【五十肩(四十肩含む)】の改善に必須筋は『肩甲下筋』ですね!

先日、
「『五十肩』がきびしい!どうにかならないか?」
と、知り合いから尋ねられました。

手を上に挙上しようとすると、
「イテテテテッ」と、肩周辺に芯に響く甲高い鋭い痛みに襲われるといいます。
神経に触るような、耐えがたい激痛。

かっこよく手を挙げようとしても、次の瞬間、身を縮めて肩を押さえたくなる。

 

肩甲下筋に問題ある人の場合.png

 

なってみるとわかりますが、これ、けっこう痛いです。

 

去年、私も母の介護中に施術で無茶をして、五十肩になりました。
それが様々なやり方で対象を改善させようとしてもよくならず、
施術者失格といわれそうな身体状況で過ごした記憶があります。


筋膜リリース的にいえば、
五十肩は、肩甲下筋から起こりやすい』というルールがある。

肩甲下筋位置.png

施術のとき、
お客様がうつ伏せか、横臥位のとき、
肩甲骨と肋骨の間に私が手をいれて肩甲下筋が柔軟性があるか緊張して硬化してないか、調べます。

この時点で、
「おぉ~、痛いです。そんなことしゃちゃ、いけません!」
と言われる場合、
五十肩になっているか、またはその予備軍です。

リリースでは最近はベン石温熱器を使っているので、
かつての肩甲下筋リリースの激痛は半分以下に軽減したようです。

まずは上腕骨の肩甲下筋が付着する腱部を緩めます。
烏口突起の下あたりのリリースを狙う感じですね。

ここはどうにかこうにか、痛いけど耐えられる感じ。

ただ次の、脇の下から肋骨と肩甲骨の隙間を狙うと、
ここはそうはいかないこともたびたび見受けられます。
肩甲下筋が肩甲骨にも肋骨にも強烈な癒着があれば、
相当な痛みがでるためアプローチの仕方が難しい。
という以前に、ほんとうに徐々に回数を重ねて解き進めるしかない。

そういう場所のなかのひとつと数えられるところです。

ただし最近ではやり方を変えています。
素手のみによる手技は難しいというときにも、
スモールサイズのベン石温熱器の温熱効果でリリースを図るようにしています。
スモールサイズのベン石温熱器スイッチ.jpg


ベン石温熱器のヘッド部分の熱源を、
肩甲骨と肋骨の間に滑り込ませて、
そのままの状態で30秒~90秒保持するか、
またはさざ波のような動きをあたえてリリースをスムースにしていきます。

そうすることで無理なく成果をあげることができます。

実際のところ、
そのお客様の痛みの耐性レベルを推し量っていくことは、
施術者側としても、非常に申し訳なくしんどいことです。

そして痛みの耐性が低い人の場合、リリース量が非常に少なくなるというのは否めません。
同時に「鈴木さんは、なんとむちゃくちゃなことをする人だ」と思われることは間違いない。

また肩甲骨の上に位置する棘下筋の上にベン石温熱器を置いて肩甲骨を加熱する用法もあります。
肩甲下筋の過緊張や癒着の問題は、
肩甲骨の骨を取り囲む骨膜がよれてひずみが起きているためでもあるのです。
骨膜がひずめば、その部位に関連して癒着した筋肉は、いくらリリースをしても早々に戻ります。
これは私自身、そのような傾向があるのではないかと想定して、
いくつか自分の身体を通して検証を繰り返した結果、
そのように言っていいだろうという結果を得られたと思います。

肩甲骨の骨膜がよれてひずんだ部分は冷えてゆがみを持った固着している部分ですので。
そのゆがみやひずみをベン石温熱器で30~90秒ほどの持続的注熱により、
固まった骨膜のコラーゲン組織を柔軟化させて改善を図るようにします。
この手間を必要とする人へ、実際にこのような工程を挟むと肩甲下筋のゆるみが正常化しやすくなるようです。

ベン石温熱器をお持ちの方やホットストーンを活かした施術をする方は、
ぜひ、肩甲下筋のリリースをするにあたり試してみてください! ^-^

 

そのようなリリースがけっこう難しい肩甲下筋も、
ベン石温熱器の登用により暖かく気持ちが落ち着いたまま緩んでいきます。

 

この肩甲下筋の筋肉が十分解けていないと、五十肩になっている人の復活は難しいのです。
ただ臨床では五十肩になっている人が、この筋肉のみで問題が引き起こされているわけではないことはよくわかっています。

意外に複雑な経路を通って、現状の五十肩になっている人が多々おられるので、
その悪化した負担の筋層の蓄積部分を、順序だてて玉ねぎの皮むきのようにほどく必要もあります。

この部分の玉ねぎの皮むきをするような見立ては難しいものです。
私も、お客様の状態を読むのは慣れているし経験上の知識の引き出しがあるのですが、
自分のこととなると鏡で背中を映してみても肝心なところが見えてこなくて、
改善するまでほんとうにきつい時間を10カ月ほど過ごしたのです。

 

ということで。


しっかりと状態を読めれば改善できる五十肩もあります。
特に筋膜系のトラブルのみであれば、かなりの改善は期待できるでしょう。
知人の質問に対して「どうにかなるときもあるので、施術、試してみて!」と返事をさせていただきました。

 

^-^;

 

本営業の再開に向けて、営業活動をさせていただきました。