脈診技術は、中医学の幾多の本に支えられて生きるもの。

数日前、補講として「脈診講座」の2回目を受けました。

受講した脈診講座は10回の講座ですが、
私はタイミング悪く途中の3回目からお世話になりました。
初回に実技があったらしく脈の取り方を教えられずに、
浮脈と沈脈の脈理についての座学講義でした。


そのとき、、、ほぼほぼちんぷんかんぷんで、
場違いなところに来てしまったと焦りました。

 

一応、講座の受講前にノートにテキストを頭に入れようと脈理の表を丁寧に書き写していました。

内容は消化できなくとも作業で手を動かしていくようにして、
頭の理解度は、後からついてきてくれればと思っていたので。

ただ他の受講生の方の質問の仕方を耳にしたところ、
それではまったく追いついていかないどころか、
見当違いのことをしているのではと感じました。

 


そして数日前に補講をしていただくこととなり、
実技の脈診の仕方を教えていただきました。


6ステップで観ていく感じでした。


脈診について、橈骨動脈の走行についてイメージがつくとわかりやすいものです。

1ステップ。
橈骨の手首あたりの出っ張りを探し出し、その部分に中指で「関上」という橈骨動脈部を捉えます。
指先の爪近くというより、もう少し後ろ当たりで接触します。
指先の骨部分は返しのある針のような形状をしております。
その針の返しがあるほうで橈骨動脈を捉える感じです。

 

2ステップ。
次に人差し指で「寸口」という部分を探ります。
ちょうど手首部分に数本の濃いもの薄いもの濃いもののような手首線があるのですが、
薄い線上に寸口はあります。
ただ、割合としては少ないのですが橈骨動脈が手首背面へと回り込む量が多いという体質の人もいます。
そうなると「寸口がありません!」ということになりますが、
それは寸口の脈が取れない不健康な人というものではありません。

 

3ステップ。
次に薬指で「尺中」を橈骨動脈部分で探ります。
この部分は橈骨動脈が奥まったところに走行しています。
なのでちょっと押さえる力加減に工夫が必要です。

 

ちなみに3本の指を置く位置を詰めるとか開けるとかですが、
身体が小さい人の脈をみるときは、3本の指を狭めることに。
身体が大きい人で脈をみるならば、3本の指の間隔を開ける感じにします。

 

4ステップ。
まずは「浮脈」というかるーく皮膚の表面あたりに接触する状態です。
初心者はついつい力を入れてしまいやすい。

それで私もなんども注意されました。 ^-^;

 


5ステップ。
あとは「中脈」といって橈骨動脈に3本の指先を接触させるようにする取り方です。
皮膚や脂肪をかき分けて垂直に指先を押し付けていくと橈骨動脈がでてきます。
やり方は、3本の指を意識するというよりも、
手首から軽く折り曲げて伸ばしてを繰り返す。
それを数度も繰り返せば指先が橈骨動脈にフィットしだします。
ただ尺中だけは、他の押さえる部分よりも奥まった部位にあるため、
この部位を見つけるのは難しいような気がします。


6ステップ。
そしてこの「中脈」の手の押さえのまま、
もちょっと押し込むのが「沈脈」ですね。

 


「中脈」をとるときに、後で気づいたのですが。
合気の手の内を作っておこなうととてもやりやすくなるようですね。
浮脈をとるときも、この合気の手の内を作り出すようにするのです。

 


・・・という、脈をとるためのノウハウも教えていただきました。

実際に手を取ってもらって当ててもらったり、
手を当てさせていただいて修正部分を指摘してもらえると、
「<strong>こういうものなのか!</strong>」という実感を体験的に得られる。


いつぞやに、脈の取り方を鍼灸師の友人に習ったやり方とは違っていたが、
それは今回の解剖的にわかりやすい解説をいただいてからなので、
「<strong>これでいいんだ!</strong>」というような納得感がありました。

体験させていただくとわかりやすい。
習ってから、思い出すたびにやってみています。
脈を取りながら電車で腰をかけているのも怪しい感じでしょうが。

 

 

脈診を教えていただいている先生の口からは、

脈診の位置づけは、
「 望診→聞診→問診→切診 」という流れの中の最後の切診のパートにあるもので、
その前にする望診・聞診・問診などの中医学の診断法にて判断された状態を確認するのが脈診ですよ、というお話です。
つまり、望診・聞診・問診で得た判断が正しいかどうかを切診のうちの脈診でチェックするというものだといいます。


すると、、、望診・聞診・問診の脈診に至るまでのプロセス、
原理原則そして原典を探らなければ、話にならないのですね。

 

中医学の基礎を習得することは必須だということでしょう。

 

 

そして先日、たまたま<strong>とある漢方薬局</strong>にいくと、
月一度、勉強会が開催されているといいます。


内容は「素問、傷寒論金匱要略と脈診」です。

こちらの漢方薬局では日々お客様を的確に判断なさって漢方の処方をしておられます。
おぉ、、、脈診がこの位置にあるというのかということで、
中医学の基礎が整えられた際には
中医学の古典と呼ばれる素問、傷寒論金匱要略を学ぶことへとステップアップなされるとのことで、
実践的な学びへとつながるわけですね。。


素問は、先日、黄帝内経の問答のようなことで、広く中医学や他のベースが解説されています。
傷寒論金匱要略中医学上の病理学概要と病理学各論のような専門書と言えるのかもしれません。

そしておそらくこれらの知恵や知識が身に備わってきたときに、
脈診を持って人の身体内部の状況を推し量れる力が付くものなのでしょう。

なるほど、、、脈診を教えてくれている先生が脈診とはというところで、
この技術だけではどうともならないとおっしゃられていた意味が初めて分かったような気がしました。

 

 

となると、脈診を学に際して、付帯的に素問や傷寒論金匱要略などの知識があらねばならないなら、
ちょっと脈診講座に通って脈がとれるようにという安易さを想像していた私が恥ずかしくなりますね。


要するに、この「脈診」を活用するということは「素問、傷寒論金匱要略」が理解できているということなんですね。


すでに中医学に精通なさっておられる先生や鍼灸師の脈診講座に通う方々には、
そこは別に普通すぎることで、そこで悩めることでもなかったのでしょう。


そうだと知って、ようやく納得ができました。


なーんだ。
そうだったんだねと思いつつ。
「大きな山が目の前にあらわれたぞ」という感じです。
でも少しずつでも登り続ければ、
いずれは山頂にたどり着けるでしょう。
あきらめないこと、発見しつづけること。
その継続力があるかどうかが試されているのでしょう。

 

 

話が、それてすいません。。


私は本来的には筋膜リリースを得意としています。
各種臓器へのアプローチよりも筋膜の癒着による身体操作の制限を緩めたり、血行改善をしていくなど。
筋膜リリースという手を取り、他のところではおこないづらいような器用な対処ができていましたから。
そちらのパートを、得意分野としてやってきました。

ただそれでは未病へのアプローチが不十分だったと、
いわざるをえません。

私には、私の母が症状が出る前の未病のうちに治めることができなかったという後悔は、
生涯にわたって持ち続けることとなるでしょう。

 


母は一部上場の会社で社員でもあったため会社の健康診断も受け続けてきました。
そしてずっと血液検査も受け続けてきましたし、
大きな疾患がみられることなくパスをし続けておりました。。。

ですがやはり全身隈なく検査をしていったわけではないのです。
経済的にも全身隈なくというのは難しいため、
見過ごさざるを得ないところも出てくるわけです。
特に膵臓部分というのは見つかりづらいようですし。。。

そこにも未病で食い止めようという限界があります。

母なりに、一生懸命に医療関係の力を得て今までやってきたのだと思います。
ですが、それでも未病の時点でその芽を摘み取ることができなかったのです。

 

私には、もし母がセカンドオピニオン的に、他のやり方も取り入れて自分の体を検査する習慣を持つことができていたら。
もし未病のうちに母の問題をみつけてくださる先生と関われていたならば救われたのではという思いがあります。
いまさら過ぎ去ったことをと言われそうですが、
できれば私が母の介護中に見続けていた苦痛を、
母以外の同様な症状を持つ方々も味わうものでしょう。

そのような方々が、今後、でて欲しくないという願いを持ちました。
それが、せめてもの母へのおくる私の気持ちとなるでしょう。

それにより、未病を検知するためのやり方に真剣に取り組みたいという気持ちになりました。


ただ私が未病を検知できるエキスパート能力をもっている人になる以前に、
そのような能力を持った方々との出会いを求めて動かなければということ。
そのようにしたほうが時短とともに利他するところも大きいの思いますし。

そこは、狙っています。

 

 


ですが私が、さっぱり未病を扱うという先生方のおっしゃられる言葉を理解できないのでは、
どのような先生方が自分が求めるような先生で、
もし私の施術を受けていただいているお客様に
ご紹介させていただきたいと思える方であるか。

私が納得できる判断が付けられないのです。

 


だから、その意味を持って、
新たな未病への学びを、いま、していかなければと決めて動こうと考えているところです。

 


とりあえず「素問、傷寒論金匱要略」の、平易な本を今日中に書店に行ってみつけてこなければ。。。
昔のような文字ばかりのほんではなくて、イラスト付きのわかりやすいものだけでも手をつけねばと考えています。