自作てい鍼と邪気のリリース


私が自作てい鍼を用いたとき。


一番最初にイメージして思い出したことがあった。


筋膜の癒着が進んだ部分の皮下組織には『瘀血(おけつ)』と呼ばれる
体内の筋膜同士を仕切りなめらかに滑らせる潤滑油が枯渇し酸化しだす。
潤滑油の働きが劣化して筋膜同士が粘りだせば、
サクサクとサラサラと動く感じが消えていきます。




そのような状態が起こる部位の一部に、
興味深い状態が観察することができた。


そのような瘀血が生じている部位の周囲や同位置には、
電気信号が正常にいかせられなくなるようなバランスの乱れが生じている。


それを患部の下に「邪気」があるという場合がある。
活性化した状態とは遠くなった肉体組織の周囲に手をかざしたり接触をすると、
訓練を積んだ手先では鋭敏に違和感をその場に感じ取るようになる。


ときとして肉体という温かみのある状態のはずの部分からヒンヤリした凍てつく冷たさを感じる。
ときとして血が内側でうっ滞しているようなほてってのぼせるような部位に感じられたり。
そればかりではなく、患部に接触することで接触者のエネルギーを持っていかれる感じを受ける。


邪気についての詳しい本には、私が好きな本に、下記があります。

邪気論―見えない身体への一歩


著者は鍼灸院を営んでいた方だそうです。
こちらは私には興味深い内容が多くて、
注意深く邪気との接触を回避するような工夫をするときの参考にさせていただいておりました。



体の表面上では異変や邪気の内在については目に見えないのだが
強烈な陰に傾き生気を奪う場合は、長年施術をしているものが見逃すはずはありません。


私も、その内側にある邪気をどのように対処すべきか。
実際、下手な手出しの仕方をしていけば、施術者の手は冷たく冷えきって、やがて生命力が枯渇しだす。
そのような危機をむかえることがあります。


私自身、かつて長らく休業を余儀なくされた時がありましたが、
多くは自らの身体操作の未熟さ等が第一義的問題でありましたが、
それに負けないほどの邪気の影響を受け取りやすい体質でもあったようで。。。
というか、、、現在進行形で、そうであるのですが。 
自分の体質が感受性の高さから影響を他者から受け取りやすいもので仕方ありません。


私がここ数年の間、施術のときに患部の位置を正確に見極めるためにお客様の患部に手を接触する以外は、
あまりお客様の体に触れることがなくなったというのも、
実は邪気の影響を直接施術者自身の内側に取り入れないようにするという目的があります。



施術での圧を手で患部に直接か、
または衣服越しでかけたときにどっと内側に邪気が入り込む感覚があります。
施術者の私自身の気を流していく意識を用いてリリースをしようという場合。
コリにより気の栄養不足となったお客様の硬化した筋部分に
電気的か磁気的かは正確にはわかりかねますが、
一種のエネルギーを補完的に補充するようなやり取りを行なっているのです。


だからお客様の体のボディチェックをするときに
体の中の硬化した部分を確認するという場合のみに限定していました。
その際には「気枯れ」という邪気という栄養不足の組織が気を満たされずに
他から気を補充しようとする作用による影響をうけづらい状態でした。


私が独自に編み出して行なっている
ブロックを挟んで圧をかける方法では、
気を抜かれる感覚があまりありません。


ちなみに邪気というものについて私が感じた個人的な感触では、
邪気の電気的なネガティブな気の影響は、
磁気に似た数センチやそれ以上の間を開けても
強力なネオジム磁石同士だったら距離があっても影響し合えるのだが。
邪気に意識を合わせて、その影響範囲のフィールドに入ると、
数十センチの距離を離れていたとしても、
確実に気を抜かれていくような気がする。


自作の重量感あるブロックを利用してずり圧をかけるときは、
そのブロックにつかわれているものは伊勢ゴロタや姫川薬石、麦飯石等の力ある石。
これらの石が私とお客様の間に挟まれると
邪気のやり取りをしなくてしむことに気づきました。



ちなみに、
健康だと自覚している人でさえも、
瘀血や邪気が内側に潜んでいる人がほとんどのように感じています。
その量の大小により、施術を受けていただいたほうがいいのか、
それとも自らストレッチやセルフマッサージでいいとすべきか、
アドバイスを変えることもでてきます。
職業柄、私はそのような邪気の場所や影響範囲を見抜くのは得意だと思います。


だからもちろん私にも特定部位に邪気がずいぶん蓄積しているが奥まってしまい処理に困るエリアがあって、
瞑想や運動によるエクササイズをすることでも邪気を低減させる。
そのような意識で一生懸命対処していこうとしているわけです。
ただ、、、がんばってもまったく抜けてくれない内側に引っかかりっぱなしの厄介な部分があります。
瘀血については、
それは筋膜リリースをする過程で、
筋膜と筋膜の間に挟まれた滞留したまま古く劣化した潤滑油を筋膜リリースで
本来処分するためのルートへと流し去り排泄させることができるのですが。。。


邪気は、どうも意思や意識があるかのようで、
ここにいたと見つけて狙えば、その様子に気づき狙いをかわそうとしてくる。
攻撃されそうならその場を移動してみたり、
他の部位に痛みを生じさせて気を惹きつけようとする。
まるでネズミとの闘争のような感じですね。


そんな厄介なところもあるのですが、
実は私自身が自作したてい鍼で自分で徹底的に使用感や起こる現象を追っていたとき。


このネズミとの闘争が自作てい鍼で狙いを定めると、
それほど大胆に邪気に逃げられることなく体外に出せるような感触を得ることができた。


繰り返し繰り返し日を追って自作てい鍼で圧をかけるアプローチをしていくうちに
「そういえば、自身の内側にある邪気が抜けてきているぞ」と気付きました。


調子が良い反面、体が新たなシーンを迎えたかのように敏感さが増してきて、
体調的には自ら内側のアラ探しをしだして改善の苦しみを感じ始めていった。



そこまではよかったのだが、
実は施術で自作てい鍼を使いだすと、
お客様の内側にあった邪気に大きな動きが出てきて、
私自身の体に強力過ぎる影響が出始めた。


それが先月のはじめ頃に私が意識がずいぶん朦朧とする手前まで来た体調の不調理由だったのです。


邪気とは本来あるべき活性化した気が失せて硬直酸化した気が枯れた部分です。
その気が枯れた状態を、
自作てい鍼で患部を軽くこすることで
施術者の私の気がお客様の患部に流れだし、
足りなくなっている気を補うことになっていたのです。


するとそのようなアプローチを日に幾度も繰り返せば、
どうなってしまうものか。


実は、以前、幾度も一年以上仕事ができなくなり休業をせざるを得ない状況に体が陥ったとき。
体重が激減して体がやせ衰えてきたというのも、邪気との戦いに敗れた結果でした。
2度ほど、真面目な話ですが、自らの脈を見て。
「やばい、脈が整いすぎる状態になった・・・」という死脈という命が無くなる前の脈が出たり。
多くの負けを経験してきたわけです。


それもあって、重量感あるブロックを施術で使うようにして、
お客様の体に圧をかけるために触るという選択をこっそりと回避する施策を採用するようにした。


そのおかげで、一昨年前にも、またまた体調を崩して休業した時があったのだが、
その際には長年に渡りごひいきにしていただけていたお客様が私が半年ほどで施術を再開したとき、
「あらぁ〜。どうしたの?今回は復活が早いじゃない」とおっしゃっていただけました。 ^-^;


ひとつ1〜3キロもある重量ブロックを数十も使うことで施術をしてきたので、
私の筋肉にかかる負担は信じられないほど膨れ上がったわけですが、
実は邪気を受け取ることがないような手立てをとっていたため。
肉体疲労の極度な状態ではあったのですが、
気枯れはしていないですんでいた。
単に肉体が蝕まれるだけでしたし。


自らの気を削がれ、
精神がガタガタになるほどまでではなかった。
気枯れした例年でしたら、
うつに近い状態にまで追い込まれましたから。
それがまたつらかったですよ〜。


かつて気枯れが起きたときには、
そのストレスは脳髄を守れなくなり、
内臓部分の自身の潜在的に弱いウィークポイント部分が病んでいくようだ。
かつて、気枯れがひどく激ヤセしたときには骨格筋のコリよりも内臓部分に潜んだ不安を察知していて、
そちらの不安感のほうが差し迫ったものであった。


まさに家族に、そしてお客様にも迷惑をかけて、
恥を忍んで長期休業をさせていただけたため
どうにか生き残れたのです。。。



実は、、、
今回、自作てい鍼を通してお客様の邪気、
つまり陰に傾いた生命感を失い栄養不足となった気を私が補うことで施術成果を出すというものでして。
その作業が自作てい鍼を使って軽くこするというところの水面下では起きています。


やはり案の定、邪気が抜けた後のお客様の体の状態は、
大きく成果が現れていました。
それはここ最近になって、前回、自作てい鍼を使って邪気部分の気が補われた後に体調の安定度が
飛躍したお客様の人数が多くて。。。


改めて邪気を抜くことの重要性を実感しました。


ただ、、、
かつて、幾度も体験し苦湯を飲んだ危険な状態ですから、
どのような意味がそこに暗喩されたものかはわかります。
やはりかつて体験したときの肉体を削がれるもの以外の、
その奥の部分が削り取られるきな臭いものを感じました。


無論、そのまま気枯れをするままに
手をこまねいて対策をとらないわけではありません。


自作てい鍼を使う際に
夢で見て得たヒントで
自作てい鍼を鹿革で包めば、
私自身に気枯れへのダメージを与える量が1/4ほどは軽減するのだとわかりました。



他にも、
気枯れを補うための対策をプロとして必死にしてまいりまして。
荒唐無稽なやり方でも可能性があれば、
緻密に計算してとりいれていくように。



自作てい鍼という「てい鍼」というイメージを取り除いて、
真鍮製のただのマッサージ棒ですという意識に私の脳内回路をすげ替えれば、
これほどの邪気との格闘はすっぱりなくせると思います。
でもそこは登らずに、新しく創った生み出したものを潰したくないですよね。


まだまだ気枯れ対策のほうは攻めていかねばならないのですが、
今回の自作てい鍼を使わせていただくことも手伝って変化してきた成果を観て感じれば。



そしてお客様の姿や笑顔を見れば、
特に長年通っていただけているお客様の最終講としての仕上げになったかのようにも勝手に感じていて、
それがかなえられて本当によかったなぁと感じています。


今の現実を逃げないで、諦めないでいくようにするのも、悪い話じゃないと思えている。