「セルフワーク(自己治療)をしていれば、それでだけで十分ですか?」 それはケース・バイ・ケースだと思いますが、セルフワークやセルフケアには、盲点が入ることがあるので注意も必要です

「セルフワーク(自己治療)をしていれば、それでだけで十分ですか?」

そのようなご質問をいただくことがあります。




私の身を持っての個人的な見解ですが、
人は自信を持っていればいるほど、慢心し満身創痍になったことが数知れません。
そうしたことで悟ったことがあります。

セルフワークには、向き不向きがあるんです。
たとえカラダの使い方やコンディションを観る素養があったとしても、
それを自分一人だけの見方だけでは活かすことはむずかしい。
相応に慎重にいこうと心がける私でも、セルフワークに傾倒しすぎたとき、足をすくわれるときがあるのです。




身体操作のノウハウを学んだから、大丈夫と思っていた。
でも自分では自分のことがよく見れていないんですよね。

セルフ・ケアだけで過ごしていた結果、
ドツボにはまった。
そこからどうにかそこから抜け出たあとに自分を客観視すると、
自分の目だけでは視野が狭くなっていたことに驚かされます。


ただ私がドツボにはまっていたときと同じようなことをしている人がいて私がその方を観たなら。
「おやぁ~。偏ったヘンなことをしてるんだけどなぁ・・・」
と倒れやすくなってぐらついている様子が手にとるように見えてしまう。
それでも自分のことになると自己邁進がわずかにでもあれば盲点が出てくる。
全体を俯瞰して観るのに、施術の仕事では慣れていても、自分自身に対してはそれを見過ごしてしまう。
だから実態把握を正確につかめなくて徐々に妄想上の自分を見て方向を観て、
修正が効きかずおかしな乱れが出てしまうのです。

セルフケアとは、現状の自分の状態にあわせて施すものです。
昨日の自分と今日の自分。
人体のコンディションは、日々変わるのが普通です。
まったく同様ということはないのです。
同じだという感覚は、そんな気がしているという思い込みの為せる技です。



たとえば、自分の状態を日が当たりよく見える状態で「客観視すること」と、「欲張ってやりすぎない」こと。
セルフケアは定期的におこなう頻度の調整をしながら、弱めな刺激を与えるようにします。
たとえば、整体院に通うのが月イチだとすれば、週イチで弱めなセルフケアを繰り返し行うことがよいといいます。
そのようにすることで安全で戻りの少ない効果的なケアにつながることもあるでしょう。
それが施術後にカラダがうまく調整されたあとを維持し促進するときは、なお、成果が高いでしょう。
それをそうわかっていたとしても、気づいたらやりすぎな刺激を与えていたという初歩的ミスをしていたり。




そういった自分の知識や知恵が活かしきれてない。

その要因を、コーチングのコーチを引き合いに出して説明させてください。



コーチングで著名なすぐれたコーチが、
セルフコーチングだけでとある会社運営を進めていたら初歩的なミスをして経営が立ちいかなくなる事がありました。
もしその優秀なコーチが、他のコーチにコーチングを受けていたら起きなかったミスだと言われています。

「自分が何をしたいのか?」

「それはどうすればいいのか?」

それらを具体的に他のコーチに引き出してもらっていたら、
経営に躓くどころか、さらなる発展さえ期待できた上り調子での状況下で起きた、
唐突と驚かれる方々も多くおられたことでしょう。私も、その一人でした。。。
ただ、おそらく経営に失敗したそのコーチ自身が、いちばん、なぜ、こんな事になったのか?と信じられなかったはず。

一人だけの視点で進むときには、
こういった事案はベテランコーチでさえよく聞くことです。

ベテランコーチが、自分でセルフコーチングだけで進めていこうとすると、
自分だけの視野や視点に限られた狭い見方、見たい傾向にとらわれすぎて、
生き物のように変わっていく変化についていけなくて実態と離れてしまう。

するとベテランコーチなら陥るはずがないと笑える単純な自嘲するようなことで、
壁を作って動けないという事態に陥っている人も、まま、見れることなのです。
なので彼らは定期的に知り合いのコーチにコーチングを受けて、
そのようなおかしな状態から抜け出していく堅実な方もいます。

私は、合理的に自分が描く成功に最短で届きたいならそうすべきだと思って疑いません。

こちらはソリューションフォーカストアプローチというコーチングのセッション内容となりますが、
問題を明確化してそれに対して何を為すべきかに絞って真剣に問い続けるコーチが目の前にいると、
容易に「自分がいったいなにをしたいのか」と<俯瞰視野>が得られます。

コーチによりなされるシンプルな問いかけですが、
大富豪や大企業の経営者や起業家が受けるコーチングセッションは、ほぼ、こういったコーチングだけなのです。


このようなコーチングを受けることで失敗が回避されたり、早々にミスに気づいて修正できます。
そうできないでいたら小さなミスの火種が、気づいたら大火事になってしまう。
それは上述した著名なコーチがなさっておられたとある会社の場合もそうだと言えるでしょう。
慢心が入りやすいセルフ・コーチングで自分を導きすぎた結果だと、私達もそれを貴重な教訓として受けています。

そしてセルフ・コーチングと同様な失敗のが、各個人のセルフ・ケアやセルフ・ワークに起きやすいのです。
ストコーマとか盲点とか、または盲点が、セルフ・ケアやセルフ・ワークにも入り込んでしまいやすいので、
気づいたらすべきことじゃないやり方と冷静になればわかるはずのことを、しちゃっていてた。
そうなると頑張っても成果はでないし、むしろ悪い結果があらわれてきて、さぁどうしようと。
迷宮に入って出てこれなくなっている。



これは、施術をする先生たちでも、ときどきか、頻繁に起きることだと言えるのです。
別にそれは、その先生の勉強不足というわけではなく、セルフワークにつきものの盲点が為せる技なのです。


そういったところを、私達、施術をするものは、他の施術家の施術を受けるときに実感します。
「あっ、自分の体の歪みってそうなってたのか、背中だとちょっとわからなかったなぁ」とか、
そのような気づきがあればセルフ・ケアの仕方は自ずとより実情にあったやり方に変えられます。
そうした過程を受け取ることができたとき、違いが出てくるのを知っていますから。

そういったことがあり、コーチがコーチ同士でコーチングを依頼して自己メンテするように、
施術者もそうすることが自分のカラダの質を維持して底上げできる必要なものと知っている。

同業の施術をする先生や動き方を教えてくれるボディワークの先生に積極的にお世話になる機会を得ているんです。
そのほうが自分のカラダを健やかにいつづけるケアになりますし、
他の先生から得たアドバイスを大切にすれば自己成長へ向かう契機にもなるでしょう。



ちょっと長い回答になりましたが、
私の個人的な考えですが、
セルフ・ケアは、全体の自分をわかっていなければ、
間違ったところに手を出したり、あっていてもそこばっかり手を出してしまうことも。




相応にすでにカラダの状態が安定しておられる方で、
目的が現状の維持でしたら、セルフケアで自分のカラダを触れて気づきを増す機会としていただければいいでしょう。

目的が現状を維持からさらなる発展にまで考えている方なら、ぜひ、施術をお受けすることをお勧めします。
施術を受けるには費用がかかります。
それに自分にあった施術院や先生を見つけるのは、並大抵の大変さじゃありませんから。
そこが見当がつかなければ、セルフケアを積極的に取り入れて行きましょう。
ただそれには私が自戒しましたように、少しでも自己を俯瞰して自分の現在のカラダに適したやり方を選択してください。





ただあまり現状のカラダの状態が安定しておられない方であれば、
目的が体質の安定とするならば、セルフケアは不向きだと思います。


特にテレビや雑誌等で聞きかじりのセルフケア方法は、あなたのカラダの状態、条件に適切に沿っているわけではないため、
負担がかかるようなケアの方法を勧められていることもあります。
たとえば、体幹の脊椎の並びに不安定さが強い状態の人に対して大腰筋を一生懸命に鍛えようとか、絶対やるべきではない。
そのような個人のあなたの体調を見えていない情報にやられてしまうと、
それでさらにカラダが悪化しても責任は一切、取ってくれないでしょう。
一時期、そのようなセルフケアをなさって左側大腰筋にへその脇や鼠径部などの部位が鋼のような硬さにしておられ、
ギックリ腰になって私のところへ紹介でお見えになられたお客様が、7~8名おられたことを覚えております。
大腰筋をカウンターストレイン等で効果的にリリースできる先生も少ないでしょうから、私のところへおいでいただけてよかったのですが。
あまり大腰筋について知られていなかったころでは、多くの施術院ではその硬化した大腰筋が見えていなくて四苦八苦した方々もいました。
なので体調が現状で低迷している自覚がある方は特にセルフケアの仕方には、そうして大丈夫という裏付けをとってからにしましょう。

また施術院に通うには、多額の費用がかかりますから躊躇されるところですよね。
私は自腹で他の施術家の先生に見てもらうことがあるから、それもよくわかります。
ですが、十分なケア能力を持った施術家でさえ、
セルフケアをミスって、おかしいなぁ・・・と生活がおかしくなるほどのダメージをためるもの。
自分を自分で助けることには、多くの臨床を積んだ先生の見立てなどを聞くようにして、
間違った方向性に進まないような担保をしてからセルフケアに励むようにしたほうがいいでしょう。
そのようになさっていただいたほうが、いい道標をいただいて、迷宮に足を踏み込まずに前進できるでしょう。





以上、あまり具体的なお答えとはなりませんでしたが、参考にしていただけましたら幸いです。