「内因」という感情の制御がうまくいかないことが発症の引き金になる怖さもある

中医学では、

体の外からやってくる問題(外因)として。

寒かったり(寒邪)
暑かったり(暑邪)
湿気ってたり(湿邪)
乾燥しすぎてたり(燥邪)
風が吹いてきたり(風邪)
火がつくほどの異常な暑さ(火邪)

などが「六淫」と呼ばれ、
それらが病気をもたらすといいます。

これらは身体が若く外部状況を察するセンサーがしっかりしていれば、
客観的に気づきやすいですね。
それゆえに注意して対抗しやすくもあります。


それに対して、
体の内から生じる問題(内因)として。
「七情」とよばれる
以下の内的感情が過ぎると、
それもまた身を滅ぼしかねない病気の原因になるといわれています。

怒る(気が上昇)※かっとなる
恐る(気が下降)
喜ぶ(気がゆるむ)
驚く(気が乱れる)※驚いて気が動転する
悲しむ(気が消える)※悲しくて生きる気力も失せた
思う(気はかたまる)※気がふさいだ状態のこと
憂う(気がちぢむ)※気をもむ

 

そのほかにも「不内外因」と呼ばれる、
飲食や疲労、房事不節制、傷をおったり、
虫に食われたり獣に襲われて傷害を被ったり、
毒虫等の毒にやられたりなども病気の原因になるといいます。


たまたま私の知り合いの方で循環器系の問題を抱えて知人がおり、
日頃、体調を整えていくよう気遣っていたものの、
それはおもに上述部分で申せば、外因と不内外因のことでした。

意外に感情にかかわる内因にかかわることには、ほとんど気配りをしておらず、
彼の身に不測の事態が起こったときに驚いて気が動転したといいます。

そのときに脳梗塞という症状があらわれてしまい、
その後の脳梗塞後遺症に現在は立ち向かっておられます。


私の知り合いの脳梗塞になられた方々の話を聞かせていただくと、
器質的に脳内の障害は起こりやすい状態ではあったが、
平素から気を付けて生活を送っているならば不具合を感じたことはないといいます。
しっかり適量の水分補給をし、疲れないように、寒くならないように、汗をかきすぎないように等の、
外因や不内外因といわれるようなところはきっちりと守るようにしていたそうです。

几帳面な性格の方ですから、きっと十分注意深くコントロールなさっていたことでしょう。


ただ内因性の感情のコントロールは、かかりつけ医である西洋医の指摘ではあまりされておらず、
それ以前と変わらないままでしたが。

 


私の知り合いの脳梗塞をなさった方々の6人中5名は、そのようになる前に、
感情の起伏が激しい事態があったと話しておられました。

私は、そのお話を直接お伺いして、
内因が制御不可能となったときの怖さを知りました。

 

目に見えず、センサーで測ることもできない感情の起伏という内因について、
客観視しづらいものですから、できていることだろうと思い込みやすいもの。

そしてこの内因がなければ、そのままの症状がでないままでいけたものを、、、という後悔の念が浮かび上がることがある。


つまり内因の制御ができることも、
病気予防には必要なことなんですね。


するとやはり平素から瞑想や座禅、祈りなど、
自身の内側の仕組みに気づくよう観察する機会を持って生きていくことが大事になるのでしょう。