体の使い方の中心から末端へという法則が大事だなという簡単な実験。
(a) 両者が向かい合い、両手を前に出して手を合わせる姿勢を取ります。
その状態で「手の力だけで、こちらを力強く押してみてくださいませんか?」
とお願いをします。
(b)すると、ふたつの状況が起こります。
中心から末端へという流れで体を使えていない人は【2】へ。
中心から末端へという流れで体を使えている人は【3】になります。
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この腕力を発揮できるかどうかは
筋力があるかないかの問題ではありません。
それは相当に筋肉隆々の人でも、中心から末端へという流れが表現できていなければ【2】の、
頑張って押しているのに力が発揮できなくて悩みます。
もちろん筋力不足で私が押せないわけではないのです。
ただ末端部分だけの操作で力を発揮させようとしたからです。
だからちょっと体の中心から末端へと身体部位を連携させて連続した動きを教えれば、
「ドゴーン!」と相手が吹き飛ばされてしまうわけです。
それに対して「筋力が私はなくって・・・」という方でも、
中心から末端へという流れで身体操作ができていれば【3】の、
「ドゴーン!!!」といういう力で弾き飛ばしてきます。
自分は非力だからと思っていたお客様とこちらをトライしたら、
私が重心を奪われてあわや背後にある柱に頭を打ちそうに。。。
本人は力がないという自覚があるからナチュラルに言われた通りの体の操作をしたら、
なんとなく私が立っていられなくなって後方へと「わぁぉっ!」とバランスを崩して、
あわやというときがありました。 ^-^;
ポイントは、
脊椎を中心として付着点を持つ筋肉部分からの動きを、
どう最初に作り出していくよう努めるか。
手で言えば、たとえば、ひとつのルートを仮想的に挙げるとすれば、
菱形筋を伸長させ、
肩甲骨の動きを誇張させ、
上腕三頭筋を伸長させて、
尺骨側の筋を伸ばす。
そのような手順です。
もちろんこれは手の使い方のバリエーションのひとつで、
工夫次第ではさらに応用例は増えるでしょう。
ただこの使い方が一番伝えるのにシンプルで、
了解していただきやすいようです。
ただやっぱり動き自体は、直伝で伝えないと、
うまくはポイントが伝わらないようですので、
施術を受けているお客様のなかで
この遊びのような手の操作の実験を受けたことがないなぁという方がいたら、
ぜひ、施術においでいただいた際におっしゃってくださいね。
うまくその操作ができるものがファシリテーター的に伝えようとすると、
難なく「あっ、面白いじゃん!」となるようですから。
文字で書くだけでは、体使いの専門知識がないと難しいかもしれませんが、
バレエやダンス、武道等をなさっておられる方々にはピンとくるのでしょう。
また二胡やバイオリンのような弦楽器の演奏をする際に、
弓を動かす際に大きな気づきをえられることもあるようです。
私としては二胡の弓を弾くときの音の強弱の表現や繊細さまで違ってきて、喜んでいます。
二胡は楽譜が読めずに弾けませんが、なんとなく音のなりがよくなっただけでもうれしい。 ^-^
実は、このエクササイズを教えていただいたのは「ロルファーのたちばな」さん。
彼が所有のケトルベルを5分ほど前後に振り続けて肩甲骨の操作をしやすくしてから、
手押しの実験をさせていただいた感じです。
私はケトルベルを持っていなくて、
いくつか自己流にアレンジさせてもらいましたが、
原型はたちばなさんが【腰 痛 ─エビデンスに基づく予防とリハビリテーション─【原著第3版】〔Web 動画つき〕】の本から持ってきてくれたエクササイズにあります。
たちばなさんが所有しているその本を、
ちらっとみせていただいたら、
丁寧に読み込んでいると思えし付箋やアンダーラインがびっしり。
私もたちばなさんのブログを再度確認してから本を購入してみたんですが、
読み進めるにはハードルが高いと体感上感じている時期です。
今後、こちらの本を刺激的な本として読める日がくることを期待しています。
やはり、本を読む際には、何をそこに求めているかということを脳に明記してからでなければ、
表面上の字面を追うだけの砂をかむほどのつぎはぎだらけの浅い理解に留まるものです。
目的や目標が明確になっていないから読み込む取り組みにエネルギーが湧いていないのでしょう。
そこの点は自覚的に反省したほうがいいと思っています。
たちばなさんのセッションから、いい感じの刺激を受けて、
それを遣唐使が唐から日本へ持ってきて伝えたような感じ。
そのような出処でありました。 ^-^ 多謝。