「てい鍼」についての考察


「てい鍼って、どうして刺す感じの怖いくらいの痛みがでるのかなぁ」
そんな、疑問を持たれる人も多くおられるようです。


10センチのハニカムてい鍼.jpg


上記が私が削った自作のてい鍼です。
真鍮を削り磨いて整形しました。


施術中では直径3センチの太めの自作てい鍼ばかり使っていますが、
こちらの直径2センチ程度のものも、
私用で大活躍をしてくれています。



使用法としては。
てい鍼を経絡のツボに当てたり、軽擦をする。
ときには二本のてい鍼を使いあて、経絡線のなかのエネルギーの流れを促進させることも。


すると虚といわれるようなエネルギー不足の状態の組織箇所に、
てい鍼から生じる電子エネルギーが通電するかのように供給される。
それにより虚の状態から陰陽のバランスを調整してくれるのです。


気血一致とい言葉があり、
血流が悪くなっている部分は気という電気的作用が行き届きません。
その電気的な作用がしづらい状態では神経という電気で動く部分は、
正常に機能していただけない。


だから外部から気という電気的エネルギーを補佐的に供給してあげるのです。


電気的なエネルギーの不足した神経の働きが悪くなっていたときの筋肉。
脳からは「そこの筋肉を今は使ってないから緩めてもいいときだよ!」
という筋緊張を解くメッセージが出続けていた。
それが受け取れずに緊張しっぱなしだった。
硬化し続ける筋肉のひとつのパターンです。


つまり神経系の誤作動で筋緊張が造られたケースですね。


それがてい鍼から気を外部から補助的に与えられて脳からの「筋肉を解いていい時期だよ」
というメッセージを受け付けられる。


すると硬化した筋肉の神経的な誤作用で緊張しっぱなしの拘束状態がリセットされる。
それで筋緊張状態が緩められる。



上記の説明は、
カウンターストレインというオステオパシー系の施術の
リリースに関するイメージをいれてしまっているのです。
勝手にとっちらかるような曲解をするなといわれそうですが、
個人的に両者を使ってみて筋膜の緩み方の類似性を少しずつ感じだしていて。
おそらくそのような相関がありそうだなと。


カウンターストレインでは、どのような感じでゆるめるものなのか。
いつもの状態では血流が途中で神経が十分には働けないほどに制限されている状態にまで減少。
そのような状態で、脳から筋肉を緩めてもいいというメッセージが届かない人になっている。
それが元で緊張しっぱなしの筋肉を緩められなくなっている場合。


筋緊張をさなさいという神経メッセージを脳から受け取った状態のまま、
脳からのメッセージが届かなくなると、
最後のメッセージに従い続けるしかなくなる。
それがデフォルト。


過緊張な筋肉をゆっくりと適宜更に縮めた状態にしていくことで、
一時的に血流が悪くなってしまった血管が圧迫され血流が抑制された状況から脱出させてしまう。


すると気血で言えば、血の通りをよくして血液が気(電子)を運んでくれたおかげで
脳からの「筋緊張を解こうね」というメッセージが出ていたことを悟る。。。


というような血の流れを回復させて脳と患部の筋緊張部分との神経的なやり取りを回復させていく。


カウンターストレインでは、血を捉えその流れを改善させていくのに対し、
てい鍼では、気(電気)を捉えてその補充により改善を促していく。
どちらも脳と患部との神経メッセージの正常なやり取りを復活させるという点で、
似てるなぁと思います。




ちょっと横道にそれましたね。
てい鍼の話に戻しましょう。


たとえば、息苦しかったりアレルギーがあったりする人。
胸の前の部分にある骨、胸骨部分にてい鍼を軽く当てる。
両方の乳頭の高さを結んだ中央の位置にあるツボの壇中あたりに当てれば、
飛び上がるほど痛みを感じる人もいるんです。


ときにはあまりにも症状が進みすぎていると、
それでさえも「無痛」という人もいるのです。
その場合は体質的に虚の状態が強すぎて大変な状態ということです。
このときは体質的に血のにごりが深くて変えていくことが大変に時間がかかるものでしょう。


壇中部分に陰陽のバランスがよくとれていれば、
さっぱりと痛みなどは感じない。
ただ物をちょっと軽くあてられている程度です。
反応は特に無し。



痛覚を利用した個人の感覚を用いたものですが、
てい鍼をツボに押し当てたときに、
反応が状態を察知できる情報になる。




ただ電子エネルギーが・・・といわれても、
「ほんとに?」といわれそうです。
私も本当かどうかどうにか実証できないものかなと思って、
いろいろ考えてみたんです。


木綿等のタオルや布等通電できるものを体の患部の上に乗せててい鍼を近づけてみると、
なんだかいやぁ〜〜な痛みが、目打ちでズンッと突き刺すような感触の痛みを感じられる。


それがアルミホイルを30センチほど切り、
それを広げた状態で患部の上に乗せて先ほどの要領でてい鍼を近づけてみても、
別段、神経に鋭く刺すような痛みは感じられないんです。
ただ単にものを押し当てられているだけ。


てい鍼としての機能が発揮できず、反応がなんらおきてはくれていない感じだ。


アルミホイルの持つ、
電磁波のような電子的な流れを遮蔽する性質により起こることか。
または電子がてい鍼から照射されたものがアルミホイルに届いた時点で、
アルミホイル全体に電子が広がってしまって患部へ届く影響が低下したためか。


理由までは調査してませんが、確かに。



また神経系の状態を改善させていくためには、
末梢神経の集まる手先や足先などをてい鍼でちょい痛い程度、
日頃から刺激して置くようにするといいでしょう。
それで全身の神経系の流れが促進されることでしょう。
非常に効率がいい健康法のひとつだといえます。




ただ筋膜系の硬化が神経メッセージの筋肉を緩めよというメッセージからきたものではなく、
すでに慢性化した筋膜系のコリが筋膜組織を骨化させている場合。
その場合は、変更される箇所が筋膜組織の骨化された意外部分のみに成果はとどまるので、
改善率は薄いため戻りが早く現れます。
組織の凝りがきつい場合には、
てい鍼では成果が不十分です。


ただ私のような筋膜リリースをするような施術をする場で、
ある程度しっかりと筋肉を緩めていかれた方には、
かなりてい鍼を活かして改善を試みている人もおられますので。


ボディワイズにお通いのお客様は特にセルフワークとしてのツールとして、
てい鍼を自作して使ってみるのもいいのかと思います。 ^-^





ちなみにてい鍼含め、他のさまざまな鍼についての解説は、詳細は、下記に詳しく載ってます! ^-^

ビジュアルでわかる九鍼実技解説 ~九鍼の歴史から治療の実際まで~