かっさ療法仕様の凸型ヘッドのベン石温熱器。 、、、なのだがかっさ療法特有の瘀血(おけつ)を表皮に出せなさそうなジレンマ。

昨日、同業者の先生がお見えになられて、
ベン石の温熱器を利用した施術のしかたの試行錯誤の一日でした。

今日、先日中国の業者にたのんだ新たな型のベン石温熱器が納期通りに届きました。
予定した納期内に届きました!!!

おぉ、なんと、すばらしいことだろう!!

 

かっさ型ベン石温熱器.jpg

形状は、ヘッド部分が凸状の突起があります。

他のヘッド部分がフラットか全体的に丸みがあるものよりも、
凸状の突起が筋肉の部位に食い込みすべりづらい仕様です。

ただ加熱すると凸状の突起部分が特に熱さが強くなっていて、
それを知らずに触ったら点でお灸をすえられた感じに驚いた。
そしてベン石ヘッド部分が他の温熱器よりも小さいため、
保熱できる時間が他の大きなヘッドを持つものより1/3ほど短くなるようだ。


自身に使ってみて、使用感を確かめてみた。
手や足は、凸のないベン石温熱器をかけると、
ロングストロークはスムースにできるのだが、
深く筋肉の奥を捉えて影響を与えづらい。
そのためヘッド部分のエッジを立てたり、
様々な工夫をして筋膜の層をはがせるよう引っ掛かりをつくれるようにしている。
それがなかなか大変なんですね。

ところが凸状の突起のヘッドをもつ温熱器は、
カンタンに筋肉の内側へと食い込んでくれる。
手足へのアプローチに向いているかもしれない。
ですがしっかり食い込むことは、
イコール、けっこう食い込んだ瞬間に痛みが気になる。

ただこちらのかっさ療法仕様のこのベン石温熱器は、
皮下の奥にある瘀血(おけつ)を刺激して体表部へと浮かび上がらせることで、
排泄へとむかわせる体の内部の浄化法を得意とするものです。


通常、かっさ療法とは内出血を皮膚内側で起こして瘀血(おけつ)と呼ばれる、
体内で停滞したままの酸化した老廃物を多量に含んだものを皮膚表面に浮かび上がらせて、
それを代謝させて排せつできるように擦るものです。
皮膚の表面が内出血して赤や黒い墨のような色など、
酸化した皮下組織に潜った瘀血(おけつ)が現れる。
肝臓が悪い友人は、墨汁以上の黒い色が浮かび上がり私も本人も驚いたことがあった。
こんなにひどいものが体内に蓄積していていつづけたなら、
健康になれるわけはないよね。
そんなことを視覚的に理解できる面白い経験になるはずだ。


それは代謝を促進させ体内組織に溜まった老廃物を排せつさせて浄化させることになるから、
健康を増進させるためにはいいことなのですが。
だが瘀血(おけつ)について日本人は理解がなされていない方が多くて。

「かっさ」「皮膚」のような検索語でググッて見ても、
「かっさで内出血を起こされてひどい目にあった・・・」という認識のことが書かれている人。。。
確かに、単純に内出血を起こさせただけの下手なやり方の場合もあるんですけど、
内出血した時の色とは若干違った色相が皮膚につくこともあって。
それが瘀血(おけつ)です。
だからそこまでかっさされた跡を診て評価できる目があるものは、
違いがわかるものなのです。

 

ただ、そのような違いが判っている中国人の知人にそのことについて聞いたら、
日本人は瘀血(おけつ)によって汚れたものをため込むのが好きなんだからほっときなよ、と言われたことがありました。

瘀血(おけつ)は、皮下組織にある酸化した液状で粘性を持ち、
粘度が強くなりすぎれば固形に近しいゲル状になっていたり。
それが筋膜部分に入り込んで筋膜の癒着を引き起こす張本人だといわれもするんです。
私も、その見方に賛同しています。

ですが日本では一般的にはそのことについての認識や知識が乏しくて、
それゆえに対処の仕方がピントが外れてしまっているときさえあります。。。


つまり日本人と中国医学を学んだことがある中国人は、
「皮膚の下に静かに沈殿して徐々に骨の髄へと至ろうとするものがみえているのか、みえていないのか。
瘀血(おけつ)教えてあげたとしても、それがちんぷんかんぷんで頭にははいってかないらしい。
単なる傷とか内出血がでたからどうしてくれるんだといってきて、下手な治療をすると罵倒されたし、
悪評を立てられて困ったことがあった。それからは、すでに瘀血(おけつ)について知ってる人にしか怖くてそこまで手を出せないよ」
といっていた。

せっかく体内に蓄積した病の元になる瘀血(おけつ)を除去するために、
一生懸命に治療して恨まれて、非常にショックだったし悲しかったといっていました。

 

 

ただ日本の一般の方の見方も、わからなくもないのです。

私は以前はよくお客様にもカッピング(吸玉療法)をしていて瘀血(おけつ)について存在やその消え方なども熟知していて、
瘀血(おけつ)が病の根っこになるというのは、患者様と症状の相関を知ってからは当然だと思えるのだが。
それをしらなければ、驚くようなこともあったのだろう。
むろん、カッピング跡も炎症を持った反応を起こすし、
かっさ跡もそう。
かっさ療法もカッピングと同様、炎症反応を起こさせて、その場の血液の集まりを多くさせて、
その血流の流圧で瘀血(おけつ)を流し去って浄化させる仕組みなんです。


私も自己保身の権化のようなことをいうようですが、
日本人には皮膚の色が変わるほどの擦るようなことは「非常に好まれない」ため、
瘀血(おけつ)を皮膚に上がるほどまでは積極的にこすっていくというのは考えていません。
小さい時から瘀血(おけつ)の跡をみた中国人たちはそれが当たり前でも、
それを見たことのなかった日本人は健康増進へとつながるステップアップの過程だと教えられても生理的に外見上の問題として受け付けない方がいて。

瘀血(おけつ)について理解できるような説明をするも、
自分の内側にそのようなものが入っているわけがないという思い込みや感情の障壁が高い。
するとそこを押して、でもやったほうがいいと思いますけど、となると、
不快な気持ちになる方が過半数現れるのも経験上知っております。
こころよく「あーそうですか、ならば、やってみてください」という人。
絶対、それは嫌だという方。
それは外形からは見分けがつかないので、難しいことです。


なので結果的にかっさする取り扱いとしては、
筋膜リリースをする際に、体表に浮かび上がらせないようにしたままで極力抑えること。
ただどうしてもお客様の内部の奥まで患部が入り込んでしまうときには
それへのアプローチでときとしてかっさ跡と同じような瘀血(おけつ)跡が部分的にでます。
ですが通常の私が知っているかっさとは、通常はその程度のことではないのです。

通常の中国や韓国でなされているカッサ療法を知る人は最初は驚くでしょう。
ですがやってみて体内のそれが減っていくにしたがって、
体の筋肉の動きはスムースになっていくし、体質も変わった。
そしてなにより中国では医療の一環としてなされているため、
しっかりした勉強をした医師がしている治療なので、
受ける患者も治療だからと割り切ることができます。


その体験を自らが希望して受けたいというのか、
施術者側があなたの内部には瘀血(おけつ)という変なものがあってそのままありつづけては、
健康を害することもあるからかっさ療法で
体内でその瘀血(おけつ)を排泄させる代謝の乗せるにはを促して消えるように仕向けるところまでするのは。
日本のお客様には、ほんとうに大変。
それ以前に、私自身が医師ではないため、
大きく見た目的にも跡がつくようなことはすることは自主規制としてはばかっておくほうが賢明だと思います。

 

ただこの凸状の突起部を持つ温熱器なら、
加熱したら瘀血(おけつ)が体外に排泄しやすくもなるため、
少し強めにずり圧を加えれば皮膚上に瘀血(おけつ)が浮かび上がりやすくなっているはず。
そうするためのの目的のため作られたヘッドの形状なので、
それをわざわざ避けなければというセーブをする工夫をしなければというのも。
なんか本末転倒のようなことをしているようです。

 

ただ、それでもしっかり考慮して対処していかなければ、
後々、大変な問題にまで発展しかねません。

 

なので私がだせる答えとしては、
お客様に、瘀血(おけつ)とはというところを理解していただいている方のみ、
こちらの凸型の温熱器を使い「多少のかっさでの瘀血(おけつ)が皮膚に上がる跡がでる以内」のことをおこなうこと。

その場合以外は、従来通りかっさ跡がつくほど瘀血(おけつ)を表皮に浮かび上がらせることは控えるべきなのでしょう。
そのようなことを、この凸型の温熱器を使って自分の体をゴリゴリやりすぎて、
瘀血(おけつ)のあらわれをみつけて思えたところです。

 


ちなみに、自身で中国や韓国で活躍した先生方が日本にも来ておられますから、
そのような方がおられる治療院で本格的なかっさ療法を受けてみるのも、
私には健康増進のための助けになると思えます。

自己責任の原則で、自分でかっさプレートを用いて瘀血(おけつ)がでるほどにこするのもいいのですが、
やはり勝手がわからないと、危険なことまでやりかねませんから。
かっさ療法を自己メンテに取り入れる方は、カッピング以上にシビアに体験知を上げてから行ったほうがいいと思います。