書籍紹介:『動きが脳を変える──活力と変化を生みだすニューロ・ムーブメント』


先日、フェルデンクライスメソッドを日頃の身体操作の向上のため取り入れているお客様から、
貴重な本をいただきました!
SS様、ありがとうございます!!!



「鈴木さん(←私のこと)、フェルデンクライス・メソッドのようなすばらしくわかりやすい本が出ていたって知っていますか?」


SS様は私以上にフェルデンクライス・メソッドに詳しく体験なさり研究なさっている方です。
それに吟味し通り一遍の内容で深みのないものに対しては良好な推奨をなさる方ではありません。
そのような御仁であることを熟知しておりますので、


写真つきでフェルデンクライス・メソッドの動きを紹介するものもあったのですが、
おそらくそちらに反応なさるわけはないと思っていました。


「えっ、新たに何か出ていたのだろうか。。。」


そう思っているときに、
本を手渡していただきました。


すると私もアマゾンの書籍紹介を見て、なんとなくフェルデンクライス・メソッドのような印象を持った本でした。
しかしニューロ・ムーブメントと紹介されていたので、
後日書店で内容かを調べなければと思っていたものでした。




動きが脳を変える──活力と変化を生みだすニューロ・ムーブメント

■---------------------------------------------------------------------------■

内容紹介
あなたが変化できる力は、想像よりはるかに大きい──
穏やかな動きで脳を目覚めさせる、ニューロ・ムーブメント入門。


心身に強さとしなやかさを。明晰な思考と鮮やかな感覚を。
指揮者・演奏家・スポーツトレーナーも実践する
「脳の可塑性」を引きだすメソッドを日本初公開!


基本的な身体の動きとそこへの意識の向け方で、
いくつになっても新しい神経回路はつくられる。
低調感を払拭し、活力へとつなげるためのレッスンを
豊富なイラストとともに。


●本書は、素晴らしい結果を生みだす脳の可塑性に
アクセスする方法を教えてくれる。
──ノーマン・ドイジ(『脳はいかに治癒をもたらすか』著者、精神科医)


●これはあなたの能力を向上させるための、強力で実践的な戦略だ。
──マイケル・マーゼニック(脳科学者、UCSF名誉教授)


●私が脳卒中から生還したときに用いた方法と同じ原理を、
アナットは応用している。彼女は動きと脳の変化を理解している。
──ジル・ボルト・テイラー(『奇跡の脳』著者、脳科学者)
■---------------------------------------------------------------------------■




ぱっと見開いたところで、
脳に描きこまれた動きの質をチェンジしてくれるポイントが、
とてもわかりやすい表現で語られていました。


おそらくSS様ならば、すでにご存知の内容がほとんどなのでしょう。


ですが「この本、質のいい動きに変えるための解説がいいですね〜。
わかりやすさが秀でていて脳内の整理ができるんですよ!!」


そのような言葉が、こちらの本のページをめくればめくるほど伝わってきます。


『フェルデンクライス身体訓練法』という、モーシェ・フェルデンクライス博士が書いた本も、
目からうろこが落ちる動きのバリエーションを増やし身体操作を改めて開拓するものでしたが。
とても語り口が科学者らしいものでした。


それはそれで敬意を払うべき思いで読ませていただきましたが、
動きが脳を変える──活力と変化を生みだすニューロ・ムーブメントは、
動き方をどう優れたバリエーションを手に入れるかについて初学者でも肩がこらずに読めてしまう本。


フェルデンクライス身体訓練法の本について、
今の身体のコリを作る動きを断ち切るための武器になるからと読むようにお客様に勧めることが多々あったのですが。
ほとんどの方が、読み進めるのも難しく、難解さが印象として中身の理解を妨げられたようだという声を聞きました。



私としては動きが脳を変える──活力と変化を生みだすニューロ・ムーブメントでしたら、
難しい内容も小見出しを見るだけで、
「へー、そういうものなんですね」と思えるもので、
頭に入っていきやすい。
それは今まで動き方のポイントを言葉で表現したかったところが、
自身の理解が浅く最適な言語も見つけられなくてもどかしいときがあった。
そのようなところを大幅に補っていただけるような適切で伝わりやすい表現で伝えてくれていることも印象がいい。




それに紹介してあるレッスンが9つのみで、フェルデンクライスメソッドの他の実践本を見ると少なくも感じられたが。
初めて動きの研究に取り組む人にとって、
エクササイズの紹介量が多すぎるとそれ自体がプレッシャーになってしまうこともあって、そのような心配もない。
レッスン内容上の動きのようすは写真以上に私には見やすい手書きイラストで伝えてくれてわかりいい。


身体が緊張したままの状態を解くことができるという人は、
自分の身体の緊張具合を自ら具体的に感じ取れるという人。


そのような方が、真剣にこの本のページを繰り返し目にすれば、
それだけで自分の身体状況を省みることとなり、
自身の動きや姿勢の常識を結果的に認識を改めさせてくれるだろう。


とてもすばらしい本ですね。