ベン石を利用した首のしこりの解き方を、レクチャーしました!

昨日、臨時施術の予約受付をさせていただいたお客様の施術でした。

お客様のプライバシーの保護のため、詳細はお話しできません。

ご夫婦で遠方よりご主人が運転なさって一緒においでいただき、
奥様が施術を受けていただいております。

 


あまり不用意なことを申し上げることは差し控えたいのですが。。。


まさに!


「腕(肘を含む)」と「首」のリリースをベン石でおこなう研究をしていますが、
その成果をもっとも披露させていただけるお体の状況のお客様です。

神様がこのお客様を遣わしてくれたと、感謝しております。

 


テニス肘、頚椎のずれ、肩甲骨周囲の関連筋部位、鎖骨、前三角筋・中三角筋と、
左側のみ、筋が以前以上に硬化してパンプアップした状態です。

 

首と肘以外の筋組織には、表層筋部位の硬さが占めているため、
リリースの困難さはさほどなく別にベン石を用いなくても対処できるものです。

表層筋部分は、全身的に「虚を含む陰」という状態です。
骨格構造的に支える力が弱化した部分を深層筋のしこりでカバーしており、
表層筋への血流が多少控えめになっています。

ですがご本人がおっしゃれるように、
以前の状態ほどではないという部分がだいぶ量が増していて、
余裕と安定を感じられる面も部分的にあります。


その安定した部分のあるおかげで、
通常の道具を使わないシンプルな手技だけでも、
骨格部のずれたかみ合わない部分を緩めるだけで、
浅い筋膜の層は緩みそうだということ。

それは施術前の立っていただいたとき、
足の筋の前後の柔らかさを確認して理解できました。

 


ですが大きく違和感を感じるところもあります。
重心が完璧に肩まで登り詰めていたため、
「おや? どうしたのだろう。。。」
と感じて、重心が自身のどこにあるかを質問させていただきました。


自覚的にも、適切な丹田部分にはないのではといわれています。

どうみてもこの肩の左右の肩甲挙筋部分のねじれ具合の差異には、
下半身からの問題があるようです。
肩の高さが左右両方がこれほど持ち上がらせておく条件としては、
みぞおちの硬さが半端ではなくあまり横隔膜が動けず腹式呼吸が困難な状態なことも察しがつきます。

案の定、立っているときに軽くお腹を触らせていただいたとき、腹直筋部分に硬さを感じました。
ただ、後に施術に入って腹部をリリースしたとき。
「これほどまで硬くなっていたのか!」という驚きは、
私も持ちましたが、お客様も目が点になるほどでした。

左側大腰筋の硬さがあまりに強く、
同時にこの大腰筋は内臓の裏にしまわれた位置にある筋にもかかわらず、
腹部の表面にまで硬さがある部位が現れてきているというめずらしさです。
左側の腹直筋の部位と大腰筋部位が重なり合って、
両者が過剰にパンプアップし続けていたため、
腹壁までしこりが頭を外に飛び出すほどに大腰筋が現れているようにみえたのでしょう。


不思議な状態で、私も、、、、見たことがない状況でしたから。

なんで、右利きなのに左大腰筋上部が硬いのか?
左足のつま先側に過剰な重心を乗せ続けなければこれはできない。
(左足中足靭帯がなえて、タコができていたため、左足つま先側に過剰な重心どりをしているのは確かでした)

 

骨と同じかそれ以上の硬さで、お腹の表皮を上に押し上げているしこりですから。
そこまで特別な状態では、さすがに弱い圧で解けるものではありません。
内臓部分がすでにこの硬化して冷えている大腰筋等に癒着が進んで引っ付いている可能性があって、
あまり強い圧をかけたくはない。

それだけではなく内臓部の神経や血管、リンパ管なども、
腹部にある筋の塊が強ければ、他の組織は引き付けられて身動きが取れない。
安全にそこからリリースをしようというとき。
その状態では日々、時間を置かずに施術に足を運んでいただければいいのですが、
そうもいきません。。。


だからといって解かなければ、
左首と左腹部の硬化は縦ラインの一連の深層筋の筋緊張による委縮つながりがあらわれていて。
「左首がどうもつらくてしかたがない」とおっしゃってこられたお客様の期待する対応ができません。


左の大腰筋が硬いという状態が、現状の首の不調等を増す要素になっています。
この左側大腰筋をみたとき、前回施術をさせていただいたときよりも
強く左側の首の筋肉群がパンプアップしていた理由がわかりました。

 

私が想像していたよりも、
左側の緊張の度合いが強すぎて循環器系(心臓)に課題がでてきていたのでしょうか。
左肩甲骨周囲に違和感がというのは、心臓部の負担からもでることがある知覚状態で、
左側胸骨や左肋骨部の硬化拡大し動きを失った状態に苦しさが伝わってきました。。。

そこに気づいたときには、今日、リリースさせていただけてよかったなと思いました。

 

案の定、横隔膜の真下にできた大腰筋のしこりは腹式呼吸をできないよう固定しています。

 


この腹部もかなり熱量をもつベン石温熱器の利用ができたため、
どうにかこうにか解くことができました。。。
この状況も以前の私の施術では、思うような対応できないレベルでした。

やはり道具を使うことって大事なんですね。
その道具を誰よりもうまく使いこなして対応できる状態にすることもです。
道具だけあっても、私と同じ仕事はできないでしょうから、
そこで「やっぱり、あそこにいったほうがよさそうだ」と、
信頼して任せていただけるようにしていきたいと。
研究に多くの時間を費やしていますから。


ただこの大腰筋部分は、ここ最近(といっても数日程度ではない)の状況で日々過剰に負担を強い続けているので炎症が甚だしい。
それに古い状態じゃないから痛覚神経も生き生きしているので、
このお客様でなければ、私も途中でリリースを断念するほどでした。

首筋のリリース以上に、ここは私の心臓に悪い難しいところでした。


そしてお客様が私のところへ施術を受けにきていただいた当初から感じていた部位。
左側の首と肘の部位ですが、その部分は状態の深刻さは自覚通りで硬化と幅のレベルが違っています。
しっかり骨膜に古くなった筋膜組織がきつく癒着しています。
この部分が容易には対処できないもの。

実際に触診すれば、その硬度は骨よりも硬いのです。そして冷たく冷えています。
つまり生気が失われた生命感がそがれた硬さともろさの両面がある状態ですので、
圧のかけ方次第では筋組織はもろさが祟ってちぎれて壊れやすいものです。

以前の私の施術であれば、この悪条件を押して先に進もうとすることもできません。

なぜなら、すでにかなりの筋組織の神経はマヒを起こす深層筋部位ではありますが、
骨の骨膜部分にそれが癒着しており、骨膜の痛覚神経は生きていますので。
冷たい真鍮製スティックなどで圧すれば、骨膜の炎症からの痛みがあまりにも強く、
お客様のほうが音をあげてしまいます。
かなり我慢強いお客様でも、そうです。


特に以前、テニス肘ということで医者に通われていて、
私も去年以前、長い時間かけてアプローチしていましたが、
そのテニス肘になっている硬化した組織が表に顔を出してはくれませんでした。

それがベン石温熱器を利用したリリースでは、
しっかり奥のしこり化した部分が露出しているところまではいっていけます。
その状態をしっかり確認したうえでのリリースができるため、
テニス肘と呼ばれるに化した左肘の4センチほどの尺骨と橈骨の間を埋めるしこりを、
少しずつ立体的に緩められるようアプローチを加えていくことができました。

ここが、ものすごい痛みが出る場所です。
ベン石温熱器をもってしても痛みが出ます。
ただ他の真鍮製スティックなどでではその何倍もの痛みがでるため、
リリースするための妥当なアプローチには至らなく断念するしかなかったので。
ここは、ベン石温熱器が大変な貢献をしてくれていると感じ、感謝しています。
それに、、本当に我慢強いお客様で助かっています。。。 m__m;

 

 

頚部を緩めるやり方は自分自身での実験を進めている段階ですが、
30回ほどベン石温熱器を特定の温度に上昇固定させてこするか、またはムーブをかけて刺激を与えると、
骨膜部位にまでリリースが起きやすくなるのです。
体の個所ごとにその条件や状態が変わりますが応用は効きます。
人それぞれですが、一定以上の成果がそれであがるようです。

 


そしてそのお客様の左首筋の奥にある深層筋は気管支への癒着が多く、
いくらベン石のリリースでも容易にリリースがかなえられるものではありません。

無理をして、どんどんとその古くからのしこりを取り除けば、
そのしこりはすでに自身には骨という頭部を支えるための支柱として使っているので。
それを取り除くと、かえって柔軟性を帯びたその周囲にある筋肉が萎縮率が上がって、
今ある首の血管や神経を締め付けだす可能性があります。

しこりの大きなものが「体を支える支柱化」してつっかえ棒になったときには、
それを抜くためのペース配分が難しいのです。
このお客様は、首が硬いお客様の五本の指に入る方です。
それだけ首の中に作り上げた支柱と化したしこりを頼りにしているのです。
無意識的に、便利な道具としてしこりを使うことを手放そうとしない。
それが首凝りに大きな影響を与えています。


こういう場合は、徐々に徐々に首の凝りを緩めていく量を増やしていき、
柔軟な首でも頭を支えられるよう学習していく必要があります。

そこで、日頃から奥様のマッサージをしておられるご主人様に、白羽の矢が刺さりました。 ^-^


以前の私の首の筋肉のリリース法は、一般の方には教えるにも事故が怖くて。
教えたいが教えて事故を起こされて、それで恨まれるようなことでは互いに不幸になるだけ。。
そう考えて、効果がしっかり引き出せるところまでは伝えられていませんでした。


ですが、ベン石を使った、まさに昨日の私のブログ
2019年12月01日
首凝りをリリースするときのベン石の特別なツールのご紹介( http://bodywise-note.seesaa.net/article/471888523.html )
のやり方をレクチャーさせていただきました。

文章では凝りの状態を解くにはどうすればいいか等、
感覚的なものがまったく伝えられませんが、
対面であれば容易です。

それに安全性はすでに臨床例として何十例も積み重ね問題がでていません。

そして準備に手間暇がかかりますが、
やり方が単純ですし、リリースを受ける側も不快さがさほどは感じられない。

でも、丁寧にやっていけば、さっきあった凝りが平たんな状態にほどけています。
これは一般の方でも、過剰な解きすぎを心配してほしいというようなやり方です。
そこの私の人を見る目が試されているのでしょう。

 


・・・・そのようなことだと思っていたのですが、
昨日、それで一般の方にやり方を伝えるという経験ができました。


やり方がシンプルで、首というアプローチするにも最も緊張するところなのですが、
加熱したベン石のスティック等の先端部をリリースポイントに密着させて、
リリースを受ける方の胸骨部や鎖骨下をさするようにしたり、
額をわずかに左右に転がすようにするだけでいい。

受け手は、少しずーんとくるような圧痛があるが、
それが徐々にほどけていく感じがわかっていくし、
徐々に不安感もぬぐえ緊張がほどけていく。
そしてさらに楽にリリースが起こっていく。

そのような傾向を持つものです。


そして、施術を受けた後の体が緩み、患部の血行が増した状態から、
そのようなご家庭内でのケアが始められるというのですから!!


それこそ、今から行う家庭でのリリースはベストタイミングです。

 

語弊を避けずに突き放した言い方をすれば、
筋膜を緩める施術は、そのお客様のしこり化させる身体操作がぬぐえない限り、戻りがでてしまう対処療法です。
ただ、施術を受けていただいて十分にやわらいだ状態を長期に慣らさせることで、
新たな状態の変化を受け止め始めることもできるでしょう。

お客様が普段使いの体の操作からはしこり化がくる。
それは古い深層筋の癒着が進んだ方の場合には特にです。

 

それを定期的に家で一気に施術で緩められた頚部の状態に、
急ブレーキをかけてまた固めようとし始める無意識の揺り戻しを避けるため、
私がリリースさせていただいたほどの深いリリースでなくても結構ですから、
定期的に首にアプローチをしていただいて本人にしこり化状況をモニターできる機会を与えていただく。
「おや?また、しこりができてるんだ」と自覚する機会が増すことから、
その無意識かつ無自覚にしこりをつくるやり方を選んでいることを手放すきっかけとなります。

しこりができないやり方を通る道は必ずあります。
その道を自ら手を伸ばしたとき、
憑き物がとれたように、
新たなやり方が見つかりだします。

ただ、深層筋があまりにも硬さが強い場合には、
運動系のボディワークをしてみても成果が出づらいので。
ある程度の深層筋部分が緩みだしてからでなければ、
新たなやり方に知り合いづらいものなのです。


でも、、、
それをご主人が定期的に頚部の部分のリリースを、
無理せず欲張りすぎずに淡々とやっていかれれば。

そのような状況は改善されていくことでしょう。


首への負担感が薄れれば頚部への過剰な意識が薄れて、
少しずつ下丹田部分に充実感が増してきますから。
そうなったら、そこがゴールだと思います。

 

 

私としては定期的に自宅でご家族や友人などに頼み、
ベン石を使った体のリリースを実践していただけるようになればと願っています。
また、もし自分が受ける側だけではなく、させていただく側にも、
少しリリースの方法を勉強なさってなっていただければうれしいですよね。

 


人の体を外圧をもって操作をすること。
そこの難しさは私も痛感しています。
ただそのような折に、他のお客様から、

「"No Risk No Life"の"Ninja Life"を満喫する毎日です。」
というメッセージをいただきました。


リスクテイクができること、
リスクマネージメントができること。

その二つのネガティブ要素をも被ってでも、
そうするためのメリットがある人であれば。

ベン石の利用は一般の人に、
広く受け入れていただければと願っています。

 

 

昨日は、ベン石を利用した頚部のしこりのリリースのやり方を実地で伝えるという貴重な経験をさせていただきました。

問題なく頚部のリリースが進行していってくれればと、
お祈りしております。