書籍紹介:『太極拳に学ぶ身体操作の知恵―「10の言葉」がカラダを拓く!』太極拳の要訣を知って、身体操作の基準を持とう!

カラダの使い方について。

 

私が個人的に学んできたことは、
かなり昔大学生時代に少しかじった太極拳でした。

当時は今の比ではないほど。
運動オンチな私には、身体操作といわれても、
ピントが来てないところがありました。。。

疲れやすく、いつも気力が失せてぐったりしていました。
呼吸器、消化器、循環器に腎機能、、、いいところがひとつもない感じ。


「この状態で、はたしてどれくらい生きなければならないのだろうか?
 この状態では、そう長くは持つまい。」


これが当時の自分の身体を感じたときに出た思いでした。

自信を育つ畑もなく、
精神的にも強くなれません。

そんなときにきっかけを得て、短期間ですが太極拳を習うことに。。。


そこから復活の快進撃が・・・と、いいたいところですが、
世の中、そう甘いものじゃない。
ダメダメぶりは健在でした。

ただ頭でっかちで本好きな私は、
一冊の中国語の太極拳の要訣(身体操作のエッセンス)が描かれた本を手に入れ、
書かれている内容が気に入りました。

身体操作をおこなう際に、自分で自分に声をかけてみました。

たとえば、沈肩墜肘(ちんけんすいちゅう)。
「沈肩墜肘・沈肩墜肘・沈肩墜肘・沈肩墜肘・・・」と呪文のように唱えていく。

「沈肩墜肘」とは、平易に端折って言えば、腕を使うときのホームポジションをあらわす言葉です。
これは肩を沈めて、肘をすとーんと墜落させるイメージで腕を使おうということ。

肩が持ち上がっていては、肘の重さが感じられません。
その状態では肘の操作もままならないだけではなく、
肩甲骨が正しく動作できないため精妙な思う通りの腕の操作がかなわなくなります。
肘と膝の関係性から、膝の操作にぎこちなさが必ず現れてきます。
膝上が固まれば、腰が固まる。。。

 

肩を沈む位置の基本ができているかどうか。

 

手本は、太極拳を習いに行った先の若々しい高齢の練習生たちをみればいい。
私の周りにて歩いておられる方々とは体つきの違いがあきらかでした。
太極拳の動きの要訣といういくつかある重要な動きや姿勢のエッセンスを知って、
そこに意識を集めて人を観ると見えてくるものがあったのです。


私は身体操作の良し悪しのイメージを、
太極拳の要訣通りにできているかどうかを「基準」にしました。

つまり直感的に感じたとかいうあやふやな見方ではなく、
「今日の自分の姿勢、肩、上がってるから、よくないね。50点くらいかな。もうちょっと沈めなきゃ!」
と沈肩墜肘にそぐった動きができている程度を数値化して、
あと足らない50点のうち、10点をアップするにはどうすればいい?
という考えで自己観察を繰り返していきます。


そうすると徐々に運動オンチの私でも、
なにか少しずつ動きの質の良し悪しを自分の身体に刷り込むことができるようになってまいります。


そして自分の身体が動きが良くなっていく。
すると良くなったレベルの向上分だけ、他の人の身体操作の質のレベルが読み取れるようになります。
そして瞬時に動きのコピーもできるようにもなります。
自分の身体が気づいてできたぶんだけ、
他者の動きが垣間見えることの面白さ。

目で見ていたはずが、まったく見えていなかったものがある。
そういう世界が、太極拳の要訣をひとつずつ唱えなれていくと増えていくのです。

 


いま、施術をする前のボディチェックのとき。
当時の身につけるように練習した太極拳の身体操作の言葉が基準です。

もちろんオーソドックスなオーソペディックなチェックもしています。
ですがそれで観れるものからでは、
私には全身をまとめる体の着地点は見つけられません。

優れた身体を持った方々がなさっておられる動きの筋道があり、
そこに近づけるようにしていったほうがカラダの変化が自然体に収まる。
変わったあとの姿を認めて、そこの像と現状の違いを感じて修正をしていきます。

そうすると驚くような違いということさらの変化ではなく、
何となくなじんだ感じの納まり方であまり変わってないような気がするけど、
体調が良さげになっている感じがするという「定着に馴染む」感じにできる。

大きく変わった感があるときには、一時の変化にとどまって、
気づくと戻るというようになりやすいのです。

 


先日、「施術のときに太極拳のそのような要訣の紹介された本でいいものはないか?」
とお客様から質問をいただきました。

本棚にそのとき置いてなかったためお見せできなかったのですが、
中国武術初学者でも読み物としても読みやすい?

以下の本を推薦しようと思っていました。

 

他にも専門的な解説本もあるのですが、
こちらがいいでしょう。(ただ出版社からは絶版で、Amazonではオンデマンド印刷ででてるみたいです)

太極拳に学ぶ身体操作の知恵―「10の言葉」がカラダを拓く!

 

十訣には虚霊頂勁、含胸抜背、鬆腰、分虚実、
沈肩墜肘、用意不用力、上下相随、内外相合、
相連不断、動中求静があります。


もし関心を持たれましたら、中古本を手に入れていただくか、
図書館で借りていただければと思います。

本棚奥から出してきて改めて読んでみたのです。
「動中求静」など、今読んでも目から鱗が落ちます。

こちらの本は中国武術をなさっておられるお客様のS様からいただいた本です。
多謝。m__m

 

amzn.to