お腹を診る下地知識です

中医学診断の<腹診>は「難経」という本では、
腹部の各部位と五臓を割り当てています。

  腹部の位置と五臓の関係(難経).jpg

心臓の状態をチェックする際は、
(心)の部分を「おせばかたくなっているか(=按せば牢くなっているか)、もしくは痛みます」となります。

同様に、
肺臓をチェックするには(肺)の部分を「おせばかたくなっているか、もしくは痛みます」となります。
脾臓をチェックするには(脾)の部分を「おせばかたくなっているか、もしくは痛みます」となります。
肝臓をチェックするには(肝)の部分を「おせばかたくなっているか、もしくは痛みます」となります。
腎臓をチェックするには(腎)の部分を「おせばかたくなっているか、もしくは痛みます」となります。

 

つまり図中の(心)をおしてみたら硬くなっている感じがしたし、痛みを訴えられたとなるとすると、
心臓の状態に不具合があるのかもしれないなと思うということです。

ただ、、、鳩尾の下の部分の(心)をおして硬さがあり痛みがあったとなると、
心下痞硬(しんかひこう)という脾臓や胃に疾患があらわれるというのが主な場合なので、
単純に心臓に問題があると鵜呑みにするというのは性急なときもあるから注意が必要です。

 

またお腹を触ることで、実証または虚証を判断することもあります。

お腹を押してみて、ピンッとくるような弾力があれば<実証>。
お腹を押してみて、ふにゃっとして弾力を感じられないときは<虚証>。

 

 

 

 

専門的な腹診をしたときの症状の呼称を理解するとき。
腹部の位置の名前を覚えておくとわかりやすくなります。
そのための「傷寒論」という本からの規定図を、下に記しておきます。

腹診のときの位置の呼び名.jpg

心下は「みぞおち、胸骨剣状突起の下」
胸脇は「肋骨の下のくぼみ」
胃院は「上腹部」
大腹は「へその上」
臍上(さいじょう)は「へその上」
臍傍(さいぼう)は「へそのまわり」
小腹(しょうふく)は「下腹部」
少腹は「腹直筋で、左右一対になっている」
虚里(きょり)は「左側乳下で第4・5肋間の心尖拍動部分」
脇肋は「腋の下で胆経の流注周辺」