて。
思った以上にハードな具体的な事例が語られていました。


ですがそれゆえに
もしそんなデーモンが自己破壊を取りやめ、
なかまになってくれた暁には、
自己成長を手伝い始める守護神にも天使にもなってくれそう。
それも、どれほどまでに強力な創造的作用を及ぼすものか。



そこを考えると、ゾクゾクっとしました。


まだ完読してないんですが、
衝撃的な本との出会いという感じでした。 ^-^


こういうのも独自のコーチングにも取り入れられればと夢想しますね。