脈診講座:脈を診ることで、どうやって対処法がわかるの?

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2020年07月21日
脈を診ることで、五臓六腑の状態を知ることができるの?

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で、書きましたが、
私が習った脈診では下記の図のようなチェックをおこないません。

占いのような脈診チェック?.png

たとえば、
クライアントの左手寸口を診たら浮脈・沈脈どちらかの病脈が見えたとします。
上図では左手寸口は『心』に関係し、心の機能に不調があると推測いたします。
これにより見事に心機能の不調を発見するような先生もいます。


ただ中医学を学んできた、私が習った脈診の先生は、
この診断法について触れることはありませんでした。

 


「それでは脈診してなにがわかるの?」

と突っ込まれそうです。

 


私も、以前なら、そこを突っ込んでたと思います。

ですが今は、何がわかるか?ということの、わかることの多さを驚嘆します。

 

ただ困ったことがあります。

陰陽虚実気血津の過多や不足ほかの組み合わせが原因になり現れる脈の状態の多さに、
記憶力が追い付いていきません!


脈診のテキストをつぶさに観て、
自分の脈を厳密にチェック。
その繰り返しから脈診が、役立つと実感できました

独りで脈診を学ぼうとしていた時のこと。

こまったことがあります。

脈診の本に書かれている病脈の現れ方を表現する文章の文言がピンとこない。
いったいどう状態を言ってるかがわからない。

そこへの不満が満載でした。

 

それで数冊、脈診の本を並べて同一項目の事項を読むことで、
言い現わしたいおおよそのことを感じ取る。
そんな地道な作業を積んでいくしかありませんでした。

 


のちに脈診講座で先生からのアドバイスは適切で腑に落ちました。
知られた脈状でさえも判別がつきづらいことはある。
そういう脈状の種類がいくつかある。
それは脈を診るに長けた先生方でも、
同一脈を診ても診断が違ってくることがあるほど。

 


そして脈診は四診のひとつで、他の診断法との関係上、成り立つものだといいます。
中医学では以下の流れで四つの診断(四診と呼びます)を順繰りに診断をしていくのです。

(1)望診:ぼうしん(顔色・舌の色・肌のつや・肉付きなどを目で見て診察する方法)
(2)聞診:ぶんしん(患者の口臭・体臭・分泌物の臭気をかいだり、音声・呼吸音・腹部の異常音などを聞いたりして診察する方法)、
(3)問診:もんしん
(4)切診:せっしん(脈診・腹診含む接して診察する方法)


脈診をする前に、
先行して「望診・聞診・問診」をすることで、
おおよそのカラダの状態は把握をします。

望診等のひとつの診断法でわかった気になることなく、
3つの診断法を通して現状のカラダの理解を深めます。
この時点で、かなりの肉付けされた層の厚い検査をしています。

その後に「切診」をおこないます。

 

脈診を含む切診は、望診・聞診・問診の結果を得てから、
その答え合わせとして四診の締めにおこなうのです。

 

答え合わせですから、すでにどのような脈状が現れるかは、
脈を診る前におおよそのイメージが固まっているのです。
イメージ通りであれば納得してうなづく。
イメージとかけ離れた結果がでていたら、
何らかの見落としやさらに深く突っ込んで確認すべきところがあることをしめし、
改めて四診の初めに戻って検査をします。


そうやって検査の精度を高めていくのです。

 


それは中医学の本に書かれていましたが、
脈診講座の先生は、新たに別の言葉を足していきました。

脈診をしても類似した脈状のものは、見分けがつかない。
そのようなときは望診・聞診・問診や腹診などで得られた情報を念頭に置くことで判断がつくことがあるといいます。


確かに病脈には28脈、でも類似していてどちらに分類すればいいか迷うものも多く、
それはよほどの優れた脈診をなさる先生たちであったとしても、
複数人が同一の患者様を診て同一の脈診結果が出ないこともあるといいます。

ただし優れた先生方は総合的な見立てがすばらしいため、
同一の脈診結果がそれぞれの先生が出されていなくても、
治療成果が優れていいといいます。


私にははっきりいって自信をもって見分けられる脈が10脈あるかどうかで、
他は判別つけられないのが現状です。

だからこそ望診・聞診・問診や腹診などで点数を稼がなければ。
そのような思いが強くあります。

 


中医学の脈でわかる診断法は、
項目数が多いのもさることながら、
専門的な医療知識が必要なのです。

脈診のテキストを単に丸暗記するだけでは、
私には理解が浅く使い物とはならないのです。

それで、いまも、地道にお客様の脈を診ながら、
「あの脈状からわかることは?」
を調べることが日課です。


それでも私がまず丸暗記にチャレンジしたのは



図説 東洋医学<基礎編>

こちらの本の198ページの

脈でわかる診断法
という一ページでした。

基本的な脈の状態が16項目、表になっているものです。

脈診講座の先生は脈理を理解することで、
原因を導き出して病状を理解せよといいうでしょう。
そうすることで応用が効くのです。
脈理がわからずに暗記に頼ると、
臨床ではしょっちゅうテキストに書かれていない事態が起こりえます。
そのようなときのために、そのような脈がなぜ現れたかの理由を知ることが大事です。

中医学の基礎力を持つものが脈理がわかっておれば、
自らそこで起きている状態をよく理解できるのです。
その理解の上に脈状を当てはめればいい。
そうした結論を見いだせる力を養えます。

そこまでいくと有効性の高い脈状ごとの適切な対処法を採用できます。


なので脈理を差っ引いて丸暗記してますといったら、
「おぃおい、鈴木君」といわれるでしょう。 -.-;

非常にふがいないですが。。。

中医学の文章を読んでも、
中医学基礎がないため、
頭の中でイメージが思い浮かべられない。


砂を口に入れてもぐもぐしている感じで、
中医学基礎が身につくまで3年間はかかるといわれています。
すると現状でのお客様の脈診から、もう一歩突っ込んだことまでわかるには、
だいぶ先になるので。

基本、そういうものだと思いつつも、
とりあえず、私が愛読している図説 東洋医学<基礎編>
の『脈でわかる診断法』の16項目くらいは覚えようということでした。

 


すべての脈診の情報を頭に叩き込むのは無理でも、
頻出するいくつかが、正しく記憶にとどめられて使えるなら役立つだろう、と。

 

例えば、一番目のひとつだけを取り上げると、
1、脈状: 脈の手ごたえが短い(短脈)
  原因: 陽気不足  
  病名: 頭痛があることをしめす

とだけ書かれています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

丸暗記しようと努力したんですが、記憶にのこらない。

なので、結果として、下に書いたような補足を重ねて、
調べていくうちに、なんとなくイメージが定着してくる。
そのようなことを続けていきます。。。

中医学等興味ない方には、???という感じでしょう。
 私も理解が不完全で、用語の誤解や誤認も多くて、間違いがあればご指摘ください m__m)


■--------------- 補足 はじめ -----------------■

つまり、「短脈」が現れていて、その「原因」は陽気不足で、<頭痛>となっている。
ということがわかります。


原因が「陽気不足」。
陽気の不足分を補う対処をすれば、効果的な改善が見込まれるだろうということ。

ラフな補足では、
図示すると、陰陽:🔴〇 昨日述べた気という血の配達人の人員不足がたたって、
血の量が充実していたとしても、頭部まで血を十分な量を送り届けられない。
それにより頭痛が起きるのだということでしょう。
なので不足した気を補うための臓器への対応等を図ります。
他にも例えば補気(気を補う)ようにするといいからねと、
漢方薬局などを勧めるなどの手も打てます。

 

少し専門的な補足では、

「脈状」を補足すれば、
脈診の基本位置の脈管に3本の指を乗せたとき。
脈が短くて、関部では触れるが、寸・尺では触れにくい状態です。
心臓からの輸出が低下しているが、血管壁の弾力性はなお、ある程度保持されており、
血管の拍動が小範囲に限局されながら伝達している状態です。

「原因」は、陽気不足ということで、陽気が気して血脈を鼓励する力が弱いため、短で無力をあらわす。

「病名」でわかるように、このような状態であれば、頭痛になるんですね。

■--------------- 補足 おわり -----------------■


この第一項目よりも、もっと難解なものも含んだ他の15項目を書けば、
だれも読む気が失せるような気がしまして割愛させていただきます。

 

 

脈の状態を診て、病の様子を聞くことができれば、原因がわかって対処できます。
そのようなことをご理解いただけましたらと思い、書かせていただきました。
ただし、現状の私ではまだ初学者の域を出ておりませんので、今後もしっかり勉強していきます!