(気滞)の方は肝気鬱として精神的ストレスから肝の疏泄失調が起こり、その影響から気が滞ることがあります。
肝はストレスに対し敏感な反応をすることで身を守る術としていますから、こうした初期の気滞は誰しも起こりうる生理現象と言えます。
短期的な気滞を得たときなら、気の通りをよくする(理気剤)といった芳香のよい紫蘇葉や陳皮や枳実などを利用することで気を疎通させる対処が有効となります。
または手技療法で考えれば、背中の起立筋にならぶ(兪穴)と呼ばれる陽の気を取り込む機能をもつ経穴を適切な刺激をおこない気の疎通を図ることもできます。
または細くなって通りづらくなった血管を拡張させる生薬等の利用により血液循環を改善させて改善がなされることもあるようです。
ですがこうした肝気鬱も長期にわたり強いストレスが繰り返し与えられる状態が慢性化した悪循環下ではどうなるでしょう。
こういった場合が当ブログで昨日少し述べた<伝変と波及>という病の状態が他と影響し合い変化するなどの問題が深刻化したステージにつながることとなります。
気滞の初期も長期的な強いストレスにさらされた悪循環が深刻化した過程で(気滞血瘀)となります。
気滞由来の血瘀といった病理物質がが体内で生成されるまでに至ります。
(気滞血瘀)の生成過程を観察することで、こうなった理由を読み解くことができるでしょう。
そうなったとき、私は個人的に考えるのですが、
血瘀を破血剤で対処することが正解なのでしょうか?
私は以前、コーチングスクールに通ったとき、
自身の生活を客観的に見直すためにライフチャートを作成しました。
・睡眠は足りいているか、
・仕事の負荷は適正か
・人間関係にトラブルはないか
・食事は?
等々の項目ごとに焦点をあてて、
改良すべき点を発見し、改善につながる素案をあきらかにしていきます。
その素案を試してみて、やってみてどうだったと振り返ることで、
さらにいい対処の仕方を見つけ出す支援をするコーチングです。
気滞血瘀になる方が、
ライフコーチングを受けることがあれば、
強いストレスを得たシーンを具体的に把握し対処を支援するシーンが思い浮かびます。
だいたいはストレスが長期に渡れば感覚鈍麻という耐性?が増しますから、
本人的にはこれくらいは大丈夫だろうと思えてしまうわけです。
ですが身体は正直なものでそうしたストレス状態を思い浮かべているとき、
本人の目の動きや口元などの表情を観察すると、
身体のエネルギーを失う嫌なものにアクセスしたとき特有の動きをします。
そういった状態をみつけたら、その部分は感情や実情や諦めや様々な思いがこんがらがっていることが多いため、絡まった糸を丁寧に解くようにしていきます。
この作業は一度や二度のセッションで収まらないことも多いのですが、
回を重ねるごとに確かにストレス状態だったんだなと自覚を持てるようになります。
ほっと深く息を吐けたとき、腰が緩み呼吸効率がよくなってきます。
これは常日頃の極めて精神的な緊張状態を得てきて、それが身体の特定部位を同様に緊張させて血行を悪化させて感覚鈍麻状態だったところから抜け出してきたところです。
この感覚鈍麻状態を作る血行を阻害させたときに血瘀をこさえているのだろうと推測されます。
すると気滞血瘀を除くときの良法は、日頃の生活を振り返り、
繰り返されてきたストレスの悪循環の根を断つことが肝要で、
破血剤は補助として援護射撃をお願いしましょう。
原因を見定めて問題を繰り返させないためには、
そうした考えも成り立つでしょう。