昨日の施術にて。
約10カ月ぶりのお客様、ありがとうございます!!
お客様のプライバシーがございますので詳細の説明は控えさせていただきますが、
そのお見えになられていなかった10カ月の間に大変な整形外科的な大手術をなさられました。
術後に病院での長期にわたる定期的なリハビリに通われ、現在は自主的に教えていただいたリハビリメニューをこなしておられるそうです。
お客様が気を聞かせてくれて、医師がモニターに術前・術後のレントゲン撮影をしたものを映し出したとき、
そちらをスマートフォンで撮影し、持ってきて見せてくれました。
術後写真を見せていただいて、
どのような位置に縫合部分があるか、
内部状態はどのような存在となっているか等を私の頭に叩き込むことができて、それを元に施術を組み立てることができたので非常に助かりました。
※ こちらの写真を見せていただかなければ、私が手探りで内部の状態を探索しなければなりません。
そこでは白黒がつかないグレーゾーンがでてくるため、大幅に安全確保のため手技を避ける部分を作らざるをえなくなります。
なのでこちらのお客様が、写真をお持ちいただけたのは大正解です!
お客様が、スマートフォン中のその画像を探すときに、多くのお孫さんの写真と思しき写真が。
施術以外の写真をみるのはお行儀のいいこととはいえないのです。
ですが、ここに術後写真があって検索されているところで「えっ、どこ、どこ、それは!」と、
私に関係することであったので。
そのスマートフォンのストックしてある画像群をちらっちらっ、と目にしていました。
ほぼお孫さんの写真がメイン。
なかには赤ちゃんの写真も。
先日、第二のお孫さんが授かったそうです。
そしておっしゃられたのです。
「私は、孫をね。やっぱり面倒をみてあげたい気持ちがあるんですよ。
だからつらいリハビリも耐えて、懸命だったんです。」
いまはコロナの影響で遠くにおられるお孫さんに会いに行くことが大変なときです。
そうであっても、そのお孫さんと対面して笑顔を見られるなら出かける計画を立てる。
そういうことにも間に合わせ対応できるように自分の体作りに取り組まれたといいます。
必死になって自身の身体をあきらめないで、前を向かせてくれた功労者は、お孫さんだったんですね。
その話をきかせていただいて、素直に「よかった~」と思えてきまして。
「自分のため」というだけでは、つらさが尋常じゃないときにはモチベーションが続かないことがあります。
それが「愛する孫のため」では、タフに乗り越えていきたいと思うよ。
人は、気持ち次第で、その場が天国にも地獄にもなります。
同じ境遇で、同じような事象が起きたとしても、
感じ方、考え方にやさしさや愛があるときには、
自分と愛するものを含めて包み込む力が出る。
そうであればリハビリも真剣に積極的に取り組もうとするでしょう。
しあわせを感じたときにでるホルモンのひとつ、
オキシトシンが脳内で放出され免疫系の作用も飛躍して高まります。
あと、もうひとつ。
左手の中部三角筋部分が、今回、非常に痛みが強くてと、主訴のひとつとして挙げられていました。
実際、中部斜角筋は内部の舌骨筋や斜角筋に癒着が進行して、神経にかかわる連鎖する痛みがでる。
他に広背筋が問題だといわれたそうですが、
そちら以上に首、腕自体、腋下、肩甲下筋や鎖骨下に蓄積された癒着がかなり重症度の高いものでした。
放置して改善するレベルではなく、ほおっておけば腕への体液の流通が大きく滞る状態がでてしまいます。
余談だが体液が流れられなくなる問題というと、多くは血液が滞った部分の飢餓状態が影響すると思われますが、
それは全体の問題の一面でしかありません。
老廃物と化した酸化物質が体細胞から排泄されるものですが、それらが体組織内に多量に蓄積し始めます。
それは、、むくみのような形にみえることもありますし、細胞内や組織器官の隙間等に蓄積して、
どんどん脈管を圧迫して体液の流動性を悪化させて気血の流れを細らせる原因となるのです。
こういう状態で長期におくことは、やがて内臓部位への経脈を通してのダメージを強いることにもなります。
このような質のものが腫瘍化するケースが多々報告されていて、酸化した老廃物を定期的にデトックスする。
それって大事なことだなと感じるわけです。
また、左手はこの度、手術をした患部に対して遠位な関連部位。
左手が問題を多く含めば、術後の部位に再度、大きな代謝の悪化を同様にもたらしてきますので。
注意をもって、対処すべきところでしょう。
私がお客様がすこぶるすばらしいと感じたことがあって、それはご本人が自主的に対処をしておられた点です。
「タブレットで、孫の写真、動画を見まくってて。そのとき左手でタブレットを持ちますよね。
これって、左手のダメージをつくる原因じゃないのかなと考えたわけです。
そこで、以前に伸筋をいかして使うようにするといいと教えてもらったので。
手の甲を上に向けて、その上にタブレットを乗せてみました。
すると、だいぶ楽になったですよね~」
お見事!
よく、そこに気づかれました。
そのようにしていただければ、負担は「1/10以下」に激減します。
「握るという動作は、屈筋を主体にするもので長時間はNGだよ、なぜならば~。そして対処としては~」と、
以前に私が解説させていただいたことを覚えていてくれたことも、とても光栄ですしうれしいです。
私が、そこに気づいてお客様にアドバイスをするというよりも、
お客様自身が気づいてやり方を工夫するほうが断然いいのです。
「注意を与えられた」という他者からのサポートでは、ご本人が問題が咀嚼できていない段階で深慮できていないままのときがあります。
私は、ほぼほぼがそういったものだと思うので、少しでも記憶のひだにとどめてくれるよう印象に残ってくれればうれしいと思いつつ、
説明等をさせていただくことが多いのですが。
「自分で、自分の内部にあるリソースや探索により、一定の問題解決を図っている」というときは、
すでに問題点が具体的にわかっているところまで咀嚼ができている人なのです。
先ほどいいました、「できないことに対して注意勧告をされたかのような印象」ではなくて、
「なーるほどですね、そういったやりかたもあるってもんだね!」というように腑に落ちる。
有効な助言を受けたというように脳がそれを参考事象として受け取るかどうかの判断をする。
そういうときには行動変容が起きて、スムースに悪癖となった習慣を手放すことができます。
それは非常にすばらしいことですね。
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最後に。
kindle版で、赤ちゃんに関する興味深い本がございました。
ボディワーク系の仕事をしている、特に、ムーブメントについて関心のある方。
人間の発生学の延長として関心が深い人には、下記の本は役立つかもしれません。
2021年10月4日の現時点では無料でダウンロードできましたので、
いかがでしょうか?
赤ちゃんの驚異:愛らしい命の謎に驚き不思議に迫る(22世紀アート) Kindle版
大宮 信光 (著) 形式: Kindle版
[商品について]
―身近で不思議な存在、赤ちゃん―
赤ちゃんはかわいい。それが初孫なら、なおかわいい。なぜ赤ちゃんはこんなにもかわいいのか――、それは一つの謎です。本書では、その赤ちゃんという小さな存在に秘められた大いなる謎を、最前線の研究を探索してその成果や重要な発見を、生殖細胞から赤ちゃんのみる世界まで、できる限り、徹底的に紹介してみました。
赤ちゃんをお持ちの方もそうでない方も、生命の誕生が見せる驚きの現象をぜひ味わってください。
[目次]
はじめに
電子書籍化にあたり、ご挨拶
第1章 赤ちゃんの生きる世界
(1)産声の神秘
(2)生後四、五日の赤ちゃんはなぜ黄色いか
(3)赤ちゃんは悟りを開いた聖者?
(4)赤ちゃんも〝顔〟に注目する
(5)赤ちゃんロボットも真似をする〝共同注意〟
(6)くちびるは赤ちゃんの心の窓
(7)赤ちゃんが笑うのはなぜ?
(8)赤ちゃんは手足を動かして言葉を憶える
(9)赤ちゃんは物理の基本を理解している?
(10)「這えば立て、立てば歩め」は進化の感動か
第2章 母胎の中の赤ちゃん
(1)卵子の旅路
(2)花の香りに誘われて泳ぐ精子
(3)精子はサバイバル・レースで協力している
(4)赤ちゃんの性別は受精の瞬間に決まる
(5)兄弟姉妹が似たり、似なかったりするわけ
(6)受精卵はまるでエイリアン?
(7)胎盤は万能のスーパー臓器
(8)胎児の芽、胎芽はどのように成長するの?
(9)羊水に舌つづみを打っている胎児
第3章 生命進化の中で見た赤ちゃん
(1)セックスは病気対策から始まった
(2)生殖細胞が生まれるわけ
(3)卵子が大きく、精子が小さいわけ
(4)「r‐戦略」か「K‐戦略」か
(5)体の中で赤ちゃんが育つようになったわけ
(6)胎盤形成の口火を切ったレトロウイルス
(7)赤ちゃんは「開かずの間」で育っていく
(8)両親がいるのは当たり前!?
(9)哺乳類が単為生殖をしないのはどうしてか
(10)胎盤が先かゲノムインプリティングが先か
(11)おチチが胸にあるわけ
(12)赤ちゃんが無力で生まれてくるわけ
(13)女性が発情期をなくしたわけ――家族の起源
第4章 恐竜も赤ちゃんは可愛い!
(1)子供の世話をする植物食恐竜マイアサウラ
(2)ツカツクリも巣づくりをする
(3)ハドロサウルス類は「デンタル・バッテリー」をもっていた!
(4)恐竜とヒトは姉妹だ!
(5)哺乳類の先祖:単弓類がのさばったペルム期では爬虫類の祖先:双弓類は片隅に小さくなっていた!
(6)恐竜のお尻に触りたい♪
(7)恐竜の巣のタイプから赤ちゃん恐竜の可愛さを探る
(8)恐竜は群れで巣を守っていた!
(9)恐竜も「見守り行動」をして、子供がぶじに育つ可能性を高くしていた!
(10)恐竜群像
(11)会話する恐竜がいる!?
(12)赤ちゃんが「かわいい」と感じる見た目の特徴には7つある! それはどうやら恐竜にもヒトにも通用するらしい。
第5章 ヒトの赤ちゃんは可愛く〝なる〟のはどうしてか
(1)赤ちゃんが一番可愛く〝ない〟のは、生まれたての時であった!?
(2)赤ちゃんが可愛くなるまでには時間がかかる。〝子育て〟ではなく、〝子育ち〟支援を
(3)一歳前後の赤ちゃんが一番かわいらしいのは、一体どうしたことか。
(4)ヒトの赤ちゃんはどんなに可愛くても、独りでは育てられない
(5)母親は母親として赤ちゃんによって育てられる―カメレオン効果がミラー・ニューロンに裏づけられる!
(6)ドストエフスキイの問いかけに応えられるか?
(7)アタッチメント理論―その核心は予測性
(8)これまでのアタッチメントの捉え方を超えて、どこへ
(9)地球人類からの進化はありえるか
(10)十億年以上存続した都市ダイアスパーには、赤ちゃんがいなかったけれど
(11)赤ちゃんが可愛いわけをアリストテレスの4因説で問う
第6章 社会は赤ちゃんの子宮
(1)産科学は江戸・徳川家時代に始まった
(2)産婆さんは何をしたか?
(3)なぜ三日祝いやお七夜をするのか?
(4)出初、初宮参り、お食い初め、誕生祝いって何?
(5)なぜ、赤ちゃんに名前をつけて届け出るのか
(6)〝子〟のつく女の子は賢い?
(7)オシャブリはできるだけ長く…
(8)俵万智さんが詠んだシングルマザー
(9)多産多死から少産少死、そして第二の人口転換へ
(10)赤ちゃんが産まれなくなっている!?
〈参考文献〉
著者略歴
[出版社からのコメント]
出産という大きな出来事の中で誕生する赤ちゃんは、多くの人に生命の神秘を感じさせるとともに、幸せや喜びをもたらす存在でもあります。少子化が進む現代の社会の中で、あらためて赤ちゃんという存在の素晴らしさについて、本書を通じて多くの方に目を向けるきっかけを持っていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
大宮 信光(おおみや・のぶみつ)
科学ジャーナリスト。
1938年東京神田生まれ。東京教育大学在学中から家庭教師、塾経営をはじめ、67年にSF同人誌「宇宙塵」に参加。78年頃からSF乱学者、科学評論家を名乗り、科学技術と文明の未来を中心テーマに、森羅万象を狩猟・採集・料理する。
著書に「面白いほどよくわかる世界を動かす科学の最先端理論」「面白いほどよくわかる相対性理論」「面白いほどよくわかる化学」「図説 世界を変えた化学の大理論」(以上、日本文芸社)、「学校では教えない自然と科学のふしぎ発見」「世界にかがやいた日本の科学者たち」(以上、講談社)、「天変地異のメカニズム」(かんき出版)など多数がある。