個人的なことで恐縮ですが、
いま室内にてゴツコラやバコパモンニエリの植物を栽培中です。
特にゴツコラの葉は脳の形に似通っているといわれて、
似た形状のものは似た臓器に影響を与えるといいます。
脳の冴えをアップするブースト方法も様々ですよね。
人体と似た形状の食材は、
その人体の働きを良くするといわれています。
そういった食材はいくつかありますが、
たとえば、
沖縄の人は、産後に乳の出が悪い女性に
「パパイヤ、とってきて食べたらいいよ」
と助言するようです。
そのとおりに食べたら
なんと乳の出がよくなったそうです。
パパイヤに乳の出がよくなる栄養素があるからなさった助言かというと、
「いいやぁ、そうじゃないんだ
だってさぁ、
パパイヤの実がなっている姿をみたら、
たわわな女性の人の乳とそっくりなんだよぉ
だからいいと思ったんだ」
そういった答えが返ってきたそうです。
この助言者の思いつきかというとそうでもなく、
産後に母乳の量と質をよくするために
沖縄では青パパイヤを食べる風習があるようなんですね。
確かに青パパイヤの実を傷つけると出る白い乳液も女性の乳そっくり。
いまの時代、食物の成分分析をした結果がわかりますから、
これらの類似した食物と人体パーツの相関は科学から逸脱して感じられます。
ですがかつてそうした同じ形状と見立ててとっていた薬膳の食材が、
意外にいまもそうした目的で食べられることが少なくありません。
なんらかの共鳴・共振が影響しているのでしょうか。
私には非常におもしろいと感じられる話です。
漢方薬を構成する生薬にも、
河原の斜面地で水はけがいい植物があり、
そうした植物は人体のなかにある余計な水を
身体の外に排出する作用があるはずだと古代中国では考えたものなのか。
まったくその通りの作用を持った生薬が取れることも散見されるのです。
乾燥した生薬だけをみていたら、
そんなことがあるなんて想像できないことです。
そしてその生薬を育てる最適な環境で栽培されたものは薬効が高いため、
産地名がその生薬の名前につけられるものもあます。
薬効を証明するブランド表記のようなものでしょう。
そうしたこともあって、
ワインの当たり年があるように、
生薬にも「今年のやつはできが最高だ」と当たり年がでてくるのです。
(当たり年はあるし当たった薬理作用に優れた生薬もあって、
漢方薬局を長年なさっておられ生薬の仕入れを独自になさる先生は、
しっかりそういった生薬を手中になさるものと聞いたことがあります。
私にはそういった良質生薬を手に入れる術がなくて残念なところです)
そうやって考えていくと、
お客様の体質や身体の様相から改善したい傾向を把握すると。
このお客様は、腎に似た豆を使いましょうかとか、
中医学でいう痰とは代謝できない脂肪や浮腫ですが、
そうした余分な物質を体外に排泄するには
ここの産地で当たり年に取れたこの生薬を使おう。
そういった話しが水面下でやり取りされていそうですね。
ちなみに。
うちの部屋にあるゴツコラ(つぼくさ)は、
ダイソーの透明容器にいれて栽培中です。
これこそ産直も産直で収穫してすぐいただけますから。
ゴツコラは収穫してすぐのフレッシュなもののほうが
薬効が高い部類の食材です。
いまは脳疲労がはんぱなくなってパンクしそうなとき、
葉を数枚もいでいただいております。
すると(すーっ)と苦味が心を労り
心身が落ち着くのがわかります。
余談ですが、
うんしゅうみかんなどの皮を乾燥させた生薬の陳皮(ちんぴ)は
乾燥させて時間がたったほうが効能が高まります。
生薬にも熟成させることで薬効が高まったり、
身体を冷ます性質のものが身体を温める性質に変わるものもあります。
そのような生薬特性を知って使うときの違いを活かせるようになると、
似て非なるものを手中に収めることもできるようになってきます。
手技療法はいまだに身内の内々で腕が落ちないようにしていますが、
生薬や漢方処方の細やかさも、学ぶほどにすばらしさを実感します。
整体の施術ではあじわえない側面をアプローチすることも多々あり、
知れば知るほど興味はつきませんね。